星空案内はこちらのPDFファイルと一緒にお読みください
新型コロナウイルスのまん延防止対策により外出する機会の少ない中、もう今年の半分を過ぎようとしています。6月21日は一年の中で最も昼間の長さが長い夏至です。夏至や冬至・春分・秋分は、紀元前4世紀ごろに中国で使われていた二十四節季のうちのひとつです。二十四節季は、その当時に暦として使われていた太陰暦(月の動きを基準にした暦)とは別に、太陽の動きから季節ごとに起こる事象を綴った暦の一種です。 天文学が発達した現代では、太陽の周りを回る地球の公転軌道を15度ずつに分けて計算し、その座標を通過する日にそれぞれの二十四節季を割り当てています。20世紀中ごろまでは、天文台の子午環と呼ばれる機械で天体を観測して、二十四節季を割り当てていました。このため、春分の日と秋分の日をはじめとした国民の祝日の日付を決めるのは、現在でも国立天文台の仕事で、前年の2月に次の年の祝日が発表されます(2021年の暦はこちら・2022年の暦はこちら)。天文学と言うと浮世離れした難しい学問のように思われがちですが、実は私たちの生活に密接な関係のある基礎学問のひとつなのです。 |
|
今月、その太陽が沈んだ後の西の空には、宵の明星の金星が低いところに見え始めています。今月の金星までの距離は光の速さで約13分で、3月に太陽の向こう側を周ってから少しずつ地球に接近してきているところです。このあと今年いっぱい、宵の明星として見ることができます。 |
天体望遠鏡で見た 昼間の金星 |
もうひとつ、金星より少し高いところに、不気味に赤く光る星が見えます。この星が火星です。火星は地球のすぐ外側をまわる惑星ですが、約2年2ヶ月ごとに地球に接近します。しかし、接近ごとにその距離が異なります。その理由は、火星の軌道が真円ではなくちょっとゆがんだ楕円をしているためです。 昨年10月6日に大接近をしたあと、現在少しずつ地球から遠ざかっていて、今月の火星までの距離は、光の速さで約19分です。今年前半は、宵空で火星が遠ざかっていく様子を見ることができます。是非実際に目で見てその姿を確かめて見てください。 |
|
金星や火星が西の空に沈む午後9時ごろの星空のようすを見ると、天頂から南の空には、おとなしめに輝く春の星座が輝いています。春の星座の方角は、太陽系のある天の川銀河の円盤状になっているちょうど薄くなった方角にあたるため、明るい星が少ないのですが、その中でも、北西の空の高いところにある北斗七星は、明るい星が並ぶ見つけやすい星の連なりです。北斗七星は星座ではなく、おおぐま座という星座の一部になります。おおぐま座には、4月のこのページで紹介したM97とM108や、3月のこのページで紹介したM81とM82など、小望遠鏡でも楽しめる銀河がたくさんあります。是非宇宙を延々と旅してきた星たちの光をあなたの目で確かめてみてください。 | |
北斗七星の南には、春の夜空では数少ない一等星、しし座のレグルスがあります。しし座というと、11月のしし座流星群で有名ですが、実際に宵の空に見えるのは春の季節になります。しし座にも、2017年4月のこのページで紹介したM65・66があります。 北斗七星は、北極星をさがす目印にもされますし、また、柄の部分のカーブをそのまま延ばして、春の星の中で最も明るいうしかい座のアークトゥルス(約37光年)を経ておとめ座のスピカへと続く春の大曲線の一部としても使われます。おとめ座には、昨年6月のこのページで紹介したおとめ座超銀河団があります。 |
りょうけん座の球状星団M3のシミュレーション画像 20cmクラスの望遠鏡で見るとこのように見えます
|
その途中、春の大曲線の内側にあるりょうけん座という小さな星座には、M3という球状星団があります。M3は地球から32,300光年の距離にある天の川銀河(私たちの銀河系)の中の天体で、球状星団という名前の通り星がボール状に集まったもので、年老いた星がお互いのエネルギーをもとめて集まってきている様子と考えられています。天の川銀河(私たちの銀河系)の外側を取り巻くように存在する天体で、いまだに謎の多い天体のひとつです。 M3の他にも、ヘルクレス座のM13や、いて座のM22、日本からは低空に見つけにくいですが、ケンタウルス座のω(オメガ)星団などが、良く知られた球状星団です。 これまで、銀河や星雲や星団の名前に「M」の文字がついた天体をいくつか紹介してきましたが、これは、18世紀のフランスの天文学者シャルル・メシエが作った星雲星団のリストです。彗星の番人と呼ばれたメシエは、彗星と間違えやすい星雲や星団をあらかじめリストアップして、彗星探索をしやすくしようとしました。メシエ天体は全部110個あり、これらは18世紀の望遠鏡でも見ることができたことからもわかるように、現在の小望遠鏡でも容易に見ることができる天体ばかりです。 しかし、そうは言っても肉眼では見ることができない天体ですから、望遠鏡の視野に入れるのはとても難しいものです。でも、天体自動導入望遠鏡なら、天体の名前を入力するだけで見つけることができます。 |
この時期になると、夜半にはもう夏の星座が顔を出してきます。空の高いころには、はくちょう座のデネブ・こと座のベガ・わし座のアルタイルで作られる夏の大三角が見え、南の空にはさそり座のアンタレスも見えています。 |
海から昇るさそり座と夏の天の川・火星・木星・土星 20mmF1.7レンズ→F2.2 + APS-Cカメラ 15秒露出 千葉県勝浦市にて撮影 4時間半のタイムラプスムービーはこちら |
木星までの距離は光の速さで約40分かかりますが、木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあるため、望遠鏡でも表面の模様が良く見えるます。木星をはじめとした太陽系の天体の大きさが解る図がこちらのページにあります。 木星を望遠鏡で見ると、本体にある縞模様や、まわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見した衛星で、イオ・エウロパ・ガニメデ・カリストという名前が付けられています。木星はその明るさと大きさから大神ゼウスのローマ神話での呼び名ユピテル(Jupiter=英語でジュピター)と呼ばれており、そこをまわる衛星には、ゼウスに仕えていたニンフなどの名前が付けられているのです。 |
デジタルビデオカメラで撮影 |
さらにその木星より少し西(右)の高い空には土星も見えています。土星までの距離は光の速さで約80分かかります。土星を望遠鏡で見ると、右の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。 金星・火星・木星・土星などの惑星たちは、そのまわりの星座の星々と毎日少しずつ位置関係を変えています。その様子を毎日スケッチしていくと、私たちの地球やこれらの惑星が、太陽のまわりをまわっていることが理解できるようになります。15世紀ポーランドの天文学者コペルニクスがはじめて唱えた地動説以後、世界中の天文学者が現在まで宇宙を見つめ続けて、現在も様々な角度から研究が進められています。そして2006年には、冥王星が惑星から除外されました。その太陽系宇宙の変遷をこちらのページにまとめています。 |
|
このページで紹介している星雲星団や惑星の様子は、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。 |
●このコーナーより商品をお申し込みの場合、代金のお支払いはクレジットカード・Amazonアカウント・Yahoo!ウォレット・代金引換・銀行振込・郵便振替・コンビニ決済(NP後払い)・ショッピングクレジット(分割払い)がお選びいただけます。はじめてご利用の方や、決済方法など詳しいことをお知りになりたい方は、こちらのページをご覧ください。 |
惑星や星雲星団の観望に最適な望遠鏡ラインナップ | ||
各マークについての解説はこちら | ||
はじめての星空には、まずは双眼鏡! | ||
はじめての天体観察に最適なお求めやすい双眼鏡。軽量コンパクトで女性やお子様でもお使いいただけます。 | ||
スターゲイズオリジナル FH-842K7C双眼鏡 \8,800 |
||
当社おすすめの入門者向け天体望遠鏡 | ||
持ち運びに便利な小型軽量に主眼を置いた天体望遠鏡。取り扱いの簡単な手動導入経緯台と超小型赤道儀・コンパクトな自動導入経緯台の3種類を選べます | ||
Sky-watcher AZシリーズ \28,600〜 |
||
初心者の方にも末長くお使いいただけるしっかりした経緯台と、安価で手ごろな価格の鏡筒をセットにした、マニアもおすすめの経緯台式天体望遠鏡! | ||
ビクセン ポルタ"f"(エフ)シリーズ 経緯台式天体望遠鏡 \48,400〜 |
||
入門者向け天体自動導入望遠鏡の決定版!。手軽な価格と天体自動導入の便利さを両立したハイコストパフォーマンスモデル。 | ||
ケンコー Sky Exporer SE-GTシリーズ \50,600〜 |
||
お持ちのスマートフォンがあなたの見たい星を導いてくれる・・・。大口径10cmF6.5屈折望遠鏡搭載。ゲーム感覚で天体観測が楽しめる新しい発想の経緯台式天体望遠鏡 | ||
セレストロン StarSense Explorer DX102-J 新発売Sale特価 \53,000 |
||
お持ちのスマートフォンやタブレットがコントローラーになる天体自動導入望遠鏡。大口径12.7cmシュミットカセグレン望遠鏡とのセットがお手頃価格で新登場 | ||
セレストロン ASTRO Fi 5-J \93,500 |
||
老舗望遠鏡メーカーが総力を挙げて作り上げた天体自動導入望遠鏡 必要十分な導入・追尾精度を抜群のコストパフォーマンスで実現 | ||
セレストロン Nexstar SE-Jシリーズ \99,000〜 |
||
大口径望遠鏡を持ち運び可能にするドブソニアン式望遠鏡と最新の天体自動導入装置を組み合わせ、誰でも簡単に目標の天体が導入できる次世代の天体望遠鏡! | ||
Sky-watcher Gotoドブソニアンシリーズ
\132,000〜 |
||
もっと遠くの宇宙を見たい もっときれいな写真が撮りたい | ||
写真撮影に最適なドイツ型赤道儀に、高性能な天体自動導入装置をドッキング! 鏡筒を載せ変えて様々な用途に使用できます | ||
セレストロン Advanced VX赤道儀 \187,000〜 |
||
セレストロンの天体自動導入望遠鏡最新モデル 内蔵Wi-Fiでスマートフォンやタブレットから直接望遠鏡をコントロール! 至れり尽くせりのユーザーフレンドリーな望遠鏡 このクラスでいちばんのおすすめ商品! | ||
セレストロン Nexstar Evolution-Jシリーズ \231,000〜 |
||
天文台級の望遠鏡を持ち運びできる大きさに!国際宇宙ステーションにも搭載されている本格派の天体自動導入望遠鏡 | ||
セレストロン CPC-Jシリーズ |
この他にもいろいろな商品をラインナップしています。是非オンラインショッピングをご覧ください。
このコーナーのバックナンバー | |||
2020年夏 6月 7月 8月 | 2020年秋 9月 10月 11月 | 2020-21年冬 12月 1月 2月 | 2021年春 3月 4月 |
2019年夏 6月 7月 8月 | 2019年秋 9月 10月 11月 | 2019-20年冬 12月 1月 2月 | 2020年春 3月 4月 5月 |
2018年夏 6月 7月 8月 | 2018年秋 9月 10月 11月 | 2018-19年冬 12月 1月 2月 | 2019年春 3月 4月 5月 |
2017年夏 6月 7月 8月 | 2017年秋 9月 10月 11月 | 2017-18年冬 12月 1月 2月 | 2018年春 3月 4月 5月 |
2016年夏 6月 7月 8月 | 2016年秋 9月 10月 11月 | 2016-17年冬 12月 1月 2月 | 2017年春 3月 4月 5月 |
2015年夏 6月 7月 8月 | 2015年秋 9月 10月 11月 | 2015-16年冬 12月 1月 2月 | 2016年春 3月 4月 5月 |
2014年夏 6月 7月 8月 | 2014年秋 9月 10月 11月 | 2014-15年冬 12月 1月 2月 | 2015年春 3月 4月 5月 |
2013年夏 6月 7月 8月 | 2013年秋 9月 10月 11月 | 2013-14年冬 12月 1月 2月 | 2014年春 3月 4月 5月 |
2012年夏 6月 7月 8月 | 2012年秋 9月 10月 11月 | 2012-13年冬 12月 1月 2月 | 2013年春 3月 4月 5月 |
2011年夏 6月 7月 8月 | 2011年秋 9月 10月 11月 | 2011-12年冬 12月 1月 2月 | 2012年春 3月 4月 5月 |
2010年夏 6月 7月 8月 | 2010年秋 9月 10月 11月 | 2010-11年冬 12月 1月 2月 | 2011年春 3月 4月 5月 |
2009年夏 6月 8月 | 2009年秋 9月 10月 11月 | 2009-10年冬 12月 1月 2月 | 2010年春 3月 4月 5月 |
2008年夏 6月 7月 8月 | 2008年秋 9月 10月 11月 | 2008-9年冬 12月 1月 2月 | 2009年春 3月 4月 5月 |
2007年夏 6月 7月 8月 | 2007年秋 9月 10月 11月 | 2007-8年冬 12月 1月 2月 | 2008年春 3月 4月 5月 |
2006年夏 6月 7月 8月 | 2006年秋 9月 10月 11月 | 2006-7年冬 12月 1月 2月 | 2007年春 3月 4月 5月 |
2005年夏 6月 7月 8月 | 2005年秋 9月 10月 11月 | 2005-6年冬 12月 1月 2月 | 2006年春 3月 4月 5月 |
2004年夏 6月 7月 8月 | 2004年秋 9月 10月 11月 | 2004-5年冬 12月 1月 2月 | 2005年春 3月 4月 5月 |
2003年夏 6月 7月 8月 | 2003年秋 9月 10月 11月 | 2003-4年冬 12月 1月 2月 | 2004年春 3月 4月 5月 |
2002年夏 6月 7月 8月 | 2002年秋 9月 10月 11月 12月 | 2003年冬 1月 2月 | 2003年春 3月 4月 5月 |
2002年春 4月 5月 | 2002年冬 2月 3月 | 2002年正月 | 2001年冬 |
2001年秋 10月 11月 | 2001年夏 | 2001年春 | 2001年正月 |