10月23日に発生した平成16年新潟中越地震では、多くの方がお亡くなり、今現在も43,000人以上(11月4日現在)の方が自宅以外の場所で避難生活を送っています。被災された皆様には心からお見舞い申し上げます。実は私個人も地震から約1週間後の11月1日に小千谷市に入り、市内から北に離れた鴻巣町というところで心ばかりですが炊出しのお手伝いをしてまいりました。道路が陥没やマンホールの隆起、高速道路の沈下、傾いた電柱、今もなお水道・ガスが止まったままで不自由な生活を強いられています。これから雪の多くなる地域でもあるだけに、一刻も早い復旧が望まれます。
そんな被災地の空にも、晴れた夜にはいつもと変わらずに星空が広がっています。11月10日ごろの星空のようすを見ると、西の空にはまだ夏の星座が見えています。空のなかほどに明るく輝く白い3つの一等星で作る大きな三角形を見つけることができます。こと座のベガ・わし座のアルタイル・はくちょう座のデネブで作られる「夏の大三角」です。中国から伝わった七夕伝説の「織り姫」と「彦星」は、それぞれベガとアルタイルだと言われています。
一方、天頂付近には秋の星座たちが見えています。比較的明るい星が少ない秋の星座ですが、天頂付近に見える4つの2等星で作られる秋の四辺形は、天馬ペガススのおなかにあたる場所にあります。この四辺形は、他の秋の星座を探す目印になりますから、実際の星空で良く確かめてみてください。
このペガススの四辺形を手がかりに、他の星座たちも探してみましょう。四辺形の西側(右側)の縦の辺をまっすぐ南のほうに延ばしていくと、まわりに明るい星がないところにひとつだけ1等星を見つけることができます。この星がみなみのうお座のフォーマルハウトです。日本ではその名の通り「みなみのひとつぼし」などと呼ぶ地方もあります。
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