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 春たけなわ!。この事務所のまわりでは二毛作の麦を植えるところや、たんぼに水を張って田植えの準備に勤しむ農家の人々の姿を目にすることが増えました。つい先日まで茶色が多かった色彩も、黄緑の鮮やかさが目立つようになってきました。

 左の写真は、先日都内まででかけたときの光景。午後からときどき小雨がぱらつく天気でしたが、夕方から西日が差し込むようになってきたころ、ふと空を見上げると、新宿駅の西口のデパート群に大きなアーチを描く虹ができていました。よくみると外側にももう1つアーチができています。持っていたデジカメで撮影した物を2枚合成したので、若干不自然なところもありますがご容赦下さい。虹の色のグラデーションが非常にたくさんの「色彩」を持っていることが良くわかりますね。

 街を通る人達もびっくりして歓声をあげる人や、カメラ付携帯電話で写真を撮って送る人など様々でしたが、新宿の街の中では、西口の駅前は比較的空が大きく開けている場所です。少しでも空を見上げることができれば、こんなめずらしい光景を見ることができるのですね。

 新宿の街中の空では街のあかりにかき消されて数えるほどしか見えませんが、それでも夜になれば星たちは美しく輝いています。5月10日ごろの星空のようすを見ると、宵の西の空の低いところには、まだ冬の星座が見えています。北よりの空に明るく輝くぎょしゃ座カペラこいぬ座のプロキオン、それより少し高いところにふたご座カストルポルックスが仲良く並んでいるのを見ることができます。お兄さんのカストルの方が若干暗い2等星で、弟のポルックスの方は1等星です。

 プロキオンとカペラの中間の更に低いところに光っているのが土星です。土星は望遠鏡で見ると丸い本体のまわりをくるっとドーナツ状の環が取り巻いている様子をみることができます。冬のあいだとても見やすい位置に輝いていた土星も、もうすぐ見納めになります。宵のうちでも特に早い時間(19:00〜20:00ごろ)の、まだ高度が近いうちに見るとよいでしょう。高度が低くなると、地球の大気の揺らぎの影響で、望遠鏡の性能を十分に発揮することができなくなってしまうのです。

 ふたご座よりさらに高いところに、今の宵空では最も明るく輝く木星の姿も見ることができます。木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあります。木星をはじめとした太陽系の天体の大きさが解る図がこちらのページにあります。望遠鏡で見ると、木星本体にある縞模様や、木星のまわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見された衛星で、イオエウロパガニメデカリストという名前が付けられています。

 一方、空の高いところには、冬の星座に比べるとおとなしめに輝く春の星座を見ることができます。そんな春の星の中でも特に目立つのが、北の空に見える北斗七星です。北斗七星は星座ではなくおおぐま座という星座の一部になります。北斗七星は、北極星をさがす目印にもされますし、また、柄の部分のカーブをそのまま延ばして、春の星の中で最も明るいうしかい座アークトゥルスおとめ座スピカへと続く春の大曲線の一部としても使われます。

20cmクラスの望遠鏡で見た土星と木星
デジタルカメラで撮影

Meade オートスターでの導入方法

タイヨウケイ→モクセイまたはドセイを選択


りょうけん座の球状星団M3のシミュレーション画像
20cmクラスの望遠鏡で見るとこのように見えます

Meade オートスターでの導入方法

テンタイ→セイウン/セイダン→メシエテンタイ→
「3」をキーパッドから入力

一般の赤道儀式での導入方法はこちら

 うしかい座のとなりにあるりょうけん座には、M3と呼ばれる球状星団があります。地球から32,300光年の距離に有る天の川銀河(私たちの銀河系)の中の天体で、球状星団という名前の通り星がボール状に集まったもので、年老いた星がお互いのエネルギーをもとめて集まってきている様子と考えられています。天の川銀河(私たちの銀河系)の外側を取り巻くように存在する天体で、いまだに謎の多い天体のひとつです。

 M3の他にも、ヘルクレス座のM13や、いて座のM22、日本からは低空に見つけにくいですが、ケンタウルス座のω(オメガ)星団などが、良く知られた球状星団です。これらの星雲や星団は、肉眼では見ることができないため、見つけるのが難しいものです。でも、天体自動導入望遠鏡なら、天体の名前を入力するだけで見つけることができます。

 土星の環や木星の縞模様・M3などの明るい星雲や星団は、口径6cmクラスの望遠鏡でも見ることができます。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径6cmですから、充分お楽しみいただけます。是非あなたの目で宇宙のほんとうの姿を確かめてみてください!。

 夜半ごろになると、東の空にはもう夏の星座が昇ってきます。2:00ごろになると、赤く輝くさそり座アンタレスよりも、もう少し南東の空に赤く不気味に赤く光る星を見つけることができるはずです。この星が地球のすぐ外側をまわる火星です。火星は私達の地球と良く似た惑星として、近年探査機が頻繁に向かっている注目の惑星です。

 火星は、今年8月に129年ぶりの大接近を迎えます。火星と地球は2年2カ月おきに接近をします。前回の接近は2001年6月11日でした(左の画像はその時の様子)が、今回はその時よりももっと近くに接近し、近年では最も近づく大接近中の大接近になります。今回ほどの大接近になると、小望遠鏡でも十分に表面の模様を見ることができます。いつか人類が立つかもしれない火星の様子を、是非確かめてください!。

20cmクラスの望遠鏡で見た火星
デジタルカメラで撮影

Meade オートスターでの導入方法

タイヨウケイ→カセイを選択


5月29日 午前4時ごろの東の空の様子
クリックすると拡大します


5月29日の金星食 東京での14:00少し前の様子
この後、金星が少しずつ月に隠されます

 夜明けまで星空を見上げていると、朝焼けの中に明けの明星の金星が昇ってきます。地球のすぐ内側をまわっている金星は、望遠鏡で見ると左の画像のように月と同じように満ちかけをしながら、地球に近づいたり離れたりして、その大きさ変えていることがわかります。

 左の図は、5月29日の朝4:00ごろの東の空の様子です。三日月を反対にしたような月と、明けの明星の金星、そして控え目に輝く水星が寄り添って見えるはずです。朝焼けが進むにつれて、まわりの星たちはだんだんと姿を消し、水星も肉眼では見えなくなってしまいますが、月と金星は空のきれいな場所であれば太陽が昇ってきてからもしばらくは見ることができるはずです。

 月は水星をかすめた後、金星に接近して行って、14:00ごろには月が金星を隠す「金星食」が見られます。肉眼では青空の中のため残念ながらその様子を見ることができないのですが、天体望遠鏡で月を導入することができれば、金星が月の裏側に隠れる瞬間を見ることができます。青空の中で細い月を探すのはとても難しいですが、天体自動導入装置のついた望遠鏡なら、昼間でもだいたいの方角まで望遠鏡を導くことができます。5月7日に起こる水星の日面通過のページの最後にMeadeオートスターを使ったヒントが書かれていますので、こちらを参考に探してみてください。なお、月や金星から太陽まではそれほど離れてはいませんので、望遠鏡の視野に直接太陽が入らないよう充分注意して観測するようにしてください。特に金星や月が見つからずに視野を移動する時には、急激に望遠鏡を動かしたりしないよう、慎重に操作してくださいね。

2003年5月29日の金星食の主な現象の時刻(日本時間)

地名

月に一部が隠れる

月に全部が隠れる

月から一部が現れる

月から全部が現れる

札幌

14:06:27ごろ

14:07:01ごろ

15:11:13ごろ

15:11:41ごろ

東京

14:01:30ごろ

14:02:04ごろ

15:22:42ごろ

15:23:05ごろ

大阪

13:55:33ごろ

13:56:03ごろ

15:20:48ごろ

15:21:13ごろ

福岡

13:47:06ごろ

13:47:37ごろ

15:17:06ごろ

15:17:32ごろ

那覇

13:46:18ごろ

13:47:00ごろ

15:09:48ごろ

15:10:23ごろ

5月29日 金星食の当日の様子

●写真上 当日の朝焼けの中の月と金星 当社ベランダにて撮影 上のシミュレーション図と見比べてみてください。月の地球照も見えています。地球照とは、太陽に照らされた地球の光が反射して、月の暗い部分(太陽に照らされていない部分)がうっすらと見える現象。天体望遠鏡を使えば、夕方や明け方の月で見ることができます。

●写真下 月に潜入する直前の金星の画像 Meade LX200GPS-25を使って昼間の金星を自動導入し、潜入(月の後ろに金星が隠れる)まで望遠鏡で追いかけてみましたが、空の透明度が悪く、残念ながら細い月を確認することができませんでした。14時01分10秒ごろから金星が少しずつ暗くなっていくのが解り、15秒後には見えなくなってしまいました。

●おまけ 今日の太陽の様子。活発な黒点が1つ見えていました。太陽観測用フィルターを望遠鏡に取りつけると、このような太陽像を見ることができます。

●このコーナーより商品をお申し込みの場合、代金のお支払いはクレジットカードでの決済または代金引換・銀行振込・郵便振替がお選びいただけます。はじめてご利用の方や、決済方法など詳しいことをお知りになりたい方は、こちらのページをご覧ください。

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