夏の夜の星空散歩 Summer Sale 2013

星空案内はこちらのページと一緒にお読みください

???? 今年は関東以南では例年より非常に早い梅雨明けとなった一方、東北地方では梅雨前線が停滞し、なかなか梅雨が明けません。さらに、梅雨明け後に南下した前線により、日本海側を中心に豪雨被害も見られています。被害に遭われた方々にお見舞い申し上げるとともに、早く梅雨が明け、きれいな星空が見られることを祈っています。

 そんな今年の夏の星空ですが、太陽が沈んだ後の夕焼け空の中に、宵の明星の金星が輝いているのを見ることができます。金星を天体望遠鏡で見てみると、右の写真のように月のように欠けている様子がわかります。今月の地球から金星までの距離は約11分です。金星のように、地球より内側をまわる惑星のことを内惑星といいます。内惑星は、地球と太陽との位置関係により、見かけの大きさと明るさが変化します。その様子はこちらのページで解説しています。

 金星が西の地平線に沈んだあとの午後9時ごろの星空のようすを見ると、北西の空には、北斗七星が目だって見えています。北斗七星という名前は星座ではなく、おおぐま座という星座の一部になります。その柄の部分のカーブをそのまま延ばして、うしかい座アークトゥルス(36.7光年)・おとめ座スピカ(260光年)へと続く春の大曲線を見つけることができます。

 その春の大曲線の終点に光るスピカの東に、今年はもうひとつ黄色く光る明るい星が見えています。この星が土星です。土星は4月29日に「衝」(太陽−地球−土星が一直線に並ぶ)を迎え、だんだんと西の空に低くなってきているため、そろそろ見納めになります。土星を望遠鏡で見ると、右の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。土星までの距離は光の速さで約80分かかります。

 金星や土星などの惑星たちは、そのまわりの星座の星々と毎日少しずつ位置関係を変えています。その様子を毎日スケッチしていくと、私たちの地球やこれらの惑星が、太陽のまわりをまわっていることが理解できるようになります。15世紀ポーランドの天文学者コペルニクスがはじめて唱えた地動説以後、世界中の天文学者が現在まで宇宙を見つめ続けて、現在も様々な角度から研究が進められています。そして2006年には、冥王星が惑星から除外されました。その太陽系宇宙の変遷をこちらのページにまとめています。


20cmクラスの望遠鏡で見た土星
デジタルカメラで撮影

 街中の夜空ではなかなか見ることができませんが、夏休みに都会から離れた山の上や海辺などで夜空を見上げると、空の高いところから南の地平線にむかって、淡い光の帯を見ることができます。これが「天の川」です。実際に見たことが無いという方も多いと思いますが、夏の天の川は他の季節に比べて濃くはっきりと見えます。アウトドアやキャンプなどで昼間体を動かした後、食後のひとときに是非機会を作って夜空を見上げてみてください。

 その天の川が特に濃く明るく見えるのが、さそり座いて座のある方向。ちょうど今の時期の夜9時ごろに真南の空に見えてきます。この方角が、私達の天の川銀河の中心の方向になります。私達の地球がある太陽系は、天の川銀河の中心から少し離れたところにあります。このため、中心方向を見ると、たくさんの星が集まっている様子を見ることができるのです。

 天の川が最も濃く見えるところのやや東側に、赤く光る一等星が見えるはずです。この星がアンタレス(550光年)です。さそり座は、このアンタレスから釣り針のようにS字型をした星の連なりで、夏の星空の中ではとてもわかりやすい星座です。是非、実際の星空で探してみてください。さらに、さそり座の西側の天の川が特に濃く明るく見える付近がいて座です。さそり座には、アンタレスのすぐ東にある球状星団M4や、昨年7月のページで紹介したさそりのしっぽの毒針の先あたりにあるM6M7という2つの散開星団があり、いて座にも2008年7月のこのコーナーで紹介したM11M8など、たくさんの星雲星団があります。

 こんどはいて座から、天の川に沿ってさらに空の高いところに目を移すと、明るく輝く白い3つの一等星で作る大きな三角形を見つけることができます。こと座ベガ(25光年)・わし座のアルタイル(17光年)・はくちょう座デネブ(2000光年)で作られる「夏の大三角」です。中国から伝わった七夕伝説の「織り姫」「彦星」は、それぞれベガとアルタイルだと言われています。その夏の大三角のひとつ、こと座の中には、先月のこのページで紹介したM57と呼ばれる星雲があります。地球からの2150光年の距離にあり、今から約2000万年前に中心にある星が星の一生を終え、放出されたガスがリング状に広がっていく過程が見えているのです。中心にはこれからガスを放出しきって死んで行くであろう白色わい星も見ることができます。

 さらに、夏の大三角のほぼまん中、はくちょう座のくちばしにあたるところにあるのが、先月のこのページで紹介したアルビレオという星。宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」にも出てくる名前で、肉眼ではひとつの星に見えますが、望遠鏡で見ると2つの色の異なる星が寄り添って、とてもきれいな二重星です。地球から380光年の距離にあって、30万年という長い周期でゆっくりとまわりあっている星です。

 そして、アルビレオのすぐ近くにあるこぎつね座という星座の中には、M27と呼ばれる星雲があります。地球から980光年の距離にあり、中心にある星が星の一生を終え、放出されたガスが広がっていく過程が見えているのです。中心にはこれからガスを放出しきって死んで行くであろう白色わい星も見ることができます。

 この種の、小さく円形に広がった星雲のことを、惑星のように見えることから「惑星状星雲」と呼んでいます。M57もこの仲間で、その中でもM27やM57は比較的明るい星雲で、8cmクラスの望遠鏡でも簡単に見ることができます。

20cmクラスの望遠鏡の100倍くらいで見た
こぎつね座M27のシミュレーション図

Meade オートスターでの導入方法

Deep Sky→Messierを選択して27と入力
天体自動導入機の無い望遠鏡での見つけ方はこちら

 さらに時間が過ぎて明け方2時ごろ、東の空から金色に輝く明るい星が昇ってくるのが見えます。この星は木星です。木星までの距離は光の速さで約40分かかりますが、木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあるため、望遠鏡でも表面の模様が良く見えるます。木星をはじめとした太陽系の天体の大きさが解る図がこちらのページにあります。

 木星を望遠鏡で見ると、本体にある縞模様や、まわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見した衛星で、イオエウロパガニメデカリストという名前が付けられています。木星はその明るさと大きさから大神ゼウスのローマ神話での呼び名ユピテル(Jupiter=英語でジュピター)と呼ばれており、そこをまわる衛星には、ゼウスに仕えていたニンフなどの名前が付けられているのです。

 このページで紹介している星雲星団や惑星の様子は、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。

Meade LX200-25で見た木星
デジタルビデオカメラで撮影


8月12日の東京でのスピカ食の様子

 そして、この夏注目の天文現象として忘れてはいけないのが、12日の夕方におとめ座の一等星スピカが月に隠される「スピカ食」という現象です。日本で夜間に見られる一等星の食は、2005年3月31日のアンタレス食以来、8年ぶりとなります。

 今回のスピカ食は、天球上を移動している月が、私たちからの見かけ上恒星の手前を通過するときに星食のうちのひとつで、スピカ・月・地球が一直線上に並び、見かけ上スピカの手前に月が入り込んでくることにより、月がスピカを隠す現象です。秋田〜岩手以北を除く、全国で見ることができます。詳しくは、こちらのページで紹介しています。是非ご自身の目で確かめてみてください。


今年のペルセウス座流星群の見える状況
クリックすると拡大します
8月13日午前3時ごろの北東の空の様子

 もう一つ、そのスピカ食の夜の12日の夜(13日の明け方)には、一年の流星群の中でも最も有名なペルセウス座流星群です。今年のペルセウス座流星群は夜半前に月が沈み、暗い夜空にたくさんの流れ星を見ることができると思います。

 流星群を見るときには、なるべく近くに建物や高い山や森などの無い開けた場所で、まわりに街灯やネオンサインなどが少ない空の暗い場所を選んでください。また、流星は双眼鏡や望遠鏡を使ってみるものではなく、皆さんの目で空を見上げて見つけるものです。グラウンドシートなどを広げて、寝ころがって空をぼーっとながめているのが、もっとも流れ星を見つけやすい方法です。

 是非この夏は、天の川が見えるほど星空のきれいなところに出かけてみませんか?。都会よりもっとたくさんの流れ星を見ることができるはずです。そして、流星だけではなく、是非他の星たちも楽しんで見てくださいね。そんなときに、当社オンラインショッピングおすすめラインナップで取りそろえた双眼鏡や望遠鏡を使えば、きっと楽しい夜の一時を過ごすことができるでしょう!。

Summer Sale! 2013 プレゼントキャンペーン!

 Summer Sale! 2013期間中(2013年7月1日〜8月31日)に、 ビクセン ポルタ"f"(エフ)シリーズ GP2赤道儀シリーズ Meade ETX-90PO Meade LS・LTシリーズ LX90シリーズ LX200シリーズをお求めのすべてのお客様に、アイピース・ポータブルバッテリ等すぐに使える便利な付属品をプレゼント!(プレゼント内容は各機種ごとに異なります)

●このコーナーより商品をお申し込みの場合、代金のお支払いはクレジットカードでの決済または代金引換・銀行振込・郵便振替・コンビニ決済(NP後払い)がお選びいただけます。はじめてご利用の方や、決済方法など詳しいことをお知りになりたい方は、こちらのページをご覧ください。

Summer Sale 2013 おすすめラインナップ

各マークについての解説はこちら

はじめての星空には、まずは双眼鏡!

独自の新設計で10倍50mmで従来の7倍50mmと同等の視野を確保。天体観測から昼間の風景まで、広い視野ですっきりした像が得られる自信作!。

スターゲイズオリジナル FZ-RFL双眼鏡
10倍50mm  \8,400
8倍40mm  \7,700

明るく広い視野が得られ天体観察に最適な7倍50mmのスペックで、天体観測から昼間の風景まで幅広くお使いいただける双眼鏡です。。

BaK4ガラス使用のダハプリズムタイプ完全防水双眼鏡。軽量コンパクトで女性やお子様でもお使いいただけます。

新しい「標準双眼鏡」を目指して、1ランク上の明るさとコントラストとコンパクト設計を兼ね備えた意欲作!

双眼鏡企画商品最新作 淡い星雲の広がりや地球に近づいた彗星の観察などに最適な、ハイグレードな製品を求めるマニア仕様の大口径双眼鏡

当社おすすめの入門者向け天体望遠鏡

初心者の方にも末長くお使いいただけるしっかりした経緯台と、安価で手ごろな価格の鏡筒をセットにした、コストパフォーマンスの高い経緯台式天体望遠鏡!

ポータブル望遠鏡として圧倒的な人気を誇るETXシリーズ マクストフカセグレン光学系によるシャープな像は土星の輪も木星の縞模様もくっきり見えます。

もっと遠くの宇宙を見たい もっときれいな写真が撮りたい

入門者からベテランまで、月や惑星の観望から本格的な天体写真まで、様々な用途に対応するシステム赤道儀 天体自動導入機にもなるオールマイティな多機能望遠鏡

Meade天体自動導入ロボットの最新版 新機能の電子ファインダーで、天体自動導入に必要な初期設定を完全自動化したLSシリーズと、ハイコストパフォーマンスな大口径機LTシリーズが新発売  このクラスでいちばんのおすすめ商品!
Meade天体自動導入ロボットの定番 モーターで目的の天体をどんぴしゃり 20cmの大口径で迫力のある像をお楽しみいただけます

Meadeの天体自動導入ロボットのフラッグシップモデル GPS搭載で初期設定までも自動化! 最新自動導入コンピュータオートスター2で抜群の計算能力と導入精度を誇るフラッグシップモデル

この他にもいろいろな商品をラインナップしています。是非オンラインショッピングをご覧ください。

簡単アンケートにご協力下さい

 このページの内容は おもしろかった ふつう おもしろくなかった
  ためになった ふつう ためにならなかった
  わかりやすかった ふつう わかりにくかった
 今夜の星空を 見たいと思う わからない 見ないと思う
 8月のスピカ食を 見たいと思う 見ないと思う それはなんですか?
 望遠鏡や双眼鏡を 望遠鏡を持っている 双眼鏡をもっている どちらも持っている
  どちらも持っていない    
 ひとことどうぞ

このボタンを押しても、あなたの個人情報などは送信されません


このコーナーのバックナンバー

2013年夏 6月 7月


2012年夏 6月 7月 8月 2012年秋 9月 10月 11月 2012-13年冬 12月 1月 2月 2013年春 3月 4月 5月
2011年夏 6月 7月 8月 2011年秋 9月 10月 11月 2011-12年冬 12月 1月 2月 2012年春 3月 4月 5月
2010年夏 6月 7月 8月 2010年秋 9月 10月 11月 2010-11年冬 12月 1月 2月 2011年春 3月 4月  5月  
2009年夏 6月 8月 2009年秋 9月 10月 11月 2009-10年冬 12月 1月 2月 2010年春 3月 4月 5月
2008年夏 6月 7月 8月 2008年秋 9月 10月 11月 2008-9年冬 12月 1月 2月 2009年春 3月 4月 5月
2007年夏 6月 7月 8月 2007年秋 9月 10月 11月 2007-8年冬 12月 1月 2月 2008年春 3月 4月 5月
2006年夏 6月 7月 8月 2006年秋 9月  10月  11月 2006-7年冬 12月 1月 2月 2007年春 3月 4月 5月
2005年夏 6月 7月 8月 2005年秋 9月  10月 11月 2005-6年冬 12月 1月 2月 2006年春 3月 4月 5月
2004年夏 6月 7月 8月 2004年秋 9月 10月 11月 2004-5年冬 12月 1月 2月 2005年春 3月 4月 5月
2003年夏 6月 7月 8月 2003年秋 9月 10月 11月 2003-4年冬 12月 1月 2月 2004年春 3月 4月 5月
2002年夏 6月 7月 8月 2002年秋 9月 10月 11月 12月 2003年冬 1月 2月 2003年春 3月 4月  5月
2002年春 4月 5月 2002年冬 2月 3月 2002年正月 2001年冬
2001年秋 10月 11月 2001年夏 2001年春 2001年正月
スターゲイズ トップページに戻る