星空案内はこちらのページと一緒にお読みください

 いよいよ秋も深まり、色づいた紅葉が美しい季節になりましたね。日に日に気温も低くなり、冬支度を始める日も間近に迫ってきましたね。

 夕焼けが消え、空がすっかり暗くなった午後9時ごろの星空のようすを見ると、東の空の高いところに、金色にひときわ明るく輝いている星が見えます。この星が木星です。木星までの距離は光の速さで約40分かかりますが、木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあるため、望遠鏡でも表面の模様が良く見えます。木星をはじめとした太陽系の天体の大きさが解る図がこちらのページにあります。

 木星を望遠鏡で見ると、本体にある縞模様や、まわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見した衛星で、イオエウロパガニメデカリストという名前が付けられています。木星はその明るさと大きさから大神ゼウスのローマ神話での呼び名ユピテル(Jupiter=英語でジュピター)と呼ばれており、そこをまわる衛星には、ゼウスに仕えていたニンフなどの名前が付けられているのです。

 一方、西の空の高いところに視線を向けると、明るく輝く白い3つの一等星で作る大きな三角形を見つけることができます。こと座ベガ(25光年)・わし座のアルタイル(17光年)・はくちょう座デネブ(1500光年)で作られる「夏の大三角」です。中国から伝わった七夕伝説の「織り姫」「彦星」は、それぞれベガとアルタイルだと言われています。こと座の中には、8月のこのコーナーで紹介したM57と呼ばれる星雲があります。また、夏の大三角のほぼまん中、はくちょう座のくちばしにあたるところには、アルビレオというとてもきれいな二重星や、昨年10月のこのページで紹介したM27と呼ばれる星雲もあります。

 一方、天頂付近の夏の星座たちにくらべて、少しおとなしめに輝くのが東の空に昇ってきた秋の星座たちです。「馬肥ゆる秋」のごとく、東の空に見えているのは、天馬ペガススの姿です。ペガススの四辺形は、おとなしめな秋の星たちの中では比較的わかりやすい星の並びです。ペガスス座には、先月のこのページで紹介したM15という球状星団があります。

Meade LX200-25で見た木星
デジタルビデオカメラで撮影


アンドロメダ大銀河のシミュレーション画像
夜空の暗い場所で10cmクラスの望遠鏡を使って
30倍くらいで見るとこのように見えます
街あかりのある場所でも望遠鏡を使えば星雲の存在はわかりますが、
銀河の光は街のあかりと同じ成分が多く含まれているので、
街あかりにかき消されてあまり良く見えません。
なるべく空の高いところに見えるこの時期に見るようにしてください。

 このペガススの四辺形を手がかりに、他の星座たちも探してみましょう。四辺形の西側(右側)の縦の辺をまっすぐ南のほうに延ばしていくと、まわりに明るい星がないところにひとつだけ1等星を見つけることができます。この星がみなみのうお座フォーマルハウト(22光年)です。日本ではその名の通り「みなみのひとつぼし」などと呼ぶ地方もあります。

 一方、ペガススの四辺形の北東の辺から、明るい星が4つ、やや広い間隔で並んでいるのを見つけることができます。この付近がアンドロメダ座です。ペガススの四辺形とアンドロメダ座との接点の星は「アルフェラッツ」という星で、アラビア語で「馬の中心」という意味があります。天馬ペガススのちょうどおなかの部分にあたる星なのです。

 そのアルフェラッツから、ちょっと暗めの3等星をはさんでアルフェラッツと同じくらいの明るさの2等星を見つけることができます。空のきれいなところで、この星からちょっと北側に行ったところにを見ると、肉眼でもなにやらぼーっとした光のしみのようなものを見つけることができます。これがアンドロメダ大銀河です。理科の教科書にも載っている有名な星雲ですね。

 アンドロメダ大銀河は、私達の太陽系がある銀河系の外側、距離にすると光の速さで230万年の距離にあるとされている銀河です。しかし、この距離は実のところだんだん遠くなっています(笑)。というのは、実際に銀河系とアンドロメダ大銀河が遠ざかっているわけではなく、観測技術の向上により、その距離がだんだん正確にわかるようになってきたためです。天体望遠鏡の技術は、まだまだこれから進歩していくのですね。

 この銀河を実際望遠鏡で見てみると、左のシミュレーション画像のように、その両側に小さな銀河を伴っていることもわかります。私達の銀河系にも、日本からは見ることができませんが「大マゼラン銀河」「小マゼラン銀河」と呼ばれる小さな銀河系が伴っています。是非あなたの目で230万年のかなた(と考えられている)からの銀河の輝きを確かめてみてください!。


35mm版一眼レフカメラで撮影した秋の星雲星団
クリックすると拡大します。
たまたま写りこんだペルセウス座流星群の流星も見られます。

 アンドロメダ座には、このほかにも2006年10月のこのページで紹介した二重星アルマク2008年10月のこのページで紹介したNGC752など、双眼鏡や望遠鏡で見て楽しい天体がたくさんあります。

 そして、アンドロメダ座の北側には小学校の教科書にも載っているカシオペヤ座がます。アンドロメダは、ギリシャ神話のカシオペヤの娘で、父はカシオペヤの西となりにいるケフェウス・夫となったのが東隣のペルセウス・・・という具合に、この季節の星座たちはひとつの神話でつながっています。もし興味のある方は、図書館やインターネットで調べてみてはいかがでしょう。
 そのペルセウス座とカシオペヤ座の中間付近を見ると、肉眼でもなにやらぼーっとした光のしみのようなものを見つけることができます。これが2010年12月のこのページで紹介した二重星団もあります。

 さらに東の空に目を転じると、明るい星が多くとてもにぎやかな冬の星座たちを見ることができます。北よりの高いところに見えるのがぎょしゃ座カペラ(42光年)です。ぎょしゃ座には2003年1月のこのページで紹介したM36・37・38の3つの散開星団があります。

 ぎょしゃ座の南にはおうし座があります。おうし座の一等星アルデバラン(65光年)の付近は、ヒアデス星団という散開星団Mel25の一部で、この付近を双眼鏡で見てみると、40個程度の星が広く散らばっているのを見ることができます。一方、もう少し空の高いところに見える数個の星がごちゃごちゃっと集まって見えるところが、昨年12月のこのページで紹介した「すばる」ことプレアデス星団M45です。

 すばるやヒアデス星団から少し低いところには、冬の星座の代表冬の星座の王者オリオン座ベテルギウス(600光年)・全天で最も明るい恒星のシリウス(8.6光年)のあるおおいぬ座・そしてこいぬ座プロキオン(11.4光年)が冬の大三角を形作っています。その北側にはふたご座ポルックス(34光年)とカストル(50光年)も見えてきています。ふたご座にも、2004年3月のこのページで紹介したM35という散開星団があります。

 さらに明け方4時ごろになると、空にはもう春の星座も見えるようになります。冬の星座と比較すると明るい星が少ない春の星座ですが、今年の秋から冬の明け方の空には、煌々と輝く明けの明星金星がとても目だって見えています。金星は、5月中旬までは宵の明星として夕方の西の空に見えていたのですが、地球を猛スピードで追いかけてきて、6月6日には太陽と地球の間を通過していく太陽面通過が起こりました。今月の金星までの距離は、光の早さで約10分で、少しずつ地球から遠ざかっています。

???? 金星を天体望遠鏡で見てみると、左の写真のように月のように欠けている様子がわかります。水星や金星のように、地球より内側をまわる惑星のことを内惑星といいます。内惑星は、地球と太陽との位置関係により、見かけの大きさと明るさが変化します。その様子はこちらのページで解説しています。

 このページで紹介している星雲星団や惑星の様子は、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。

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