星空案内はこちらのPDFファイルと一緒にお読みください
あけましておめでとうございます!。旧年中は当社HomePageをたくさんの方々にご覧いただき、ありがとうございました。今年も皆さんに夜空を楽しんでいただけるよう、楽しいコンテンツ作りをしていきたいと思っております。今後ともよろしくお願い致します。 |
今年の1月の宵空では、太陽が沈んだ後の西の空の中ほどに、ぽつんと黄色っぽく輝く星が見えます。この星が土星です。土星までの距離は光の速さで約80分かかります。土星を望遠鏡で見ると、右の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。 その土星が西の空に沈み、夜も深まる午後9時ごろの星空のようすを見ると、西から南の空には、まだ秋の星座たちが見えています。西の空のやや低いところに見えるのは、天馬ペガススの姿です。ペガススの四辺形は、おとなしめな秋の星たちの中では比較的わかりやすい星の並びです。 |
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そのベガスス四辺形の北東から、明るい星が4つ、やや広い間隔で並んでいるのを見つけることができます。この付近がアンドロメダ座です。ペガススの四辺形とアンドロメダ座との接点の星は「アルフェラッツ」という名前が付けられており、アラビア語で「馬の中心」という意味があります。星座絵に描かれた天馬ペガススの、ちょうどおなかの部分にあたる星なのです。アンドロメダ座には、先月のこのページで紹介したアンドロメダ大銀河M31やNGC891・昨年10月のこのページで紹介した二重星アルマク・2008年10月のこのページNGC752など、双眼鏡や望遠鏡で見て楽しい天体がたくさんあります。 アンドロメダ座の北側には小学校の教科書にも載っているカシオペヤ座があります。アンドロメダは、ギリシャ神話のカシオペヤの娘で、父はカシオペヤの西となりにいるケフェウス・夫となったのが東隣のペルセウス・・・という具合に、この季節の星座たちはひとつの神話でつながっています。もし興味のある方は、図書館やインターネットで調べてみてはいかがでしょう。 そのペルセウス座とカシオペヤ座の中間付近を見ると、空のきれいなところであれ、ば天の川の中に肉眼でもなにやらぼーっとした光のしみのようなものを見つけることができます。これが先月のこのページで紹介した二重星団です。 |
さて、こんどはアンドロメダ座から南の空へ目を向けると、今月の宵空で最も目立って金色に輝く星が見えます。この星が木星です。木星は11月3日に「衝」を迎え、今が観望の好期です。木星までの距離は光の速さで約40分かかります。木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあるため、望遠鏡でも表面の模様が良く見えます。木星をはじめとした太陽系の天体の大きさが解る図がこちらのページにあります。 木星を望遠鏡で見ると、本体にある縞模様や、まわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見した衛星で、イオ・エウロパ・ガニメデ・カリストという名前が付けられています。木星はその明るさと大きさから大神ゼウスのローマ神話での呼び名ユピテル(Jupiter=英語でジュピター)と呼ばれており、そこをまわる衛星には、ゼウスに仕えていたニンフなどの名前が付けられているのです。 |
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その木星から東の空に目を向けると、明るい星が多い冬の星座が見えています。木星の左下に赤っぽく輝くのはおうし座のアルデバラン(65光年)です。この付近は、ヒアデス星団という散開星団Mel25の一部で、この付近を双眼鏡で見てみると、40個程度の星が広く散らばっているのを見ることができます。さらに、アルデバランやヒアデス星団よりもう少し空の高いところに、都会の明るい空でも肉眼でも数個の星がごちゃごちゃっと集まっているのを見ることができます。これがが先月のこのページで紹介した「すばる」ことプレアデス星団M45です。 |
ぎょしゃ座散開星団M36 M37 M38を 双眼鏡で見たときのシミュレーション画像 夜空の暗い場所で8倍40mmクラスの双眼鏡で見ると、 このように3つの星団をひとつの視野に見ることができます 双眼鏡での見つけ方はこちら |
そのおうし座より少し北よりには、黄色く輝くぎょしゃ座のカペラ(42光年)が見えています。ぎょしゃ座には冬の天の川が中央を流れていて、双眼鏡で見ると無数の星たちが輝いているのを見ることができます。この中に、明るい3つの散開星団があります。 最も東よりにあるM37は、約4700光年とこの3つの中でも最も遠い距離にあり、望遠鏡で見ると小さな星たちが無数に群がっている様子を見ることができます。まん中のM36は、約3800光年の距離にあり、星の数はM37に比べて少なめで、明るめの星がバラっと散らばって見えます。いちばん西のM38は、約3600光年と最も近く、他の2つに比べると少し広がりのある星の集まりです。 |
さらにぎょしゃ座より少し低いところには、ふたご座のポルックス(52光年)とカストル(32光年)が並んで輝いています。ふたご座には、2022年2月のこのページで紹介した散開星団M35があります。 一方、南東の空の高いところには、冬の星座の代表オリオン座のベテルギウス(約600光年)・全天で最も明るい恒星のシリウス(8.7光年)のあるおおいぬ座・そしてこいぬ座のプロキオン(11.2光年)が冬の大三角を形作っています。おおいぬ座には、2014年の2月のこのページで紹介した散開星団M41があります。さらにその南には、2023年2月のこのページで紹介したカノープス(310光年)も見えているはずです。 |
オリオン座大星雲M42・M43 セレストロンCPC1100-J + HyperStar APS-Cミラーレスデジカメ 露出30秒 富士山須走口五合目にて撮影 |
その冬の大三角の一端を担うオリオン座には、ベテルギウスのほかにもう一つの一等星リゲル(約900光年)と、オリオンのベルトにある3つの二等星が目立って見えますが、そのベルトの下のところに、少し空のきれいなところだと、肉眼でも3つの4等星が縦に並んでいるのを見ることができます。 ここに双眼鏡や望遠鏡を向けると、オリオン座大星雲M42・M43を見つけることができます。私たちの太陽系から約1300〜1600光年の距離にある分子雲の一部が輝いている領域で、その中の活発な部分が、新しい星を生み出していると考えられています。 双眼鏡で見てみると、肉眼で見えていた3つの星が複数の星の集まりとしてみることができ、その中央に星雲を見つけることかできます。 8cmクラスの望遠鏡で見ると、星雲の中心に4つの星が台形に並んでいるのが見えます。この星は「トラぺジウム」(ラテン語で台形の意味)と呼ばれていて、この領域には、まだ輝きだしていない新しい星が、分子雲の向こう側に隠されていると考えられています。 空の暗い場所で20cmクラスの望遠鏡で見てみると、濃淡の付いた星雲が、鳥が羽を広げたようなたいへん美しい姿を見ることができます。 さらに、望遠鏡にデジカメを取り付けて数十秒くらい露出して撮影すると、左の写真のように赤や青に彩られた星雲が写り、たいへん美しい姿を見ることができます。 |
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夜も更けて明け方4時ごろになると、空はすっかり春の星座が見えるようになります。春の星座は明るい星が少ないのですが、この冬の明け方の東の空には、明けの明星の金星が輝いています。今月の金星までの距離は光の速さで約10分で、昨年8月12日に地球と太陽の間を通過する内合を過ぎて、少しずつ地球から遠ざかっているところです。今年の春先までは、明けの明星として見ることができます。 |
Sky-watcher AZ-Go2 MAK127で見た昼間の金星 マイクロフォーサーズミラーレスカメラで撮影 |
このページで紹介している星雲星団や惑星の様子は、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。 |
●今年の天文現象をちょっとご紹介● 今年の天文現象から、特に注目したい現象を3つご紹介します。 |
★4月8日(月) 北アメリカ大陸で皆既日食 2024年は世界的に見ると2回の日食があり、その1回目となる4月8日(月)(日本時間9日(火))の日食はメキシコ・アメリカ・カナダで皆既日食になります。 |
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右写真:2017年8月21日
アメリカ アイダホ州で見られた皆既日食 |
★8月10日(土)宵・12月25日(水)未明 スピカ食 おとめ座の一等星スピカが月に隠される現象が8月10日(土)の宵と12月25日(水)の未明に見られます。 |
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右写真:2017年1月9日のアルデバラン食
(クリックするとその時の様子を見ることができます) |
★12月8日(日)宵 土星食 12月8日(日)の宵空の高いところに見える月が、土星を隠します。日本で夜に見られる土星食は2002年3月20日以来23年ぶりです。この他、7月25日(木)の朝(日の出後)の西の空でも土星食が起こります。 |
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右写真:2002年1月25日の土星食 (クリックするとその時の様子を見ることができます) |
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