星空案内はこちらのPDFファイルと一緒にお読みください
![]() この時期は一年の中でも太陽が最も遅く沈む時期ですが、夕方太陽が沈むころになるとその暑さも落ち着いてきます。夕焼けが終わる午後9時ごろの星空のようすを見ると、天頂から西の空には、おとなしめに光る春の星座が輝いています。北西の空の中ほどには北斗七星が見えています。北斗七星は星座ではなく、3月のこのページで紹介したM97とM108や、昨年3月のこのページで紹介したM81とM82など、小望遠鏡でも楽しめる銀河がたくさんあります。 |
一方、空の高いところを見てみると、明るい星の多い夏の星座が見えています。天頂近くに明るく輝く白い3つの一等星で作る大きな三角形を見つけることができます。こと座のベガ(25光年)・わし座のアルタイル(17光年)・はくちょう座のデネブ(2600光年)で作られる「夏の大三角」です。中国から伝わった七夕伝説の「織り姫」と「彦星」は、それぞれベガとアルタイルだと言われています。はくちょう座のデネブの近くには2021年9月のこのページで紹介したM39があります。 その夏の大三角のほぼまん中、はくちょう座のくちばしにあたるところにあるのが、昨年8月のこのページで紹介したアルビレオという星があります。宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」にも出てくる名前で、肉眼ではひとつの星に見えますが、望遠鏡で見ると2つの色の異なる星が寄り添って、とてもきれいな二重星です。地球から380光年の距離にあって、30万年という長い周期でゆっくりとまわりあっている星です。 |
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20cmクラスの望遠鏡の100倍くらいで見た こぎつね座M27のシミュレーション図
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さらに、そのアルビレオのすぐ近くにあるこぎつね座という星座の中には、M27と呼ばれる星雲があります。地球から980光年の距離にあり、中心にある星が星の一生を終え、放出されたガスが広がっていく過程が見えているのです。中心にはこれからガスを放出しきって死んで行くであろう白色わい星も見ることができます。 この種の、小さく円形に広がった星雲のことを、惑星のように見えることから「惑星状星雲」と呼んでいます。昨年8月のこのページで紹介したM57もこの仲間で、その中でもM27やM57は比較的明るい星雲で、8cmクラスの望遠鏡でも簡単に見ることができます。 もうひとつ、このM27の近くにあるや座という星座には、2023年9月のこのページで紹介した球状星団M71もあります。 |
一方、東の空に目を向けると、すでに秋の星座たちも昇ってきています。秋の星座は明るい星が少ないですが、その中で空の低いところからぽつんと黄色っぽく輝く星が昇ってきます。この星が土星です。土星までの距離は光の速さで約80分かかります。土星を望遠鏡で見ると、右の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。 この輪は、土星の直径(約116,000km)に対してわずか20mの厚さしかない円盤のため、地球からの見かけ上真横になったときと太陽に対して真横になったときには、輪が消えたように見える現象が起こります。土星は太陽の周りを約30年かけて公転しているので、その現象は約15年おきに起こるのですが、5月7日に太陽に対して輪が真横になり、この前後数日はほとんど輪が見えない状態になりました。是非、天体望遠鏡で輪の細くなった土星をご自身の目で確かめてみてください。 |
![]() Nexstar Evolution 6-Jで撮影した土星 MZT824RF ズームアイピース使用 マイクロフォーサーズミラーレスカメラ 2024年8月3日撮影 同時に撮影したMP4動画はこちら(7.4MB) |
夜が更けて明け方の2時ごろになると、東の空から2つの明るい星が並んで昇ってくるのが見られます。明るいほうの星は明けの明星の金星です。今月の金星までの距離は光の速さで約8分で、3月21日に太陽と地球の間を通過する内合を過ぎ、だんだんと地球から遠ざかっているところです。この時期は日の出の時間も一年の中で最も早いですが、今年の金星はさらに空の高いところに見えるため、こんなに早い時間に東の空から昇ってきます。これから今年いっぱい、明け方の東の空に見られるようになります。 水星と金星は地球より内側をまわっているので内惑星と呼ばれています。内惑星は、地球と太陽との位置関係により、見かけの大きさと明るさが変化します。その様子はこちらのページで解説しています。 |
![]() 天体望遠鏡で見た昼間の金星 Nexstar Evolution 6-J MZT824RF ズームアイピース使用 マイクロフォーサーズミラーレスカメラ |
もうひとつの星も金星に負けじ劣らず煌々と輝いていますが、こちらは木星です。木星までの距離は光の速さで約40分かかります。木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあるため、望遠鏡でも表面の模様が良く見えます。木星をはじめとした太陽系の天体の大きさが解る図がこちらのページにあります。 木星を望遠鏡で見ると、本体にある縞模様や、まわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見した衛星で、イオ・エウロパ・ガニメデ・カリストという名前が付けられています。木星はその明るさと大きさから大神ゼウスのローマ神話での呼び名ユピテル(Jupiter=英語でジュピター)と呼ばれており、そこをまわる衛星には、ゼウスに仕えていたニンフなどの名前が付けられているのです。 |
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金星・火星・木星・土星などの惑星たちは、そのまわりの星座の星々と毎日少しずつ位置関係を変えています。その様子を毎日スケッチしていくと、私たちの地球やこれらの惑星が、太陽のまわりをまわっていることが理解できるようになります。15世紀ポーランドの天文学者コペルニクスがはじめて唱えた地動説以後、世界中の天文学者が現在まで宇宙を見つめ続けて、現在も様々な角度から研究が進められています。そして2006年には、冥王星が惑星から除外されました。その太陽系宇宙の変遷をこちらのページにまとめています。 このページで紹介している星雲星団や惑星の様子は、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。 |
もう一つ、8月の天文現象の中で忘れてはいけないのが、12日の夜(13日の明け方)に見られるペルセウス座流星群です。今年のペルセウス座流星群は、深夜から明け方にかけて大きな月が空の高いところにあり、空が明るいためやや条件が悪いですが、それでも明るい流星が多いので、そこそこの出現は見ることができそうです。極大は13日の未明4時ごろと予想されているので、最も良い条件で見られるのは12日の夜(13日の明け方)ですが、その前後数日もたくさんの流れ星を見ることができるはずです。 |
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流星群を見るときには、なるべく近くに建物や高い山や森などの無い開けた場所で、まわりに街灯や照明などが少ない空の暗い場所を選んでください。また、流星は双眼鏡や望遠鏡を使ってみるものではなく、皆さんの目で空を見上げて見つけるものです。グラウンドシートなどを広げて、寝ころがって空をぼーっとながめているのが、もっとも流れ星を見つけやすい方法です。 |
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この時間になると、空の高いところにアンドロメダ座のアンドロメダ大銀河M31やおうし座のプレアデス星団M45も見えるようになり、東の空からはもう冬の星座のオリオン座なども見えるようになります。また、東の空の低いところには、金星と木星が明るさを競うかのようにぴったりと並んでいるのを見ることができます。流星探しをしながら、是非望遠鏡や双眼鏡も使って、移り行く星空を楽しんでみてくださいね。 |
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