夕焼けが西の空に姿を消すころ、空には美しい星たちが輝きだします。3月10日ごろの星空のようすを見ると、西から天頂の空の高いところには明るい星が多く輝いています。冬の星座にはこのように明るい星が多く、大平洋側では乾燥した晴天が続くため、星が最も美しく見られる季節でもあります。西の空のちょっと低いところに見えるぎょしゃ座やおうし座、さらにその南側には冬の星座の王者オリオン座・全天で最も明るい恒星のシリウスのあるおおいぬ座・そしてこいぬ座のプロキオンが冬の大三角を形作っています。
ぎゃしゃ座には1月のこのコーナーで紹介したM36.37.38などの散開星団があり、1等星カペラとおうし座の1等星アルデバラン・オリオン座のベテルギウスの中間付近に見える明るい星が土星です。土星は望遠鏡で見ると丸い本体のまわりをくるっとドーナツ状の環が取り巻いている様子をみることができます。
さらに空の高いところに目を移すと、ふたご座のカストルとポルックスが仲良く並んでいるのを見ることができます。お兄さんのカストルの方が若干暗い2等星で、弟のポルックスの方は1等星です。日本では、ひなまつりのころにちょうどこの2つの星が宵空の高いところに見えるため、「ひなまつり星」などと呼んでいる地方もあります。お雛様の方が明るいポルックス・ちょっと控え目のお内裏様の方がカストルでしょうか。
ふたご座の東には宵空で最も明るく輝く木星の姿も見ることができます。木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあります。木星をはじめとした太陽系の天体の大きさが解る図がこちらのページにあります。望遠鏡で見ると、木星本体にある縞模様や、木星のまわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見された衛星で、イオ・エウロパ・ガニメデ・カリストという名前が付けられています。
土星は去年12月14日に「衝」(太陽−地球−土星が一直線に並ぶ)を迎え、木星も2月2日に衝を迎え、どちらも観望に最高の時期を迎えています。土星の環や木星の縞模様は、口径6cmクラスの望遠鏡でも見ることができます。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径6cmですから、充分お楽しみいただけます。是非あなたの目で宇宙のほんとうの姿を確かめてみてください!。
|