星空案内はこちらのページと一緒にお読みください

 いよいよ3月。先月は寒暖の差が激しく、体調を崩された方も多かったようですが、皆さんはいかがお過ごしでしたでしょうか?。当社の事務所がある埼玉では、そろそろスギ花粉の季節です(苦笑)。マスクと鼻炎薬が手放せない季節になりました・・・。でも、日に日に少しずつ暖かくなり、木々の芽吹きや鳥のさえずりから春が近くまで来ていることも感じさせてくれます。

 今月9日には、今年の天文現象で最も注目されている部分日食があります。詳しくはこちらのページで紹介しています。お見逃しのないよう、早めに準備しておきましょうね。

  星空の方も、3月になると冬の星座から春の星座へと移り変わっていきます。午後9時ごろの星空のようすを見ると、北西の空にはW字型の星が連なるカシオペヤ座が見えています。カシオペヤ座の東(上)には、漢字の「人」という字を横にしたように星が連なるペルセウス座があります。この、ペルセウス座とカシオペヤ座の中間付近には、2015年12月のこのページでも紹介している二重星団と呼ばれるこの星の集まりがあります。この付近は、まだ秋の星座が見えていることになります。

 一方、空の高いところに目を移すと、そこには冬のきらびやかな星たちが輝いています。ペルセウス座の北よりの高いところに見える黄色い一等星は、ぎょしゃ座カペラ(42光年)です。ぎょしゃ座には1月のこのページで紹介したで紹介したM36・37・38の3つの散開星団があります。

 ぎょしゃ座の南にはおうし座があります。おうし座の一等星アルデバラン(65光年)の付近は、ヒアデス星団という散開星団Mel25の一部で、この付近を双眼鏡で見てみると、40個程度の星が広く散らばっているのを見ることができます。一方、もう少し北の空に数個の星がごちゃごちゃっと集まって見えるところが「すばる」ことプレアデス星団M45です。双眼鏡で見てみると、いろいろな明るさの100個くらいの星が群れを成しているのがわかります。おうし座の東には、ふたご座ポルックス(52光年)とカストル(32光年)も見えます。ふたご座には、2015年1月のこのページで紹介した散開星団M35があります。

 おうし座やふたご座の南には、冬の星座の代表冬の星座の王者オリオン座ベテルギウス(310光年)・全天で最も明るい恒星のシリウス(8.7光年)のあるおおいぬ座・そしてこいぬ座プロキオン(11.2光年)が冬の大三角を形作っています。おおいぬ座には、2014年の2月のこのページで紹介した散開星団M41があります。シリウスの少し東には、先月のこのページで紹介したM46・M47の2つの散開星団もあります。さらにその南には、2012年1月のこのページで紹介したカノープス(310光年)も見えているはずです。
 南から天頂のきらびやかな冬の星座たちから、さらに東の空に目を移すと、おとなしめに輝く春の星座を見ることができます。その中で、空の中ほどにひときわ明るく金色に輝く明るい星が輝いています。この星は木星です。木星までの距離は光の速さで約40分かかりますが、木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあるため、望遠鏡でも表面の模様が良く見えるます。

 木星を望遠鏡で見ると、本体にある縞模様や、まわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見した衛星で、イオエウロパガニメデカリストという名前が付けられています。木星はその明るさと大きさから大神ゼウスのローマ神話での呼び名ユピテル(Jupiter=英語でジュピター)と呼ばれており、そこをまわる衛星には、ゼウスに仕えていたニンフなどの名前が付けられているのです

Meade LX200-25で見た木星
デジタルビデオカメラで撮影
 今年、その木星が輝いているのはしし座です。木星は、太陽の周りを約12年の周期で一周しているので、地球からの見かけ上、星占いに使われている黄道12星座をちょうど1年で1つずつめぐっていきます。しし座には、春の夜空では数少ない一等星レグルスがあります。しし座というと、11月のしし座流星群で有名ですが、実際に宵の空に見えるのは春の季節になります。しし座にも、2015年4月のこのページで紹介したM65・66があります。

 しし座の北には、小学校の教科書にも出てくる春の代表的な星の並びである北斗七星が見えます。北斗七星は、星座ではなくおおぐま座という星座の一部になります。北斗七星は、北極星をさがす目印にもされますし、また、柄の部分のカーブをそのまま延ばして、春の星の中で最も明るいうしかい座アークトゥルス(約37光年)・おとめ座スピカ(約260光年)へと続く春の大曲線の一部としても使われます。その途中、春の大曲線の内側にあるりょうけん座という小さな星座には、2014年4月のこのページで紹介したM3という球状星団があります。
 夜が更けて夜半ごろ、東の空から鈍く赤い光で不気味な存在感に輝く火星が昇ってきます。火星は地球のすぐ外側をまわる惑星ですが、2003年8月の大接近のことは記憶にある方も多いのではないでしょうか。今年も5月31日に最接近になります。今回は「中接近」で、2003年8月の大接近ほどは近づきませんが、それでも天体望遠鏡で火星表面が見られるほどまで接近します。
 今月の火星までの距離は光の早さで約8分で、少しずつ地球に接近しています。継続してみていると、その大きさや明るさが少しずつ変わっていく様子も見ることができます。今月と最接近の5月〜6月ごろを比較すると、約2倍も見掛けの大きさが変わります。
 火星は私達の地球と良く似た惑星として、近年探査機が頻繁に向かっている注目の惑星です。いつか人類が立つかもしれない火星の様子を、いち早く自分の目確かめてみませんか?。

Meade LX200-25で撮影した火星
 火星は、私たちの地球のすぐ外側を回っている惑星で、約2年2ヶ月ごとに地球に接近します。しかし、接近ごとにその距離が異なります。その理由は、火星の軌道が真円ではなくちょっとゆがんだ楕円をしているためです。
 右の図は、その軌道を上から見た図になります。地球軌道と火星軌道が接近している8月ごろに接近するときには大接近になり、反対に2月ごろに接近するときは小接近になるのです。
接近する日 距離 視直径
2016/05/31 0.50AU

18.6"

2018/07/31 0.38AU

24.3"

2020/10/06 0.41AU

22.6"

2022/12/01 0.54AU

17.2"

2025/01/12 0.64AU

14.6"

2027/02/20 0.68AU

13.8"

2029/03/30 0.65AU

14.5"

2031/05/12 0.55AU

16.9"

これから15年間の地球と火星の接近する日とその距離・大きさのシミュレーション
最遠のときは太陽の向こう側にあるので、地球からはみることができません。
 さらにその火星が上ってきた約1時間後、土星も昇ってきます。土星までの距離は光の速さで約80分かかります。土星を望遠鏡で見ると、右の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。

 火星や木星・土星などの惑星たちは、そのまわりの星座の星々と毎日少しずつ位置関係を変えていますその様子を毎日スケッチしていくと、私たちの地球やこれらの惑星が、太陽のまわりをまわっていることが理解できるようになります。15世紀ポーランドの天文学者コペルニクスがはじめて唱えた地動説以後、世界中の天文学者が現在まで宇宙を見つめ続けて、現在も様々な角度から研究が進められています。そして2006年には、冥王星が惑星から除外されました。その太陽系宇宙の変遷をこちらのページにまとめています。


20cmクラスの望遠鏡で見た土星
デジタルカメラで撮影

 このページで紹介している星雲星団や惑星の様子は、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。

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