星空案内はこちらのPDFファイルと一緒にお読みください
早くも今年の半分を過ぎました。梅雨真っ盛りのこの季節、しばらく鬱陶しい季節が続きますが、梅雨が明ければきれいな星空が待っています!。 |
夏の夜空は一等星が多く、星空がにぎやかな季節ですが、今年7月の宵空では、太陽が沈んだ後の夕焼け空に、宵の明星の金星が見えています。今月の金星までの距離は光の速さで約4分で、天体望遠鏡で見てみると、ちょうど三日月と同じような形に見ることができます。右の写真は6月29日に撮影したもので、このあと日に日に形を変えながらどんどん近づいて大きく見えるようになります。是非金星に望遠鏡を向けて、その変化をご自身の目で確かめてみてください。 |
6月29日に撮影した昼間の金星 Sky-watcher AZ-Go2 MAK127 MZT824RF ズームアイピース使用 マイクロフォーサーズミラーレスカメラ |
さらに、この金星の少し高いところには火星も見えています。火星までの距離は光の速さで約17分で、昨年12月1日に地球に最も近づいたあと、少しずつ遠ざかっているところです
金星や火星などの惑星たちは、そのまわりの星座の星々と毎日少しずつ位置関係を変えています。その様子を毎日スケッチしていくと、私たちの地球やこれらの惑星が、太陽のまわりをまわっていることが理解できるようになります。15世紀ポーランドの天文学者コペルニクスがはじめて唱えた地動説以後、世界中の天文学者が現在まで宇宙を見つめ続けて、現在も様々な角度から研究が進められています。そして2006年には、冥王星が惑星から除外されました。その太陽系宇宙の変遷をこちらのページにまとめています。 |
セレストロン CPC1100-Jで見た火星 マイクロフォーサーズミラーレスカメラで撮影 |
金星や火星が西の空に低くなる午後9時ごろの星空のようすを見ると、天頂から西の空にかけて、おとなしめに輝く春の星座が輝いています。北西の空の中ほどには北斗七星が見えています。北斗七星は星座ではなく、おおぐま座という星座の一部になります。おおぐま座には、4月のこのページで紹介したM97とM108や2022年4月のこのページで紹介したM81とM82など、小望遠鏡でも楽しめる銀河がたくさんあります。是非宇宙を延々と旅してきた星たちの光をあなたの目で確かめてみてください。春の大曲線の内側にあるりょうけん座という小さな星座には、先月のこのページで紹介した球状星団M3や、2019年5月のこのページで紹介したM51やM63といった銀河があります。 北斗七星やりょうけん座の南には、春の夜空では数少ない一等星、しし座のレグルスがあります。しし座というと、11月のしし座流星群で有名ですが、実際に宵の空に見えるのは春の季節になります。しし座にも、2020年4月のこのページで紹介したM65・66があります。さらにこれらの銀河のほかにも、昨年6月のこのページで紹介したおとめ座やかみのけ座にある銀河団や、先月のこのページで紹介したからす座のM104よやうみへび座のM83など、比較的明るい銀河がたくさんあります。遠い宇宙からたどり着いた星たちの光を、是非ご自身の眼で確かめてみてください。 |
一方、南の空にはもう夏の星座が顔を出してきます。東の空の高いところには、明るく輝く白い3つの一等星で作る大きな三角形を見つけることができます。こと座のベガ(25光年)・わし座のアルタイル(17光年)・はくちょう座のデネブ(2600光年)で作られる「夏の大三角」です。中国から伝わった七夕伝説の「織り姫」と「彦星」は、それぞれベガとアルタイルだと言われています。こと座の中には、昨年8月のこのページで紹介したM57があります。また、夏の大三角のほぼまん中、はくちょう座のくちばしにあたるところには、、2021年8月のこのページで紹介したアルビレオという星があります。そのアルビレオのすぐ近くにあるこぎつね座という星座の中には、昨年8月のこのページ紹介したM27と呼ばれる星雲もあります。はくちょう座には2021年9月のこのページで紹介したM39があります。 その夏の大三角より少し空の高いところに、3等星でできたアルファベットの「H」を横にしたようなの形の星の連なりを見つけることができます。これがヘルクレス座で、この中にはM13と呼ばれる球状星団があります。地球から23,500光年の距離にある天の川銀河(私たちの銀河系)の中の天体で、球状星団という名前の通り星がボール状に集まったもので、天の川銀河の外側を取り巻くように存在している、いまだに謎の多い天体のひとつです。 |
ヘルクレス座の球状星団M13のシミュレーション画像 20cmクラスの望遠鏡で見るとこのように見えます 7cmクラスの望遠鏡では、ぼーっとした光のしみのように見えます |
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一方、南の空にはさそり座のアンタレス(620光年)も見えています。さそり座には、アンタレスのすぐ東にある球状星団M4や、2012年7月のページで紹介したさそりのしっぽの毒針の先あたりにあるM6とM7という2つの散開星団があり、いて座にも2014年8月のこのコーナーで紹介したM11やM8など、たくさんの星雲星団があります。 |
夏の天の川 25mmF1.8レンズ マイクロフォーサーズミラーレスカメラ 8秒露出 長野県野辺山高原にて撮影 |
さらに夜10時ごろになると、東の空から土星が昇ってきます。土星までの距離は光の速さで約80分かかります。 土星は8月28日に「衝」を迎え、これから観望の好期を迎えます。土星を望遠鏡で見ると、右の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。 その土星を追いかけるように、夜半ごろになると木星も昇ってきます。木星までの距離は光の速さで約40分かかりますが、木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあるため、望遠鏡でも表面の模様が良く見えるます。木星をはじめとした太陽系の天体の大きさが解る図がこちらのページにあります。 |
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木星を望遠鏡で見ると、本体にある縞模様や、まわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見した衛星で、イオ・エウロパ・ガニメデ・カリストという名前が付けられています。木星はその明るさと大きさから大神ゼウスのローマ神話での呼び名ユピテル(Jupiter=英語でジュピター)と呼ばれており、そこをまわる衛星には、ゼウスに仕えていたニンフなどの名前が付けられているのです。 |
マイクロフォーサーズミラーレスカメラで撮影 |
このページで紹介している星雲星団や惑星の様子は、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。 |
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