星空案内はこちらのページと一緒にお読みください
 ゴールデンウィーク前の4月下旬から全国的に天候に恵まれ、今年は北海道でも夏日を記録した場所があるほど、良い天気が続いています。夜空のほうもすっきりとした空に、たくさんの星たちが輝いています。

 この5月、????午後9時ごろの星空のようすを見ると、西の空にひとつの明るい星が煌々と輝いているのが見えます。この星が宵の明星金星です。金星を天体望遠鏡で見てみると、右の写真のように月のように欠けている様子がわかります。
 金星のように、地球より内側をまわる惑星のことを内惑星といいます。内惑星は、地球と太陽との位置関係により、見かけの大きさと明るさが変化します。その様子はこちらのページで解説しています。
 金星は、今年前半は夕焼け空の中で少しずつ地球に近づいてきます。今月の金星までの距離は、光の早さで約8分で、金星は日に日に空の高いところに見られるようになります。
 今月、金星がいる場所はふたご座になります。金星より少し高い空に、仲良く並んで見える2つの星がポルックス(52光年)とカストル(32光年)です。ふたご座には、2月のこのページで紹介した散開星団M35があります。ちょうど今月金星がいるのは、このM35の近くですから、是非双眼鏡や望遠鏡で探してみてください。

 そして、ふたご座のさらに上に金星にも負けじ劣らず輝いているのが木星です。木星は2月7日に「衝」を迎え、今が最も良く見える時期です。木星までの距離は光の速さで約40分かかりますが、木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあるため、望遠鏡でも表面の模様が良く見えるます。木星をはじめとした太陽系の天体の大きさが解る図がこちらのページにあります。

 木星を望遠鏡で見ると、本体にある縞模様や、まわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見した衛星で、イオエウロパガニメデカリストという名前が付けられています。木星はその明るさと大きさから大神ゼウスのローマ神話での呼び名ユピテル(Jupiter=英語でジュピター)と呼ばれており、そこをまわる衛星には、ゼウスに仕えていたニンフなどの名前が付けられているのです。

Meade LX200-25で見た木星
デジタルビデオカメラで撮影
 一方、南から天頂近くの空に目を転じると、冬の星座に比べるとおとなしめに輝く春の星座を見ることができます。そんな春の星の中でも特に目立つのが、北の空に見える北斗七星です。北斗七星は星座ではなくおおぐま座という星座の一部になります。おおぐま座には、3月のこのページで紹介したM81M82があります。北斗七星は、北極星をさがす目印にもされますし、また、柄の部分のカーブをそのまま延ばして、春の星の中で最も明るいうしかい座アークトゥルス(約37光年)・おとめ座スピカ(約260光年)へと続く春の大曲線の一部としても使われます。その途中、春の大曲線の内側にあるりょうけん座という小さな星座には、M51という銀河があります。
 春の星座の方角は、太陽系のある天の川銀河の円盤状になっているちょうど薄くなった方角にあたります。このため、天の川銀河の中の星たちの数が少なく、その外側にある他の銀河をたくさん見ることができます。M51は、私たちの銀河系から2300光年と、比較的近いところにある銀河で、明るさも8.4等級と銀河としては比較的明るいほうです。それでも天体望遠鏡で見ると、存在はわかるもののぼんやりとした光のしみのようにしか見えません。しかし、最近のデジタルカメラの性能の向上により、天体望遠鏡にカメラを取り付けて数十秒露出をするだけで、右の写真のようにはっきりとその姿を写し出すことができるようになりました。
 りょうけん座には、このほかにも昨年4月のこのページで紹介した球状星団M3など、明るい星雲星団があります。是非ご自身の目で確かめてみてください。
 北斗七星やりょうけん座の南には、春の夜空では数少ない一等星、しし座レグルスがあります。しし座というと、11月のしし座流星群で有名ですが、実際に宵の空に見えるのは春の季節になります。しし座にも、先月のこのページで紹介したM65・66があります。

りょうけん座銀河 M51
セレストロン Nexstar Evolution6-J
APS-Cデジカメ一眼レフ 2分露出
富士山須走口五合目

セレストロン Nexstar+での導入方法
「3」(Deep Sky)キー→メシエ
→「051」をキーパッドから入力

Sky-watcher Gotoドブソニアンでの導入方法
「4」(メシエ)キー→
→「51」をキーパッドから入力

 さらに目を東の空に向けると、南東の空に赤く光るさそり座の一等星アンタレス(550光年)と一緒に、土星が昇ってくるのが見えます。土星までの距離は光の速さで約80分かかります。土星を望遠鏡で見ると、右の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。

 金星や木星・土星などの惑星たちは、そのまわりの星座の星々と毎日少しずつ位置関係を変えています。その様子を毎日スケッチしていくと、私たちの地球やこれらの惑星が、太陽のまわりをまわっていることが理解できるようになります。15世紀ポーランドの天文学者コペルニクスがはじめて唱えた地動説以後、世界中の天文学者が現在まで宇宙を見つめ続けて、現在も様々な角度から研究が進められています。そして2006年には、冥王星が惑星から除外されました。その太陽系宇宙の変遷をこちらのページにまとめています。

20cmクラスの望遠鏡で見た土星
デジタルカメラで撮影
 このページで紹介している星雲星団や惑星の様子は、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。

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