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早くも1月が過ぎてしまいました。当社の事務所のある埼玉県では山火事も発生するほど非常に乾燥した日が続いていますが、夜空のほうはとても澄んでいて、冬の美しい星たちが輝いています。午後9時ごろの星空のようすを見ると、この冬の宵空では、太陽が沈んだ後の南西の空のに南西の空にひときわ不気味に赤く輝いている星があります。これが火星です。 今月の火星までの距離は光の速さで約13分で、昨年7月31日に2003年以来15年ぶりの大接近になり、少しずつ遠ざかっているところです。最接近の時よりは少し小さくなっていますが、それでもまだ望遠鏡を使えば表面の模様が見える距離です。是非この機会に火星を観察して、その変化をご自身の目で確かめてみてください。 火星は地球のすぐ外側をまわる惑星ですが、約2年2ヶ月ごとに地球に接近します。しかし、接近ごとにその距離が異なります。その理由は、火星の軌道が真円ではなくちょっとゆがんだ楕円をしているためです。地球軌道と火星軌道が離れている2月ごろに接近するときには小接近になりますが、軌道が接近している8月ごろに接近するときには大接近になるのです。 |
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今月、火星が見えているのはうお座の方角で、そのうお座から少し北(右)よりの空には、高いところに向かって明るい星が4つ、やや広い間隔で並んでいるのを見つけることができます。この付近がアンドロメダ座です。アンドロメダ座には、昨年10月のこのページで紹介したアンドロメダ大銀河M31やNGC891、2006年10月のこのページで紹介した二重星アルマク・2008年10月のこのページNGC752など、双眼鏡や望遠鏡で見て楽しい天体がたくさんあります。 そのアンドロメダ座の北側には小学校の教科書にも載っているカシオペヤ座があります。アンドロメダは、ギリシャ神話のカシオペヤの娘で、父はカシオペヤの西となりにいるケフェウス・夫となったのが東隣のペルセウス・・・という具合に、この季節の星座たちはひとつの神話でつながっています。もし興味のある方は、図書館やインターネットで調べてみてはいかがでしょう。 そのペルセウス座とカシオペヤ座の中間付近を見ると、空のきれいなところであれ、ば天の川の中に肉眼でもなにやらぼーっとした光のしみのようなものを見つけることができます。これが昨年11月のこのページで紹介した二重星団です。 さらに天頂から南の空に目を転じると、明るい星が多くとてもにぎやかな冬の星座たちを見ることができます。北よりの高いところに見えるのがぎょしゃ座のカペラ(42光年)です。ぎょしゃ座には、昨年12月のこのページで紹介したで紹介したM36・37・38の3つの散開星団があります。 ぎょしゃ座の南にはおうし座があります。おうし座の一等星アルデバラン(65光年)の付近は、ヒアデス星団という散開星団Mel25の一部で、この付近を双眼鏡で見てみると、40個程度の星が広く散らばっているのを見ることができます。 一方、もう少し空の高いところに見える数個の星がごちゃごちゃっと集まって見えるところが「すばる」ことプレアデス星団M45です。双眼鏡で見てみると、いろいろな明るさの100個くらいの星が群れを成しているのがわかります。 すばるやヒアデス星団より少し低いところには、冬の星座の代表冬の星座の王者オリオン座のベテルギウス(310光年)・全天で最も明るい恒星のシリウス(8.7光年)のあるおおいぬ座・そしてこいぬ座のプロキオン(11.2光年)が冬の大三角を形作っています。おおいぬ座には、2014年の2月のこのページで紹介した散開星団M41があります。さらにその南には、2012年1月のこのページで紹介したカノープス(310光年)も見えているはずです。 その冬の大三角の東の空には、ふたご座のポルックス(52光年)とカストル(32光年)も見えてきています。ふたご座には、2015年1月のこのページで紹介した散開星団M35があります。 |
M46・M47 とも座散開星団 APS-Cデジカメ一眼レフ 30秒露出 PV102E61鏡筒 Meadeシュミカセ用レデューサ併用(430mmF4.2相当) セレストロンAdvanced VX赤道儀使用 埼玉県堂平山にて撮影 8倍クラスの双眼鏡で見てみると、 ちょうど2つの星団をひとつの視野に見ることができます |
周囲に街灯等がなく、空のきれいな場所に行くと、ふたご座から冬の大三角を貫くように、淡い光の帯が続いているのを見ることができます。これが天の川です。私たちの太陽系は、私たちの天の川銀河の中心から少し離れたところに位置していますが、冬の天の川は、円盤状になっている天の川銀河の中心とは反対の方向を見ていることになり、中心方向にあたる夏の天の川より細く淡く見えます。それでも、双眼鏡や望遠鏡で見てみると、これまで紹介してきたもの以外にも、たくさんの星雲や星団を見ることができます。 そのうちの一つ、おおいぬ座のシリウスの少し東に見えるのが、とも座にあるM46とM47です。東側(右の写真の左側)の暗い星がたくさん集まって見えるのがM46で、地球から約5,300光年の距離にあります。西側(右の写真の右側)の比較的明るい星がざらざらと集まって見えるのがM47で、地球から約1,600光年の距離にあります。この距離の差が、見かけの明るさや広がりと大きく関係しています。 さらにM46の中を良く見てみると、星団の中の上(北)のほうに、魚のめだまのように見える小さな星雲があるのに気づくでしょう。これはNGC2438という惑星状星雲です。約2,900光年の距離にあり、M46よりずっと手前にある天体なので、M46を構成する星とは直接関係はなく、たまたま星団の手前に見えているわけです。 このようにして、宇宙を立体的に考えながら天体を見てみると、私たちの地球が置かれている状況を目で感じ取ることができるのではないと思います。 |
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冬の間は日の出の時間が遅いので、朝起きたときはまだ真っ暗という方も多いことでしょう。朝日が昇る前の星空を見る機会も多いと思います。この冬の明け方の東の空には、2つの明るい惑星が見えています。4時ごろに先に昇ってくるのは木星です。木星までの距離は光の速さで約40分かかりますが、木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあるため、望遠鏡でも表面の模様が良く見えるます。木星をはじめとした太陽系の天体の大きさが解る図がこちらのページにあります。 木星を望遠鏡で見ると、本体にある縞模様や、まわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見した衛星で、イオ・エウロパ・ガニメデ・カリストという名前が付けられています。木星はその明るさと大きさから大神ゼウスのローマ神話での呼び名ユピテル(Jupiter=英語でジュピター)と呼ばれており、そこをまわる衛星には、ゼウスに仕えていたニンフなどの名前が付けられているのです。 |
デジタルビデオカメラで撮影 |
さらにその木星を追うように昇ってくるのが明けの明星の金星です。今月の金星までの距離は光の速さで約8分で、これから6月ごろまで明けの明星として見ることができます。 このページで紹介している星雲星団や惑星の様子は、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。 |
天体望遠鏡で見た 昼間の金星 |
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