星空案内はこちらのPDFファイルと一緒にお読みください
桜咲く4月!。学校や職場などであたらしいスタートを切られる方も多いのではないでしょうか?。今年の桜の開花は全国的に非常に早く、当社の事務所のある埼玉では、すでに満開を過ぎて散り始めています。 この季節は、季節風が弱まることや、中国大陸からの黄砂の影響もあり、晴れてもなかなかきれいな星空が見えない日も多いのですが、風向きが変わると空がとても青く、きれいな星空が見られるときがあります。 |
この春の宵空では、西の空の中ほどに不気味に赤く輝く星が見えています。この星は火星です。火星は地球のすぐ外側をまわる惑星ですが、約2年2ヶ月ごとに地球に接近します。しかし、接近ごとにその距離が異なります。その理由は、火星の軌道が真円ではなくちょっとゆがんだ楕円をしているためです。 昨年10月6日に大接近をしたあと、現在少しずつ地球から遠ざかっていて、今月の火星までの距離は、光の速さで約15分です。今年前半は、宵空で火星が遠ざかっていく様子を見ることができます。是非実際に目で見てその姿を確かめて見てください。 |
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火星が西の空に傾き始める午後9時ごろの星空のようすを見ると、西の空には冬のきらびやかな星たちが輝いています。北よりの空の中ほどで黄色く輝いているのはぎょしゃ座のカペラ(42光年)です。ぎょしゃ座には、ぎょしゃ座には冬の天の川が中央を流れていて、双眼鏡で見ると無数の星たちが輝いているのを見ることができます。ぎょしゃ座には、2019年12月のこのページで紹介した、M36・M37・M38の3つの散開星団があります。 |
ぎょしゃ座の南にはおうし座があります。今月火星が見えているのはこのおうし座で、火星のすぐ近くに見えている一等星アルデバラン(65光年)の付近は、ヒアデス星団という散開星団Mel25の一部で、この付近を双眼鏡で見てみると、40個程度の星が広く散らばっているのを見ることができます。さらに、もう少し空の低いところにある数個の星がごちゃごちゃっと集まって見えるところが、2020年12月のこのページで紹介した「すばる」ことプレアデス星団M45です。双眼鏡で見てみると、いろいろな明るさの100個くらいの星が群れを成しているのがわかります。 おうし座の南には、冬の星座の代表オリオン座のベテルギウス(約600光年)・全天で最も明るい恒星のシリウス(8.7光年)のあるおおいぬ座・そしてこいぬ座のプロキオン(11.2光年)が冬の大三角を形作っています。オリオン座には、1月のこのページで紹介したオリオン座大星雲M42があります。おおいぬ座には、2014年の2月のこのページで紹介した散開星団M41があります。その冬の大三角の北には、ふたご座のポルックス(52光年)とカストル(32光年)も見えてきています。ふたご座には、2015年1月のこのページで紹介した散開星団M35があります。 |
セレストロン CPC1100-J + HyperStar III APS-Cミラーレスデジカメ 30秒露出 埼玉県堂平山にて撮影
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一方、空の高いところには、冬の星座に比べるとおとなしめに輝く春の星座を見ることができます。春の星座の方角は、太陽系のある天の川銀河の円盤状になっているちょうど薄くなった方角にあたるため、明るい星が少ないのですが、その中でも、北の空の高いところにある北斗七星は、明るい星が並ぶ見つけやすい星の連なりです。北斗七星は星座ではなく、おおぐま座という星座の一部になります。ひしゃくの形をした北斗七星の水を入れる底の部分には、M97とM108という2つの天体があります。 左の画像は望遠鏡にミラーレスデジカメを取り付けて撮影したもので、左の青い色をした星雲がM97、右の細長い方がM108です。M97は、私たちの天の川銀河の中にある星雲で、2600光年の距離にあると考えられています。写真に撮ると、円形に広がった星雲にふくろうの顔のように2つの暗部があるため、「ふくろう星雲」などとも呼ばれています。 一方M108のほうは、私たちの天の川銀河のずっと外側の4500万光年の距離にある銀河です。 おおぐま座には、この他にも先月のこのページで紹介したM81とM82など、小望遠鏡でも楽しめる銀河がたくさんあります。是非宇宙を延々と旅してきた星たちの光をあなたの目で確かめてみてください。 |
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一方、空の高いところには、冬の星座に比べるとおとなしめに輝く春の星座を見ることができます。北東の空の高いところには、北斗七星がめだって見えています。北斗七星は世界的には星座ではなく、おおぐま座の一部になります。北斗七星は、北極星をさがす目印にもされますし、柄の部分のカーブをそのまま延ばして、春の星の中で最も明るいうしかい座のアークトゥルス(約37光年)・おとめ座のスピカ(約260光年)へと続く春の大曲線の一部としても使われます。その途中、春の大曲線の内側にあるりょうけん座という小さな星座には、2019年5月のこのページで紹介した銀河M51や、2020年5月のこのページで紹介したM3という球状星団があります。 北斗七星の南には、春の夜空では数少ない一等星、しし座のレグルスがあります。しし座というと、11月のしし座流星群で有名ですが、実際に宵の空に見えるのは春の季節になります。しし座にも、2020年4月のこのページで紹介したM65・66があります。 |
この時期になると、夜半過ぎの東の空にはもう夏の星座が顔を出してきます。空の高いころには、はくちょう座のデネブ・こと座のベガ・わし座のアルタイルで作られる夏の大三角が見え、南の空にはさそり座のアンタレスも見えています。 |
海から昇るさそり座と夏の天の川・火星・木星・土星 20mmF1.7レンズ→F2.2 + APS-Cカメラ 15秒露出 千葉県勝浦市にて撮影 4時間半のタイムラプスムービーはこちら |
木星までの距離は光の速さで約40分かかりますが、木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあるため、望遠鏡でも表面の模様が良く見えるます。木星をはじめとした太陽系の天体の大きさが解る図がこちらのページにあります。 木星を望遠鏡で見ると、本体にある縞模様や、まわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見した衛星で、イオ・エウロパ・ガニメデ・カリストという名前が付けられています。木星はその明るさと大きさから大神ゼウスのローマ神話での呼び名ユピテル(Jupiter=英語でジュピター)と呼ばれており、そこをまわる衛星には、ゼウスに仕えていたニンフなどの名前が付けられているのです。 |
デジタルビデオカメラで撮影 |
さらにその木星より少し西(右)の高い空には土星も見えています。土星までの距離は光の速さで約80分かかります。土星を望遠鏡で見ると、右の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。 金星・火星・木星・土星などの惑星たちは、そのまわりの星座の星々と毎日少しずつ位置関係を変えています。その様子を毎日スケッチしていくと、私たちの地球やこれらの惑星が、太陽のまわりをまわっていることが理解できるようになります。15世紀ポーランドの天文学者コペルニクスがはじめて唱えた地動説以後、世界中の天文学者が現在まで宇宙を見つめ続けて、現在も様々な角度から研究が進められています。そして2006年には、冥王星が惑星から除外されました。その太陽系宇宙の変遷をこちらのページにまとめています。 |
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このページで紹介している星雲星団や惑星の様子は、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。 |
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