二重星団の他にも、秋の夜空には星雲星団がたくさんあります。右の写真をクリックすると、目では見ることができない淡い星雲星団がたくさんあることがわかります。一昨年11月のページで紹介した有名なアンドロメダ座大銀河M31の近くに、もっと大きな広がりのある薄ぼんやりとした光のかたまりが見えます。NGC752という番号がついたこの天体。実は望遠鏡でもけっこう見つけにくい天体です。というのも、大きく広がりがある天体だからです。
右下のシミュレーション図は、星空がきれいな山の上などで、20倍くらいの倍率で見たときの様子で、中央に星が集まっているのがわかります。7倍くらいの双眼鏡で見ると、小さな星たちが群がっている様子を、とても美しく見ることができます。この星団は太陽系からの距離が約3400光年と比較的遠い星団ですが、星団自体が45光年の拡がりがありとても大きいため、倍率が高く視野の狭い望遠鏡では、その存在に気がつかないのです。
ちなみに、上の写真の左隅に明るく写っているM45プレアデス星団(すばる)は、太陽系から約400光年と比較的近い星団なので肉眼でもわかるほど明るいのです。実際の大きさは約27光年ほどあります。
このように、大きく広がった星雲や星団を見るには、倍率が低く視野の広い望遠鏡や双眼鏡が適しています。特に、淡く広がった天体は、倍率を高くすると暗くなってしまい、ほとんど見えなくなってしまうのです。つまり、天体望遠鏡や双眼鏡を選ぶときのヒントとして、倍率の高さは大きな問題ではないということを知っていただければと思います。
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