星空案内はこちらのPDFファイルと一緒にお読みください
今年も残り2か月。山の高いところからだんだんと紅葉が街に降りてきて、柿や栗などの秋の味覚も楽しめる季節になりましたね。 |
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11月の夜空は、夏の星座が空の高いところに見え、まだまだにぎやかな季節ですが、今年はそこにさらに3つも惑星が加わり、大賑わいとなっています。午後9時ごろの星空のようすを見ると、西の空の中ほどに明るく輝く白い3つの一等星で作る大きな三角形を見つけることができます。こと座のベガ(25光年)・わし座のアルタイル(17光年)・はくちょう座のデネブ(2600光年)で作られる「夏の大三角」です。中国から伝わった七夕伝説の「織り姫」と「彦星」は、それぞれベガとアルタイルだと言われています。こと座の中には、昨年8月のこのページで紹介したM57があります。また、夏の大三角のほぼまん中、はくちょう座のくちばしにあたるところには、、昨年8月のこのページで紹介したアルビレオという星があります。そのアルビレオのすぐ近くにあるこぎつね座という星座の中には、8月のこのページ紹介したM27と呼ばれる星雲もあります。 |
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夏の大三角から南西の空に目を移すと、周りに星が少ないところにぽつんと黄色っぽく輝く星が見えます。この星が土星です。土星までの距離は光の速さで約80分かかります。土星を望遠鏡で見ると、右の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。 さらに、土星より東(左)寄りの空には、金色に目立って輝いている星が見えます。この星が木星です。木星も9月27日に「衝」を迎え、今が最も良く見える時期です。 |
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木星までの距離は光の速さで約40分かかりますが、木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあるため、望遠鏡で見ると、本体にある縞模様や、まわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見した衛星で、イオ・エウロパ・ガニメデ・カリストという名前が付けられています。木星はその明るさと大きさから大神ゼウスのローマ神話での呼び名ユピテル(Jupiter=英語でジュピター)と呼ばれており、そこをまわる衛星には、ゼウスに仕えていたニンフなどの名前が付けられているのです。 |
マイクロフォーサーズミラーレスカメラで撮影 |
一方、西の空の夏の星座たちにくらべて、少しおとなしめに輝くのが、天頂から南の空に見える秋の星座たちです。明るい星が少ない秋の空ですが、「馬肥ゆる秋」のごとく、天頂付近に見えているのは、天馬ペガススの姿です。ペガススの四辺形は、おとなしめな秋の星たちの中では比較的わかりやすい星の並びです。ペガスス座には、、先月のこのコーナーで紹介した球状星団M15があります。 このペガススの四辺形を手がかりに、他の星座たちも探してみましょう。四辺形の西側(右側)の縦の辺をまっすぐ南のほうに延ばしていくと、まわりに明るい星がないところにひとつだけ1等星を見つけることができます。この星がみなみのうお座のフォーマルハウト(22光年)です。日本ではその名の通り「みなみのひとつぼし」などと呼ぶ地方もあります。 |
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このフォーマルハウトの東(左)にあるちょうこくしつ座には、NGC253という銀河があります。地球から約1,150万光年の距離にある銀河で、この周辺にあるNGC247・NGC55・NGC7793などの十数個の銀河と合わせてちょうこくしつ座銀河群を形成しています。NGC253はその中心に位置する銀河で、現在も爆発的に星が誕生しているスターバースト銀河の一つとして知られています。少し口径の大きな望遠鏡で写真に撮ると、中心部の複雑な構造も見ることができます。 |
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一方、ペガススの四辺形の北東の辺から、明るい星が4つ、やや広い間隔で並んでいるのを見つけることができます。この付近がアンドロメダ座です。ペガススの四辺形とアンドロメダ座との接点の星は「アルフェラッツ」という星で、アラビア語で「馬の中心」という意味があります。星座絵に描かれた天馬ペガススの、ちょうどおなかの部分にあたる星なのです。アンドロメダ座には、昨年10月のこのページで紹介したアンドロメダ大銀河M31やNGC891・先月のこのページで紹介した二重星アルマク・2008年10月のこのページNGC752など、双眼鏡や望遠鏡で見て楽しい天体がたくさんあります。 アンドロメダ座の北(左)には、小学校の教科書にも載っているカシオペヤ座も見えています。アンドロメダは、ギリシャ神話のカシオペヤの娘で、父はカシオペヤの西となりにいるケフェウス・夫となったのが東隣のペルセウス・・・という具合に、この季節の星座たちはひとつの神話でつながっています。もし興味のある方は、図書館やインターネットで調べてみてはいかがでしょう。そのペルセウス座とカシオペヤ座の中間付近には、昨年11月のこのページで紹介した二重星団もあります。 |
さらに目を東の空に向けると、空の中ほどにに鈍く赤く輝く星が昇ってくるのが見えるはずです。この星が火星です。火星までの距離は光の速さで約5分で、12月1日の再接近に向けて、これから急速に地球に近づいています。是非この機会に火星を観察して、日に日に大きくなる火星の様子をご自身の目で確かめてみてください。
今月火星が輝いているのはおうし座で、火星のすぐ近くにはアルデバラン(65光年)が明るさを競うかのように輝いている様子が見えます。この付近はヒアデス星団という散開星団Mel25の一部で、双眼鏡で見てみると、40個程度の星が広く散らばっているのを見ることができます。 |
セレストロン CPC1100-Jで見た火星 マイクロフォーサーズミラーレスカメラで撮影 |
金星・火星・木星・土星などの惑星たちは、そのまわりの星座の星々と毎日少しずつ位置関係を変えています。その様子を毎日スケッチしていくと、私たちの地球やこれらの惑星が、太陽のまわりをまわっていることが理解できるようになります。15世紀ポーランドの天文学者コペルニクスがはじめて唱えた地動説以後、世界中の天文学者が現在まで宇宙を見つめ続けて、現在も様々な角度から研究が進められています。そして2006年には、冥王星が惑星から除外されました。その太陽系宇宙の変遷をこちらのページにまとめています。 アルデバランより少し高い空には、2020年12月のこのページで紹介したプレアデス星団M45(すばる)も見えています。また、火星の北(左)にあるぎょしゃ座にはカペラ(42光年)が輝き、昨年12月のこのページで紹介したM36・M37・M38の3つの散開星団があります。さらにその下からは、冬の星座の王者オリオン座やふたご座も見え始めています。 このページで紹介している星雲星団や惑星の様子は、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。 |
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