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星空案内はこちらのPDFファイルと一緒にお読みください

 早くも今年の半分を過ぎました。今年は新型コロナウイルスの感染対策で、外出がなかなかできない日々が続きましたが、これから梅雨が明ければ夏本番!。美しい星空が見える季節になります。是非夜は外に出て、感染対策をしながら夜空を楽しんでください。

 夏の夜空は一等星が多く、星空がにぎやかな季節ですが、今年はそこにさらに4つも惑星が加わり、大賑わいとなっています。今月、太陽が沈んだ後の西の空には、宵の明星金星が見えています。今月の金星までの距離は光の速さで約11分で、3月に太陽の向こう側を周ってから少しずつ地球に接近してきているところです。このあと今年いっぱい、宵の明星として見ることができます。

 水星と金星は地球より内側をまわっているので内惑星と呼ばれています。内惑星は、地球と太陽との位置関係により、見かけの大きさと明るさが変化します。その様子はこちらのページで解説しています。

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天体望遠鏡で見た
昼間の金星
 もうひとつ、金星に寄り添うように、不気味に赤く光る星が見えます。この星が火星です。火星は地球のすぐ外側をまわる惑星ですが、約2年2ヶ月ごとに地球に接近します。しかし、接近ごとにその距離が異なります。その理由は、火星の軌道が真円ではなくちょっとゆがんだ楕円をしているためです。

 昨年10月6日に大接近をしたあと、現在少しずつ地球から遠ざかっていて、今月の火星までの距離は、光の速さで約20分です。このあと火星は太陽の向こう側に回り込んでしまい、しばらく見ることができなくなります。


Meade LX200-25で撮影した火星

 このあと今年いっぱい、毎月10日前後には、金星と細い月が夕方の西の空で並ぶ様子を楽しむことができます。特に今月12日には、そこに火星も加わって美しい眺めになります。是非夕方西の空の金星に注目してみてください。

7月12日の日没1時間後の西の空の様子
月と金星の会合は、8月11日・9月10日
11月8日にも見られます
特に11月8日は昼間の金星食も見られます


FH-842K7C等の双眼鏡で見た様子の
シミュレーション

 金星や火星が西の空に沈む午後9時ごろの星空のようすを見ると、天頂から西の空には、おとなしめに光る春の星座が輝いています。北西の空の中ほどには北斗七星が見えています。北斗七星は星座ではなく、おおぐま座という星座の一部になります。おおぐま座には、4月のこのページで紹介したM97M108や、3月のこのページで紹介したM81M82など、小望遠鏡でも楽しめる銀河がたくさんあります。是非宇宙を延々と旅してきた星たちの光をあなたの目で確かめてみてください。
 北斗七星は、北極星をさがす目印にもされますし、また、柄の部分のカーブをそのまま延ばして、春の星の中で最も明るいうしかい座アークトゥルス(約37光年)を経ておとめ座のスピカへと続く春の大曲線の一部としても使われます。おとめ座には、昨年6月のこのページで紹介したおとめ座超銀河団があります。
 一方、空の高いところを見てみると、明るい星の多い夏の星座が見えています。東の空の高いところに、明るく輝く白い3つの一等星で作る大きな三角形を見つけることができます。こと座ベガ(25光年)・わし座のアルタイル(17光年)・はくちょう座デネブ(2600光年)で作られる「夏の大三角」です。中国から伝わった七夕伝説の「織り姫」「彦星」は、それぞれベガとアルタイルだと言われています。

 その夏の大三角より少し空の高いところに、3等星でできたアルファベットの「H」を横にしたようなの形の星の連なりを見つけることができます。これがヘルクレス座で、この中にはM13と呼ばれる球状星団があります。地球から23,500光年の距離にある天の川銀河(私たちの銀河系)の中の天体で、球状星団という名前の通り星がボール状に集まったもので、年老いた星がお互いのエネルギーをもとめて集まってきている様子と考えられています。天の川銀河の外側を取り巻くように存在する天体で、いまだに謎の多い天体のひとつです。

ヘルクレス座の球状星団M13のシミュレーション画像
20cmクラスの望遠鏡で見るとこのように見えます
7cmクラスの望遠鏡では、ぼーっとした光のしみのように見えます

セレストロン Nexstar+での導入方法
「13」(Deep Sky)キー→メシエ
→「013」をキーパッドから入力

Sky-watcher Gotoドブソニアン
Sky Explorer SE-GTでの導入方法
「4」(メシエ Messier)キー→
→「013」をキーパッドから入力

Meade オートスターでの導入方法
Deep Sky→
Messier Object→
キーで「13」を入力

双眼鏡や天体自動導入機の無い望遠鏡での見つけ方はこちら

 夏の大三角からさらに南の空の低いところに目を移すと、少し西寄りの空にさそり座アンタレス(620光年)があります。この方角は私たちの天の川銀河の中心方向にあたるため、明るく太い天の川が見えます。ちょうど今の時期の21時ごろに真南の空に見えてきます。この方角が、私達の天の川銀河の中心の方向になります。私達の地球がある太陽系は、天の川銀河の中心から少し離れたところにあります。このため、中心方向を見ると、たくさんの星が集まっている様子を見ることができるのです。


夏の天の川と木星・土星
20mmF1.7→F2.5 + APS-Cミラーレスカメラ
30秒露出 北海道佐呂間町にて
 そして、さそり座から目を東(左)の空に向けると、低い空に土星が見えてきています。土星までの距離は光の速さで約80分かかります。土星は8月2日に「衝」を迎え、今が最も良く見える時期です。土星を望遠鏡で見ると、右の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。

 さらに、22時を過ぎたころには、土星より低いところに木星も昇ってきます。木星も8月20日に「衝」を迎え、今が最も良く見える時期です。木星までの距離は光の速さで約40分かかりますが、木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあるため、望遠鏡でも表面の模様が良く見えます。


20cmクラスの望遠鏡で見た土星
デジタルカメラで撮影

 木星を望遠鏡で見ると、本体にある縞模様や、まわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見した衛星で、イオエウロパガニメデカリストという名前が付けられています。木星はその明るさと大きさから大神ゼウスのローマ神話での呼び名ユピテル(Jupiter=英語でジュピター)と呼ばれており、そこをまわる衛星には、ゼウスに仕えていたニンフなどの名前が付けられているのです。

 金星・火星・木星・土星などの惑星たちは、そのまわりの星座の星々と毎日少しずつ位置関係を変えています。その様子を毎日スケッチしていくと、私たちの地球やこれらの惑星が、太陽のまわりをまわっていることが理解できるようになります。15世紀ポーランドの天文学者コペルニクスがはじめて唱えた地動説以後、世界中の天文学者が現在まで宇宙を見つめ続けて、現在も様々な角度から研究が進められています。そして2006年には、冥王星が惑星から除外されました。その太陽系宇宙の変遷をこちらのページにまとめています。

Meade LX200-25で見た木星
デジタルビデオカメラで撮影

 このページで紹介している星雲星団や惑星の様子は、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。

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