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 今年は台風第一波がすでに日本近海をかすめ、その影響で下層と上層の空気の気温差が大きく、関東地方では5月下旬には連日雷雨がつづきました。雷雨が上がった後の夜空はとても気流が落ち着いていて、実は惑星観測にはとても良い時期です。もうすぐ梅雨に入ると、星空の方もお預けになります。いまのうちにたくさんの星空と戯れたいですね。

 先日、当社の事務所の前の用水路に、見慣れないお客様がやってきました。それが右の写真。オシドリのつがいです。なんとも美しい色をしていますね!。天体望遠鏡では、大口径による明るさとプリズムを通さないクリアな像で、フィールドスコープでは得られない高い解像度を得ることができます。


当社事務所より撮影
Meade LX90-20Meade ETX-90ECを使用

20cmクラスの望遠鏡で見た土星
デジタルカメラで撮影

Meade オートスターでの導入方法

タイヨウケイ→ドセイを選択

 これから梅雨にはいると、星空の方はなかなか晴れない日が続きますが、梅雨の合間の星空はとても透明度が良く、美しい星空が見られるものです。6月10日ごろの星空のようすを見ると、太陽が沈んだ後の宵空には、春の星座が見えます。西の空の少し低いところには土星が見えています。土星までの距離は光の速さで約80分かかります。土星を望遠鏡で見ると、右の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。

 その土星のすぐ近くに、もうひとつ赤く不気味に輝く星を見つけることができるはずです。これが火星です。昨年10月30日には一昨年8月の大接近に続いて地球に接近をし、現在は光の速さで約19分の距離で、だいぶ地球からは遠くなり、輝きも鈍くなっています。

 現在この2つの星がいる星座がかに座です。街中の明るい空では残念ながらその姿をみることはできませんが、双眼鏡や望遠鏡で探してみると、そこには一昨年の4月のこのページで紹介したプレセペという散開星団があります。

 6月17日の宵には、この2つの星が見かけ上約0.5度まで接近し、望遠鏡でも少し広めの視野にの中にひとつに見ることができるでしよう。すぐ西側のプレセペ星団と合せて、双眼鏡でも良い眺めになりそうです。

 かに座からさらに高い空に目を移すと、春の夜空では数少ない一等星、しし座レグルス(72光年)があります。しし座というと、11月のしし座流星群で有名ですが、実際に宵の空に見えるのは春の季節になります。しし座をはじめとした春の星座は、「銀河ののぞき窓」とも言われるとおり、銀河系の外側のはるかかなたにある銀河が、数多く見られるところでもあります。昨年5月のこのページでも、M65・M66というふたつの銀河を紹介しています。

 しし座から、今度は目を北の空に向けてみると、暗い星が多い春の星座の中ではとても目立つ北斗七星があります。北斗七星はおおぐま座という星座の一部です。おおぐま座には、2002年の4月のこのページで紹介したM81・M82をはじめとして、小望遠鏡でも見ることができる銀河がたくさんあります。是非宇宙を延々と旅してきた星たちの光をあなたの目で確かめてみてください。

Meade LX200GPS-25で撮影した火星

Meade オートスターでの導入方法

タイヨウケイ→カセイを選択

Meade LX200-25GPSで見た木星
デジタルビデオカメラで撮影

Meade オートスターでの導入方法

タイヨウケイ→モクセイを選択

 北斗七星は、北極星をさがす目印にもされますし、また、柄の部分のカーブをそのまま延ばして、春の星の中で最も明るいうしかい座アークトゥルス(34光年)・おとめ座スピカ(220光年)へと続く春の大曲線の一部としても使われます。その途中、春の大曲線の内側にあるりょうけん座という小さな星座には、昨年5月のこのページで紹介したM3という球状星団があります。

 春の大曲線の2つの一等星よりも明るく、この春の空で最も目だって見えるのは、さらに南東の空に金色に輝いている木星です。木星は5月5日に「衝」を迎え、今が最も良く見える時期です。木星までの距離は光の速さで約40分かかりますが、木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあるため、望遠鏡でも表面の模様が良く見えるます。木星をはじめとした太陽系の天体の大きさが解る図がこちらのページにあります。

 木星を望遠鏡で見ると、本体にある縞模様や、まわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見した衛星で、イオエウロパガニメデカリストという名前が付けられています。木星はその明るさと大きさから大神ゼウスのローマ神話での呼び名ユピテル(Jupiter=英語でジュピター)と呼ばれており、そこをまわる衛星には、ゼウスに仕えていたニンフなどの名前が付けられているのです。

 さらに時間が過ぎ夜半ごろになると、空はすっかり夏の星座に変わっています。南の空には赤く不気味に光るさそり座アンタレス(550光年)が輝き、東の空にはこと座ベガ(25光年)・わし座のアルタイル(17光年)・はくちょう座デネブ(2000光年)で作られる「夏の大三角」も見えています。

 その夏の大三角やさそり座よりずっと空の高いところに、3等星でできたアルファベットの「H」の形の星の連なりを見つけることができます。これがヘルクレス座で、この中には去年6月のこのページで紹介したM13と呼ばれる球状星団があります。

 朝3時ごろになると、この夏の大三角の下から木星よりさらに明るい星が昇ってきます。この星が、地球のすぐ内側をまわる明けの明星の金星です。今月の金星までの距離は、光の早さで約10分と、月の次に近い距離にいる星で、現在少しずつ地球から遠ざかっています。天体望遠鏡で見てみると、右の写真のように月のように欠けている様子がわかります。金星はこれから地球に急速に接近し、望遠鏡でその姿を見ると日に日に大きさや形が変わるのがわかります。

 土星の輪や木星の衛星や縞模様・金星の満ちかけは、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。


望遠鏡で見た昼間の金星
望遠鏡でみるとこのように月のように満ち欠けしているのがわかります

Meade オートスターでの導入方法

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