タイトル画像および背景画像:マーズオービターカメラ(MOC)システムで撮影した火星
Image from (C)NASA
星空案内はこちらのページと一緒にお読みください
桜咲く4月!。学校や職場などであたらしいスタートを切られる方も多いのではないでしょうか?。今年は全国的に春の訪れが早いようで、当社の事務所のある埼玉でも、すでに桜が満開になっています。 | |
この季節は、季節風が弱まることや、中国大陸からの黄砂の影響もあり、晴れてもなかなかきれいな星空が見えない日も多いのですが、風向きが変わると空がとても青く、きれいな星空が見られるときがあります。この春、太陽が沈んでしばらくすると、夕焼け空の中に一番星として宵の明星の金星が見えるようになってきます。今月の金星までの距離は光の速さで約13分で、少しずつ地球に近づいてきます。今年の秋まで、金星は宵の明星として夕方の空に見ることができます。 水星と金星は地球より内側をまわっているので内惑星と呼ばれています。内惑星は、地球と太陽との位置関係により、見かけの大きさと明るさが変化します。その様子はこちらのページで解説しています。 |
天体望遠鏡で見た 昼間の金星 |
その金星が西の空に沈む午後9時ごろの星空のようすを見ると、これまで見えていた冬の星座から春の星座へと移り変わっていきます。西の空には冬のきらびやかな星たちが輝いています。北よりの高いところに見える黄色い一等星は、ぎょしゃ座のカペラ(42光年)です。ぎょしゃ座には2017年1月のこのページで紹介したM36・37・38の3つの散開星団があります。 ぎょしゃ座の南にはおうし座があります。おうし座の一等星アルデバラン(65光年)の付近は、ヒアデス星団という散開星団Mel25の一部で、この付近を双眼鏡で見てみると、40個程度の星が広く散らばっているのを見ることができます。 おうし座の南には、冬の星座の代表オリオン座のベテルギウス(310光年)・全天で最も明るい恒星のシリウス(8.7光年)のあるおおいぬ座・そしてこいぬ座のプロキオン(11.2光年)が冬の大三角を形作っています。おおいぬ座には、2014年の2月のこのページで紹介した散開星団M41があります。その冬の大三角の上には、ふたご座のポルックス(52光年)とカストル(32光年)も見えています。ふたご座には、1月のこのページで紹介した散開星団M35があります。 |
セレストロン CPC1100-J + HyperStar III APS-Cミラーレスデジカメ 30秒露出 埼玉県堂平山にて撮影
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一方、南の空に目を転じると、冬の星座に比べるとおとなしめに輝く春の星座を見ることができます。春の星座の方角は、太陽系のある天の川銀河の円盤状になっているちょうど薄くなった方角にあたるため、明るい星が少ないのですが、その中でも、北の空の高いところにある北斗七星は、明るい星が並ぶ見つけやすい星の連なりです。北斗七星は星座ではなく、おおぐま座という星座の一部になります。ひしゃくの形をした北斗七星の水を入れる底の部分には、M97とM108という2つの天体があります。 左の画像は望遠鏡にミラーレスデジカメを取り付けて撮影したもので、左の青い色をした星雲がM97、右の細長い方がM108です。M97は、私たちの天の川銀河の中にある星雲で、2600光年の距離にあると考えられています。写真に撮ると、円形に広がった星雲にふくろうの顔のように2つの暗部があるため、「ふくろう星雲」などとも呼ばれています。 一方M108のほうは、私たちの天の川銀河のずっと外側の4500万光年の距離にある銀河です。 おおぐま座には、この他にも先月のこのページで紹介したM81とM82など、小望遠鏡でも楽しめる銀河がたくさんあります。是非宇宙を延々と旅してきた星たちの光をあなたの目で確かめてみてください。 北斗七星は、北極星をさがす目印にもされますし、また、柄の部分のカーブをそのまま延ばして、春の星の中で最も明るいうしかい座のアークトゥルス(約37光年)・おとめ座のスピカ(約260光年)へと続く春の大曲線の一部としても使われます。その途中、春の大曲線の内側にあるりょうけん座という小さな星座には、2014年4月のこのページで紹介したM3という球状星団があります。 |
北斗七星の南には、春の夜空では数少ない一等星、しし座のレグルスがあります。しし座というと、11月のしし座流星群で有名ですが、実際に宵の空に見えるのは春の季節になります。しし座にも、2017年5月のこのページで紹介したM65・66があります。 | |
さらに、春の大曲線の終点にあるスピカより少し低い空に、特に目立って金色に輝いているのが木星です。木星までの距離は光の速さで約40分かかりますが、木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあるため、望遠鏡でも表面の模様が良く見えるます。木星をはじめとした太陽系の天体の大きさが解る図がこちらのページにあります。 木星を望遠鏡で見ると、本体にある縞模様や、まわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見した衛星で、イオ・エウロパ・ガニメデ・カリストという名前が付けられています。木星はその明るさと大きさから大神ゼウスのローマ神話での呼び名ユピテル(Jupiter=英語でジュピター)と呼ばれており、そこをまわる衛星には、ゼウスに仕えていたニンフなどの名前が付けられているのです。 |
デジタルビデオカメラで撮影 |
さらに夜が更けてくると、東の空にははくちょう座やこと座・さそり座などの夏の星座が顔を出してきます。夜半を過ぎると、その夏の星座と一緒に、南東の空から土星と火星が並ぶようにして昇ってきます。土星までの距離は光の速さで約80分かかります。土星を望遠鏡で見ると、下の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。 |
この春の明け方の空 3月25日 河口湖にて撮影 朝焼けに消えていく星たちのタイムラプスムービーはこちら 右上の明るい星が木星 左の天の川の中に火星と土星 富士山の上にさそり座 山頂の真上がアンタレス 火星の位置は、日に日に東(左)に移動します |
20cmクラスの望遠鏡で見た土星 デジタルカメラで撮影 |
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もう一方の火星は地球のすぐ外側をまわる惑星ですが、約2年2ヶ月ごとに地球に接近します。しかし、接近ごとにその距離が異なります。その理由は、火星の軌道が真円ではなくちょっとゆがんだ楕円をしているためです。 下の図は、その軌道を上から見た図になります。地球軌道と火星軌道が離れている2月ごろに接近するときには小接近になりますが、軌道が接近している8月ごろに接近するときには大接近になるのです。 |
2016年から2029年までの地球と火星の接近する位置 地球の軌道を鉛直方向から見た図 2018年7月31日の大接近は大変良い条件になります |
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これから15年間の地球と火星の接近する日とその距離・大きさのシミュレーション 最遠のときは太陽の向こう側にあるので、地球からはみることができません。 |
今月の火星までの距離は光の速さで約8分で、まだ望遠鏡で見ても小さいですが、これから7月31日の大接近に向けて、少しずつ地球に接近してきます。今月と7月31日の火星の見かけの大きさは約3倍・明るさにすると約20倍も変わります。是非毎月火星を観察して、その変化をご自身の目で確かめてみてください。 |
2018年の火星の見かけの大きさ(視直径)の変化の様子 右下の数値は地球から火星までの距離 1AU(=Astronomical Unit 天文単位)は地球と太陽の平均距離 |
宇宙から見た2018年の地球と火星の接近の様子 Java scriptの関係で上の図が見られない場合はこちら 緑が地球の軌道・赤が火星の軌道 その内側の水星と金星の動きにも注目してみましょう。 各惑星の大きさはわかりやすいように大きくしてあります。 地球が火星に接近して、離れていく様子がわかりますね。 |
火星・木星・土星などの惑星たちは、そのまわりの星座の星々と毎日少しずつ位置関係を変えています。その様子を毎日スケッチしていくと、私たちの地球やこれらの惑星が、太陽のまわりをまわっていることが理解できるようになります。15世紀ポーランドの天文学者コペルニクスがはじめて唱えた地動説以後、世界中の天文学者が現在まで宇宙を見つめ続けて、現在も様々な角度から研究が進められています。そして2006年には、冥王星が惑星から除外されました。その太陽系宇宙の変遷をこちらのページにまとめています。 このページで紹介している星雲星団や惑星の様子は、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。 |
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