星空案内はこちらのページと一緒にお読みください

望遠鏡で見た昼間の金星
望遠鏡でみるとこのように月のように満ち欠けしているのがわかります

Meade オートスターでの導入方法

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 いよいよ今日から6月です。今年も半分が終わろうとしていますね。4月から新しい環境になった新人の方々も、そろそろ学校や仕事にも慣れてきた頃ではないでしょうか?。

 5月は当社でもイベントに出かける機会が多く、会場で皆さんにたくさんの星を見ていただくことができました。最近、観望会の会場で皆さんとお話しをしていて、一つ大きな変化に気がつきました。以前は「この望遠鏡は何倍ですか?」とか「口径は何cm?」というようなスペックを聞かれることが多かったのですが、最近は「この望遠鏡では何光年くらいの星まで見えるのですか?」という質問を耳にします。実際、観望会などに持ち出しているMeade LX200GPS-25の場合、目で見ることができる天体はだいたい5000万光年くらいのまでの距離の天体です。

 宇宙を立体的なものとして捉えるためには、天体までの「距離」という感覚を持つことは非常に重要です。最近は観望会で説明するときにも、もちろんこのページでも、天体までの距離を書くようにしています。プラネタリウムのようにペタっと貼られた2次元の宇宙感ではなく、是非遠近感を感じながら宇宙を眺めてみてください。私たち地球上の人間のあるべき姿が、きっと見えてくると思いますよ。

 そんな広い宇宙の天体の中でも比較的近いところにある太陽系の星たちは、望遠鏡を使わなくても肉眼で見ることができます。今、太陽が沈んだ後の西の空で、ひときわ明るく輝いているのは、地球のすぐ内側をまわる宵の明星の金星です。今月の金星までの距離は、光の早さで約14分で、少しずつ地球に近づいてきています。今年の冬までは明けの明星として太陽が昇る前の東の空に見えていましたが、これから来年の1月頃までは夕方の西の空の一番星として、仕事や学校帰りの人々の目を引くことでしょう。

 金星が沈み、夜の闇が降りる頃、空には美しい星たちが輝きだします。6月10日ごろの星空のようすを見ると、宵の西の空にはまだ冬の星座のなごりが見えています。西の空の中ほどに、明るい星が3つ並んでいるのを見ることができるでしょう。このうち少し暗めの2つの星は、ふたご座カストルポルックスです。この2つの星までの距離はそれぞれ52光年と32光年と、比較的私たちには近い星です。

 そして、もうひとつのいちばん明るい星が土星です。土星までの距離は光の速さで約80分かかります。土星を望遠鏡で見ると、右の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。

 一方、ポルックスやカストルから南の方の空には、明るい星の少ない春の星座がおとなしく光っています。ふたご座より少し高いところに、かに座があります。かに座は最も明るい星でも3等星しかなく、街中の明るい空では残念ながらその姿をみることはできませんが、双眼鏡や望遠鏡で探してみると、そこには一昨年の4月のこのページで紹介したプレセペという散開星団があります。

 かに座からさらに南の高い空に目を移すと、春の夜空では数少ない一等星、しし座レグルス(78光年)があります。しし座というと、11月のしし座流星群で有名ですが、実際に宵の空に見えるのは春の季節になります。しし座をはじめとした春の星座は、「銀河ののぞき窓」とも言われるとおり、銀河系の外側のはるかかなたにある銀河が、数多く見られるところでもあります。先月のこのページで紹介したM65・66もそのひとつです。

 しし座から、今度は目を北の空に向けてみると、暗い星が多い春の星座の中ではとても目立つ北斗七星があります。北斗七星はおおぐま座という星座の一部です。おおぐま座にも、一昨年の4月のこのページで紹介したM81・M82をはじめとして、小望遠鏡でも見ることができる銀河がたくさんあります。これらの銀河は、地球から約2000万光年も離れています。是非宇宙を延々と旅してきた星たちの光を、あなたの目で確かめてみてください。

20cmクラスの望遠鏡で見た土星
デジタルカメラで撮影

Meade オートスターでの導入方法

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 北斗七星は、北極星をさがす目印にもされますし、また、柄の部分のカーブをそのまま延ばして、春の星の中で最も明るいうしかい座アークトゥルス(89光年)・おとめ座スピカ(270光年)へと続く春の大曲線の一部としても使われます。その途中、春の大曲線の内側にあるりょうけん座という小さな星座には、先月のこのページM3という球状星団があります。

 今年の春の星空の中では、春の大曲線の一等星よりも明るく、最も目だって見えるのが、おとめ座にみえる木星です。木星までの距離は光の速さで約40分と先程の金星よりはずっと遠いですが、木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあるので、望遠鏡でも明るく大きく見えるのです。木星をはじめとした太陽系の天体の大きさが解る図がこちらのページにあります。木星は4月4日に「衝」(太陽−地球−土星が一直線に並ぶ)を迎え、いまが最も良く見える時期です。

 木星を望遠鏡で見ると、本体にある縞模様や、まわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見した衛星で、イオエウロパガニメデカリストという名前が付けられています。木星はその明るさと大きさから大神ゼウスのローマ神話での呼び名ユピテル(Jupiter=英語でジュピター)と呼ばれており、そこをまわる衛星には、ゼウスに仕えていたニンフなどの名前が付けられているのです。

 土星の輪や木星の衛星や縞模様・M3などの明るい星雲・星団は、口径6cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径6cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。

Meade LX200-25GPSで見た木星
デジタルビデオカメラで撮影

Meade オートスターでの導入方法

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Meade LX200GPS-25で撮影した火星

Meade オートスターでの導入方法

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 一方、東の空にはもう夏の星座が見えています。空の中ほどに、明るく輝く白い3つの一等星で作る大きな三角形を見つけることができます。こと座ベガ(25光年)・わし座のアルタイル(17光年)・はくちょう座デネブ(2000光年)で作られる「夏の大三角」です。中国から伝わった七夕伝説の「織り姫」「彦星」は、それぞれベガとアルタイルだと言われています。

 その夏の大三角やさそり座よりずっと空の高いところに、3等星でできたアルファベットの「H」の形の星の連なりを見つけることができます。これがヘルクレス座で、この中には去年6月のこのページで紹介したM13と呼ばれる球状星団があります。

 さらに目を南の空に向けると、南東の空に赤く光る一等星が昇ってきます。この星がさそり座アンタレス(550光年)です。3月31日には、このアンタレスが月に隠されるアンタレスの掩蔽がありました。

 夜も更けて2時ごろになると、そのアンタレスの昇ってきたのと同じくらいの方角から鈍く赤く不気味に光る星が現われます。これが火星です。火星は地球のすぐ外側をまわる惑星で、現在は光の速さで約10分と、月の次に近い距離にいる星です。さらに、今年10月には一昨年8月の大接近に続いて地球に接近をします。その距離は光の速さで約4分と、現在の倍以上まで接近し、小望遠鏡でも十分に表面の模様を見ることができます。火星は私達の地球と良く似た惑星として、近年探査機が頻繁に向かっている注目の惑星です。いつか人類が立つかもしれない火星の様子を、いち早く自分の目で確かめてみませんか?。

 これから暖かくなって、夜空を見るにも快適な季節です。是非あなたの目で宇宙からの星たちの光を確かめてください!。

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