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早くも1月が過ぎてしまいました。新型コロナウイルスの感染がなかなか収まらず、今年も家で過ごす時間が多くなっていますが、夜空のほうはいつもとかわらず、明るい星の多いにぎやかな星空が広がっています。 |
今月、太陽が沈んだ後の夕焼けの中に金色にとても目立って輝いている星が見えます。この星が木星です。木星までの距離は光の速さで約40分かかりますが、木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあるため、望遠鏡で見てみると、表面のしま模様が良く見えます。また、まわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星も見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見した衛星で、イオ・エウロパ・ガニメデ・カリストという名前が付けられています。木星はその明るさと大きさから大神ゼウスのローマ神話での呼び名ユピテル(Jupiter=英語でジュピター)と呼ばれており、そこをまわる衛星には、ゼウスに仕えていたニンフなどの名前が付けられているのです。 | マイクロフォーサーズミラーレスカメラで撮影 |
その木星が西の空に沈み、夜も深まる午後9時ごろの星空のようすを見ると、西の空には、まだ秋の星座のアンドロメダ座が見えています。アンドロメダ座には、昨年10月のこのページで紹介したアンドロメダ大銀河M31やNGC891、2006年10月のこのページで紹介した二重星アルマク・2008年10月のこのページNGC752など、双眼鏡や望遠鏡で見て楽しい天体がたくさんあります。 アンドロメダ座の北側には小学校の教科書にも載っているカシオペヤ座があります。アンドロメダは、ギリシャ神話のカシオペヤの娘で、父はカシオペヤの西となりにいるケフェウス・夫となったのが東隣のペルセウス・・・という具合に、この季節の星座たちはひとつの神話でつながっています。もし興味のある方は、図書館やインターネットで調べてみてはいかがでしょう。 |
そのペルセウス座とカシオペヤ座の中間付近を見ると、空のきれいなところであれば天の川の中に肉眼でもなにやらぼーっとした光のしみのようなものを見つけることができます。これが昨年11月のこのページで紹介した二重星団です。 さらに天頂から南の空に目を転じると、明るい星が多くとてもにぎやかな冬の星座たちを見ることができます。北よりの高いところに見えるのがぎょしゃ座のカペラ(42光年)です。ぎょしゃ座には冬の天の川が中央を流れていて、双眼鏡で見ると無数の星たちが輝いているのを見ることができます。ぎょしゃ座には、昨年12月のこのページで紹介した、この中に、M36・M37・M38の3つの散開星団があります。 ぎょしゃ座の南にはおうし座があります。おうし座の一等星アルデバラン(65光年)の付近は、ヒアデス星団という散開星団Mel25の一部で、この付近を双眼鏡で見てみると、40個程度の星が広く散らばっているのを見ることができます。さらにその西(右)に見える数個の星がごちゃごちゃっと集まって見えるところが、先月のこのページで紹介した「すばる」ことプレアデス星団M45です。双眼鏡で見てみると、いろいろな明るさの100個くらいの星が群れを成しているのがわかります。 すばるやヒアデス星団より少し低いところには、冬の星座の王者オリオン座も上ってきています。オリオン座には、ベテルギウス(約600光年)とリゲル(約900光年)の2つの一等星・オリオンのベルトにある3つの二等星や、2021年1月のこのページで紹介したオリオン座大星雲M42・M43等があります。 |
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また、ベテルギウスと全天で最も明るい恒星であるおおいぬ座のシリウス(8.7光年)・そしてこいぬ座のプロキオン(11.2光年)を結ぶ大きな三角形は、冬の大三角と呼ばれています。おおいぬ座には、2014年の2月のこのページで紹介した散開星団M41があります。また、シリウスから東に行った天の川の中には、2021年2月のこのページで紹介したとも座の散開星団M46とM47があります。 そのふたご座のお兄さんのカストルの足もと、オリオン座との境界付近に、M35という散開星団があります。地球からの距離は2570光年と比較的遠い星団ですが、いろいろな明るさの星がたくさん集まって、双眼鏡でもでも、とてもきれいに見える星団です。 |
一方、冬の大三角をふたご座と反対にずっと南にいった、水平線ギリギリに見えるカノープスという星をご存知でしょうか?。全天で最も明るいおおいぬ座のシリウス(-1.6等星)に次いで2番目に明るい-0.7等星で、地球からの距離は310光年。シリウスは8.7光年とかなり近い星なので、それと比較するとカノープスは絶対等級(実際の星の明るさ)は-5.48MV(シリウスは+1.47MV)と、とても明るく質量の大きな星です。 ここまで書くと、ただの明るい星じゃん?という感じですが、この星はりゅうこつ座という日本からはほとんど見えない星座にあるため、実は見るのがとても難しい星です。理論上は東北以北ではまったく見ることができず、関東では南の空が水平線近くまで開けている場所で、なおかつ透明度が良い日でなければ見ることができないのです。 |
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カノープスは、中国南部などの道教の地域では、「南極老人星」と呼ばれています。水平線から赤みがかった色でよろよろと昇ってくるように見られることや、見られる時期と時間が限られていることから、このような神格された名前が付けられているようです。この星が見られると長生きできるなどという言い伝えもあるそうです。 |
冬の間は日の出の時間が遅いので、朝起きたときはまだ真っ暗という方も多いことでしょう。そんなとき、ちょっと着込んで外に出て東の空を見上げると、東の空の朝焼けの中に明けの明星の金星が輝いています。今月の金星までの距離は光の速さで約3分で、少しずつ地球から遠ざかっているところです。これから今年の秋まで、明けの明星として見ることができます。 |
天体望遠鏡で見た 昼間の金星 |
その金星のすぐ近くに、鈍く赤く輝く星があることに気づくでしょう。この星が火星です。今月の火星までの距離は光の速さで約16分で、12月1日の再接近に向けて、ゆっくりと地球に近づいています。是非この機会に火星を観察して、日に日に大きくなる火星の様子をご自身の目で確かめてみてください。 木星や金星・火星などの惑星たちは、そのまわりの星座の星々と毎日少しずつ位置関係を変えています。その様子を毎日スケッチしていくと、私たちの地球やこれらの惑星が、太陽のまわりをまわっていることが理解できるようになります。15世紀ポーランドの天文学者コペルニクスがはじめて唱えた地動説以後、世界中の天文学者が現在まで宇宙を見つめ続けて、現在も様々な角度から研究が進められています。そして2006年には、冥王星が惑星から除外されました。その太陽系宇宙の変遷をこちらのページにまとめています。 |
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