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今日から10月。日の入りの時間も日に日に早くなり、紅葉と夕焼けが美しい季節になりましたね。10月の夜空は、夏の星座が空の高いところに見え、まだまだにぎやかな季節です。今年はそこにさらに3つも惑星が加わり、大賑わいとなっています。太陽が沈んだ後の西の空には、宵の明星の金星が見えています。今月の金星までの距離は光の速さで約6分で、3月に太陽の向こう側を周ってから少しずつ地球に接近してきているところです。このあと今年いっぱい、宵の明星として見ることができます。 |
天体望遠鏡で見た 昼間の金星 |
金星が西の空に沈む午後9時ごろの星空のようすを見ると、西の空の高いところに明るく輝く白い3つの一等星で作る大きな三角形を見つけることができます。こと座のベガ(25光年)・わし座のアルタイル(17光年)・はくちょう座のデネブ(2600光年)で作られる「夏の大三角」です。中国から伝わった七夕伝説の「織り姫」と「彦星」は、それぞれベガとアルタイルだと言われています。こと座の中には、8月のこのページで紹介したM57と呼ばれる星雲があります。また、夏の大三角のほぼまん中、はくちょう座のくちばしにあたるところには、、8月のこのページで紹介したアルビレオという星があります。このアルビレオのすぐ近くにあるこぎつね座という星座の中にには、2020年9月のこのページ紹介したM27と呼ばれる星雲もあります。 |
夏の大三角からさらに南の空の低いところに目を移すと、ぽつんと黄色っぽく輝く星が見えます。この星が土星です。土星までの距離は光の速さで約80分かかります。土星は8月2日に「衝」を迎え、今が最も良く見える時期です。土星を望遠鏡で見ると、右の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。 さらに、その土星の東(右)には、木星が金色に輝いています。木星も8月20日に「衝」を迎え、今が最も良く見える時期です。木星までの距離は光の速さで約40分かかりますが、木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあるため、望遠鏡でも表面の模様が良く見えます。 |
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木星を望遠鏡で見ると、本体にある縞模様や、まわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見した衛星で、イオ・エウロパ・ガニメデ・カリストという名前が付けられています。木星はその明るさと大きさから大神ゼウスのローマ神話での呼び名ユピテル(Jupiter=英語でジュピター)と呼ばれており、そこをまわる衛星には、ゼウスに仕えていたニンフなどの名前が付けられているのです。 金星・火星・木星・土星などの惑星たちは、そのまわりの星座の星々と毎日少しずつ位置関係を変えています。その様子を毎日スケッチしていくと、私たちの地球やこれらの惑星が、太陽のまわりをまわっていることが理解できるようになります。15世紀ポーランドの天文学者コペルニクスがはじめて唱えた地動説以後、世界中の天文学者が現在まで宇宙を見つめ続けて、現在も様々な角度から研究が進められています。そして2006年には、冥王星が惑星から除外されました。その太陽系宇宙の変遷をこちらのページにまとめています。 |
デジタルビデオカメラで撮影 |
一方、西の空の夏の星座たちにくらべて、少しおとなしめに輝くのが、天頂から東の空に見える秋の星座たちです。明るい星が少ない秋の空ですが、「馬肥ゆる秋」のごとく、東の空の中ほどに見えているのは、天馬ペガススの姿です。ペガススの四辺形は、おとなしめな秋の星たちの中では比較的わかりやすい星の並びです。ペガスス座には、、2013年10月のこのコーナーで紹介した球状星団M15があります。 このペガススの四辺形を手がかりに、他の星座たちも探してみましょう。四辺形の西側(右側)の縦の辺をまっすぐ南のほうに延ばしていくと、まわりに明るい星がないところにひとつだけ1等星を見つけることができます。この星がみなみのうお座のフォーマルハウト(22光年)です。日本ではその名の通り「みなみのひとつぼし」などと呼ぶ地方もあります。 そして、ペガススの四辺形の北東の辺から、明るい星が4つ、やや広い間隔で並んでいるのを見つけることができます。この付近がアンドロメダ座です。ペガススの四辺形とアンドロメダ座との接点の星は「アルフェラッツ」という星で、アラビア語で「馬の中心」という意味があります。星座絵に描かれた天馬ペガススの、ちょうどおなかの部分にあたる星なのです。 |
一眼レフデジタルカメラで撮影したM31 APS-C一眼レフ+135mm F2.5レンズ 15秒露出 富士山須走口五合目にて撮影 nano tracker使用 |
このアンドロメダ座には、有名なアンドロメダ大銀河M31があります。私達の太陽系がある銀河系の外側、距離にすると光の速さで230万年の距離にあるとされている銀河です。しかし、この距離は実のところだんだん遠くなっています(笑)。というのは、実際に銀河系とアンドロメダ大銀河が遠ざかっているわけではなく、観測技術の向上により、その距離がだんだん正確にわかるようになってきたためです。天体観測の技術は、まだまだ進歩の途中なのです。 この銀河を望遠鏡で見てみると、左の写真のように、その両側に小さな銀河を伴っていることもわかります。私達の銀河系にも、日本からは見ることができませんが「大マゼラン銀河」「小マゼラン銀河」と呼ばれる小さな銀河系が伴っています。是非あなたの目で230万年のかなた(と考えられている)からの銀河の輝きを確かめてみてください!。 |
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NGC891 アンドロメダ座銀河 Sky-watcher Goto Dob 10使用 APS-Cデジカメ一眼レフ 30秒露出 茨城県筑波山風返峠にて撮影 |
もうひとつ、アンドロメダ座にある面白い形をした銀河としてNGC891を紹介します。光の速さでおよそ3000万光年の距離にあると考えられていて、空のきれいな場所で20cmクラス以上の望遠鏡を使うと、細長い棒のような形に見え、少し時間をかけて写真撮影すると、左の写真のように中心に暗黒帯を伴った面白い形を見ることができます。 アンドロメダ座には、このほかにも2006年10月のこのページで紹介した二重星アルマク・2008年10月のこのページで紹介したNGC752など、双眼鏡や望遠鏡で見て楽しい天体がたくさんあります。 さらにアンドロメダ座の北(左)には、小学校の教科書にも載っているカシオペヤ座も見えています。アンドロメダは、ギリシャ神話のカシオペヤの娘で、父はカシオペヤの西となりにいるケフェウス・夫となったのが東隣のペルセウス・・・という具合に、この季節の星座たちはひとつの神話でつながっています。もし興味のある方は、図書館やインターネットで調べてみてはいかがでしょう。そのペルセウス座とカシオペヤ座の中間付近には、昨年11月のこのページで紹介した二重星団もあります。 |
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このページで紹介している星雲星団や惑星の様子は、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。 |
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