星空案内はこちらのページと一緒にお読みください

 あけましておめでとうございます!。旧年中は当社HomePageをたくさんの方々にご覧いただき、ありがとうございました。今年も皆さんに夜空を眺めていただけるよう、楽しいコンテンツ作りをしていきたいと思っております。今後ともよろしくお願い致します。

 この冬は今のところ全国的に暖冬傾向で、比較的晴れの日も多くきれいな星空が見られていますが、冬型の気圧配置が強まると、日本海側ではなかなか良い星空が見られない時期となってしまいますね。その一方で、大平洋側の地方では、空気が乾燥し透明度の良い夜空に、冬の美しい星たちが輝く季節です。太陽が沈んだ直後、夕焼けの空の中の低いところにひときわ輝いてみえる明るい星は、地球のすぐ内側をまわる宵の明星の金星です。今月の金星までの距離は、光の早さで約6分と、月の次に近い距離にいる星で、少しずつ地球に近づいてきています。天体望遠鏡で見てみると、右の写真のように月のように欠けている様子がわかります。金星はこれから地球に急速に接近し、望遠鏡でその姿を見ると日に日に大きさや形が変わるのがわかります。

 金星が西の空に沈み夜の帳がおりる午後9時ごろの1月10日ごろの星空のようすを見ると、西の空の低いところにはまだ秋の星座が見えています。天頂付近に見える4つの2等星で作られる秋の四辺形は、天馬ペガススのおなかにあたる場所にあります。


望遠鏡で見た昼間の金星
望遠鏡でみるとこのように月のように満ち欠けしているのがわかります

Meade オートスターでの導入方法

タイヨウケイ→キンセイを選択

 ペガススの四辺形の反対側の北東の辺から、明るい星が4つ、やや広い間隔で並んでいるのを見つけることができます。この付近がアンドロメダ座です。アンドロメダ座といえば、先月のこのページで紹介した有名なアンドロメダ座大銀河M31や、2004年10月のこのページで紹介したNGC752などの星雲星団、2004年11月のこのページで紹介した美しい二重星アルマクなど、見どころのたくさんある星座です。

 アンドロメダ座の南側には、ぽかんと空いたように明るい星の少ない場所があります。この付近がうお座になります。今月24日の宵空では、月によるうお座δ星の掩蔽という現象が見られます。小望遠鏡や双眼鏡でも見ることができる現象ですので、日にちが近づきましたらこのページで紹介したいと思います。

 一方、アンドロメダ座の北側には小学校の教科書にも載っているカシオペヤ座があります。アンドロメダは、ギリシャ神話のカシオペヤの娘で、父はカシオペヤの西となりにいるケフェウス・夫となったのが東隣のペルセウス・・・という具合に、この季節の星座たちはひとつの神話でつながっています。もし興味のある方は、図書館やインターネットで調べてみてはいかがでしょう。

 また、ペルセウス座とカシオペヤ座の中間付近には、先月ののこのページでも紹介している二重星団と呼ばれるこの星の集まりがあります。さきほども取り上げたアンドロメダ座のとなりのさんかく座にあるM33や、カシオペヤ座のM52など、この季節はたくさんの美しい星雲星団を見ることができます。是非あなたも双眼鏡や望遠鏡で楽しんでみてください。


ぎょしゃ座散開星団M36 M37 M38を
双眼鏡で見たときのシミュレーション画像
夜空の暗い場所で
7倍50mmクラスの双眼鏡で見ると、
このように3つの星団をひとつの視野に見ることができます
双眼鏡での見つけ方は
こちら

 さらに東の空に目を転じると、明るい星が多くとてもにぎやかな冬の星座たちを見ることができます。北よりの高いところに見えるのがぎょしゃ座カペラ(41光年)です。ぎょしゃ座には冬の天の川が中央を流れていて、双眼鏡で見ると無数の星たちが輝いているのを見ることができます。この中に、明るい3つの散開星団があります。

 最も東よりにあるM37は、約4700光年とこの3つの中でも最も遠い距離にあり、望遠鏡で見ると小さな星たちが無数に群がっている様子を見ることができます。まん中のM36は、約3800光年の距離にあり、星の数はM37に比べて少なめで、明るめの星がバラっと散らばって見えます。いちばん西のM38は、約3600光年と最も近く、他の2つに比べると少し広がりのある星の集まりです。


M36


M38


M37

ぎょしゃ座散開星団M36 M37 M38の
望遠鏡で見たときのシミュレーション画像
50倍くらいの倍率で見たときの視野にしてあります
それぞれの星団に明るさや密集度など
個性があって面白い対象です

Meade オートスターでの導入方法

セイウンセイダン→メシエテンタイ→
キーで36・37・38を入力

天体自動導入装置のない望遠鏡や
双眼鏡での見つけ方はこちら
 ぎょしゃ座の南にはおうし座があります。おうし座の一等星アルデバラン(60光年)の付近は、ヒアデス星団という散開星団Mel25の一部で、この付近を双眼鏡で見てみると、40個程度の星が広く散らばっているのを見ることができます。一方、もう少し空の高いところに見える数個の星がごちゃごちゃっと集まって見えるところが、先月のこのページで紹介している「すばる」ことプレアデス星団M45です。双眼鏡で見てみると、いろいろな明るさの100個くらいの星が群れを成しているのがわかります。ヒアデス星団までは約130光年・プレアデス星団までは約400光年の距離があり、それぞれの大きさの差はこの距離の違いによるものです。しかし、プレアデス星団の星の輝きは、ヒアデスよりずっと明るく、高温で非常に高いエネルギーを放出していることがわかります。

20cmクラスの望遠鏡で見た土星
デジタルカメラで撮影

Meade オートスターでの導入方法

タイヨウケイ→ドセイを選択

 おうし座の南には、冬の星座の王者オリオン座ベテルギウス(310光年)・全天で最も明るい恒星のシリウス(8.7光年)のあるおおいぬ座・そしてこいぬ座プロキオン(11.2光年)が冬の大三角を形作っています。おおいぬ座には、2004年の1月のこのページで紹介した散開星団M41があります。

 その北側にはふたご座ポルックス(52光年)とカストル(32光年)も見えてきています。ギリシャ神話では大神ゼウスとスパルタ王妃レダとの間に生まれた双子の兄弟と言われています。ふたご座にも、2004年3月のこのページで紹介したM35という散開星団があります。

 さらにそのふたご座より低いところに明るく光る星が土星です。土星までの距離は光の速さで約80分かかります。これからの季節は土星も観望の好期になります。土星を望遠鏡で見ると、右の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。

 土星の輪や木星のしま模様は、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。

今年の天文現象をちょっとご紹介

 今年も楽しみな天文現象が盛りだくさんです!。
その中から、特に注目したい現象を3つご紹介します。

★3月19日白昼 部分日食

 日本では2004年10月14日以来2年半ぶりの日食が見られます。今回は東北南部・関東・中部・近畿地方の一部を除く地方で、太陽の一部が月に隠される部分日食として見られます。この次に日本で見られる日食は2009年6月(奄美大島などで皆既日食)までありません。

右写真:2002年6月11日の部分日食の様子(クリックすると詳細が見られます)



★8月28日未明 皆既月食

 月食は、太陽と地球・月が一直線上に並び、地球の影に月が入ることにより太陽の光を遮られるときに起こります。その中でも「皆既月食」と呼ばれる現象は、月が地球の影にすっぽりと入ってしまう現象で、反対にすべてを隠しきることができない月食のことを「部分月食」と呼んでいます。

 今回の月食は、日本では2001年1月に見られて以来6年半ぶりとなる皆既月食で、夕方の東の空にすでに欠けた状態の月が昇ってきて、その後皆既食となります。

左写真:2000年7月16日の皆既月食の様子

★12月19日 火星接近

 2年2カ月ぶりの火星接近が12月に起こります。今回は2003年・2005年よりは距離が遠いものの、それでもここ10年間では最も接近する「中接近」になりますから、望遠鏡で十分見ることができる距離まで近づきます。前回見ることができなかった方は、是非このチャンスをお見逃しなく!。

右写真:2003年9月の大接近時の火星
(クリックするとその時の様子を見られます)

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