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 早くも1月が過ぎてしまいましたね。数ある今年の天文現象の中でも注目されていた、15日に西日本で見られた部分日食は、多くの方がご覧になったことと思います。
 この日食は、アフリカからインド半島の南を経て中国に至る地域では金環日食として見られました。右の写真は、中国南西部・雲南省の大理で見られた金環日食の様子です。画像をクリックすると、全過程をコラージュしたポスターサイズの画像が見られます。また、動画GIFに編集した画像もこちらからご覧いただけます。

 日本でも、2012年5月21日の朝、東京・名古屋・京都・大阪・高知・鹿児島などの日本各地で、金環日食を見ることができます。日本で見られる金環日食としては、1987年9月23日以来、25年ぶりとなる貴重な天文現象です。今からとても楽しみですね!。

 その太陽が西の空に沈むと、空には冬のきらびやかな星たちが輝きだします。2月10日の午後9時ごろの星空のようす見ると、宵の西の空のには、まだ秋の星座たちが見えています。 北西の空に見えるW字型の星の連なりは、小学校の教科書にも載っているカシオペヤ座です。カシオペヤ座からもう少し空の高いところに、漢字の「人」という字を横にしたように星が連なるペルセウス座が見えています。この、ペルセウス座とカシオペヤ座の中間付近には、2008年11月のこのページでも紹介している二重星団と呼ばれるこの星の集まりがあります。

 さらに目を天頂から南の空に向けると、明るい星が多くとてもにぎやかな冬の星座たちを見ることができます。天頂近くの高いところに見える明るい一等星がぎょしゃ座カペラ(41光年)です。ぎょしゃ座には先月のこのページで紹介したM36・37・38の3つの散開星団があります。

 ぎょしゃ座の南にはおうし座があります。おうし座の一等星アルデバラン(60光年)の付近は、ヒアデス星団という散開星団Mel25の一部で、この付近を双眼鏡で見てみると、40個程度の星が広く散らばっているのを見ることができます。一方、もう少し空の高いところに見える数個の星がごちゃごちゃっと集まって見えるところが、2009年1月のこのページで紹介した「すばる」ことプレアデス星団M45です。

 おうし座の南には、冬の星座の王者オリオン座ベテルギウス(310光年)・全天で最も明るい恒星のシリウス(8.7光年)のあるおおいぬ座・そしてこいぬ座プロキオン(11.2光年)が冬の大三角を形作っています。オリオン座といえば、2等星でできた3つの星がとても目立ちますが、その南には双眼鏡や小望遠鏡でも良く見えるオリオン座大星雲M42があります。また、おおいぬ座には、2004年の1月のこのページで紹介した散開星団M41があります。

 その北側にはふたご座ポルックス(52光年)とカストル(32光年)も見えてきています。ギリシャ神話では大神ゼウスとスパルタ王妃レダとの間に生まれた双子の兄弟と言われています。ふたご座にも、2004年3月のこのページで紹介したM35という散開星団があります。

 さらに目を東の空に向けると、早くも春の星座の姿も見えはじめています。冬の星座と比較すると明るい星が少ない春の星座ですが、今年は空の高いところに明るい星が一つ光っています。ふたご座より少し低い目を向けたところに、不気味に赤く光る火星を見ることができます。今月の火星までの距離は、光の早さで約4分で、1月28日に地球に最接近しました。火星は、私たちの地球の直径の約半分の大きさしかないため、今回のように接近したときにしか、表面の模様をみることができません。是非この機会に望遠鏡を使って火星を見てみてください。

 その火星より少し低いところには、春の夜空では数少ない一等星のレグルス(72光年)が光るしし座が見えています。しし座というと、11月のしし座流星群で有名ですが、実際に宵の空に見えるのは春の季節になります。しし座をはじめとした春の星座は、「銀河ののぞき窓」とも言われるとおり、銀河系の外側のはるかかなたにある銀河が、数多く見られるところでもあります。2005年5月のこのページでも、M65・M66というふたつの銀河を紹介しています。

Meade LX200-25で撮影した火星

 そして、そのしし座の下からは、もう一つ明るい星があがってくるのが見えます。この星が土星です。土星までの距離は光の速さで約80分かかります。土星は3月23日に「衝」(太陽−地球−土星が一直線に並ぶ)を迎え、今が最も良く見える時期です。土星を望遠鏡で見ると、右の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。

 火星や木星・土星は、そのまわりの星座の星々と毎日少しずつ位置関係を変えています。その様子を毎日スケッチしていくと、私たちの地球やこれらの惑星が、太陽のまわりをまわっていることが理解できるようになります。15世紀ポーランドの天文学者コペルニクスがはじめて唱えた地動説以後、世界中の天文学者が現在まで宇宙を見つめ続けて、現在も様々な角度から研究が進められています。そして2006年には、冥王星が惑星から除外されました。その太陽系宇宙の変遷をこちらのページにまとめています。


20cmクラスの望遠鏡で見た土星
デジタルカメラで撮影

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