星空案内はこちらのPDFファイルと一緒にお読みください
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残暑お見舞い申し上げます。この夏は全国的に連日の猛暑となり、9月に入ってもまだまだ暑い日が続いていますね。 今年の旧暦の8月の十五夜は、9月29日になります。旧暦と呼ばれる太陰暦はカレンダー(こよみ=暦)の一種で、日本では、現在使われている「太陽暦」が使われはじめた明治6年より前に実際に使われていました。太陽暦が太陽のまわりを地球が一周するのを基準に作られたものであるのに対し、太陰暦は月の満ちかけを基準に作られたもので、同じ日付でも約1カ月のずれがあります。 |
9月の夜空は夏の星座が空の高いところに見え、まだまだにぎやかな季節です。午後9時ごろの星空のようすを見ると、空の高いところに明るく輝く白い3つの一等星で作る大きな三角形を見つけることができます。こと座のベガ(25光年)・わし座のアルタイル(17光年)・はくちょう座のデネブ(2600光年)で作られる「夏の大三角」です。中国から伝わった七夕伝説の「織り姫」と「彦星」は、それぞれベガとアルタイルだと言われています。こと座の中には、先月のこのページで紹介したM57があります。また、夏の大三角のほぼまん中、はくちょう座のくちばしにあたるところには、先月のこのページで紹介したアルビレオという星があります。そのアルビレオのすぐ近くにあるこぎつね座という星座の中には、2022年8月のこのページで紹介したM27と呼ばれる星雲もあります。 |
そのM27の近く、夏の大三角の中の少し南寄りにや座という小さな星座があります。都市部の明るい空では見つけられませんが、少し空の暗い山の中や海辺にいくと、アルタイルより少し高い空に、4つの4等星が横になったY字型の星の連なりを見つけることができます。この星座の中に、M71と呼ばれる球状星団があります。地球から約13,000光年の距離にある天の川銀河(私たちの銀河系)の中の天体で、球状星団という名前の通り星がボール状に集まったもので、天の川銀河の外側を取り巻くように存在している、いまだに謎の多い天体のひとつです。球状星団としては比較的近いため8等級と明るく、一つ一つの星が明るく散らばって見えるので、小型の望遠鏡でも美しく見える星団です。や座が肉眼で確認できれば、天体自動導入望遠鏡がなくても見つけることができるので、是非探してみてください。 | や座球状星団M71 セレストロン Nexstar Evolution 6-J + HyperStar マイクロフォーサーズミラーレスカメラで撮影 |
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夏の大三角からさらに南の空の低いところに目を移すと、西寄りの空にさそり座のアンタレス(620光年)が見えています。今月21日の夕方には、そのアンタレスが月に隠される現象も見られます。さそり座には、アンタレスのすぐ西にある球状星団M4や、2012年7月のページで紹介したさそりのしっぽの毒針の先あたりにあるM6とM7という2つの散開星団があり、いて座にも2014年8月のこのコーナーで紹介したM11やM8など、たくさんの星雲星団があります。 |
夏の天の川 6.5mmF2円周魚眼レンズ + APS-Cミラーレス 30秒露出 固定撮影 岡山県蒜山高原にて撮影 |
さらに東の空に目を向けると、空の中ほどに黄色っぽい星が昇ってくるのが見えます。この星が土星です。土星までの距離は光の速さで約80分かかります。土星は8月28日に「衝」を迎え、今が観望の好期です。土星を望遠鏡で見ると、右の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。 その土星を追いかけるように、夜9時ごろになると木星も昇ってきます。木星までの距離は光の速さで約40分かかりますが、木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあるため、望遠鏡でも表面の模様が良く見えます。木星をはじめとした太陽系の天体の大きさが解る図がこちらのページにあります。 |
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木星を望遠鏡で見ると、本体にある縞模様や、まわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見した衛星で、イオ・エウロパ・ガニメデ・カリストという名前が付けられています。木星はその明るさと大きさから大神ゼウスのローマ神話での呼び名ユピテル(Jupiter=英語でジュピター)と呼ばれており、そこをまわる衛星には、ゼウスに仕えていたニンフなどの名前が付けられているのです。 |
マイクロフォーサーズミラーレスカメラで撮影 |
この時期になると、日に日に日の出の時間も遅くなって、夜の時間も長くなってきます。夜も更けて明け方の3時ごろなると、東の空から明けの明星の金星が昇ってきます。今月の金星までの距離は光の速さで約3分で、8月12日に地球と太陽の間を通過する内合を過ぎて、急速に地球から遠ざかっているところです。これからの来年の春先までは、明けの明星として見ることができます。 |
Sky-watcher AZ-Go2 MAK127で見た昼間の金星 マイクロフォーサーズミラーレスカメラで撮影 |
この時間になると、空の高いところにアンドロメダ座のアンドロメダ大銀河M31やおうし座のプレアデス星団M45も見えるようになり、東の空からはもう冬の星座のオリオン座なども見えるようになります。 このページで紹介している星雲星団や惑星の様子は、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。 |
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