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いよいよ今日から師走。今年の11月は比較的暖かな日が多かったですが、吹く風はもう冬を感じさせます。 今年は日本では新年早々1月6日にも部分日食が見られましたが、今年2回目となる部分日食が12月26日(木)の夕方に見られます。詳しくは、こちらのページに記載しています。是非ご家族でお楽しみください。 |
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この時期、街はクリスマスムードが少しずつただよいはじめ、あちこちでデコレーションされたイルミネーションが艶やかに輝きだしています。そんな街のイルミネーションから、ふと空を見上げてみると、そこにも地上の星たちよりもっと美しい冬の星空が広がっています。 この冬の夕焼け空の中には、宵の明星の金星が輝いています。今月の金星までの距離は光の速さで約11分で、太陽の向こう側を周って少しずつ地球に接近してきているところです。来年の春まで、宵の明星として見ることができます。 |
天体望遠鏡で見た 昼間の金星 |
さらにその金星近くには土星も見えています。土星までの距離は光の速さで約80分かかります。土星を望遠鏡で見ると、右の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。 金星・火星・木星・土星などの惑星たちは、そのまわりの星座の星々と毎日少しずつ位置関係を変えています。その様子を毎日スケッチしていくと、私たちの地球やこれらの惑星が、太陽のまわりをまわっていることが理解できるようになります。15世紀ポーランドの天文学者コペルニクスがはじめて唱えた地動説以後、世界中の天文学者が現在まで宇宙を見つめ続けて、現在も様々な角度から研究が進められています。そして2006年には、冥王星が惑星から除外されました。その太陽系宇宙の変遷をこちらのページにまとめています。 |
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その惑星たちが西の空に沈み、夜も深まる午後9時ごろの星空のようすを見ると、西から南の空には、まだ秋の星座たちが見えています。西の空の中ほどに見えるのは、天馬ペガススの姿です。ペガススの四辺形は、おとなしめな秋の星たちの中では比較的わかりやすい星の並びです。ペガスス座には、、2013年10月のこのコーナーで紹介した球状星団M15があります。 このペガススの四辺形を手がかりに、他の星座たちも探してみましょう。四辺形の西側(右側)の縦の辺をまっすぐ南のほうに延ばしていくと、まわりに明るい星がないところにひとつだけ1等星を見つけることができます。この星がみなみのうお座のフォーマルハウト(22光年)です。日本ではその名の通り「みなみのひとつぼし」などと呼ぶ地方もあります。 |
そして、ペガススの四辺形の北東の辺から、明るい星が4つ、やや広い間隔で並んでいるのを見つけることができます。この付近がアンドロメダ座です。ペガススの四辺形とアンドロメダ座との接点の星は「アルフェラッツ」という星で、アラビア語で「馬の中心」という意味があります。星座絵に描かれた天馬ペガススの、ちょうどおなかの部分にあたる星なのです。アンドロメダ座には、10月のこのページで紹介したアンドロメダ大銀河M31やNGC891、2006年10月のこのページで紹介した二重星アルマク・2008年10月のこのページNGC752など、双眼鏡や望遠鏡で見て楽しい天体がたくさんあります。 そのアンドロメダ座の北側には小学校の教科書にも載っているカシオペヤ座があります。アンドロメダは、ギリシャ神話のカシオペヤの娘で、父はカシオペヤの西となりにいるケフェウス・夫となったのが東隣のペルセウス・・・という具合に、この季節の星座たちはひとつの神話でつながっています。もし興味のある方は、図書館やインターネットで調べてみてはいかがでしょう。 そのペルセウス座とカシオペヤ座の中間付近を見ると、空のきれいなところであれ、ば天の川の中に肉眼でもなにやらぼーっとした光のしみのようなものを見つけることができます。これが先月のこのページで紹介した二重星団です。 |
ぎょしゃ座散開星団M36 M37 M38を 双眼鏡で見たときのシミュレーション画像 夜空の暗い場所で8倍40mmクラスの双眼鏡で見ると、 このように3つの星団をひとつの視野に見ることができます 双眼鏡での見つけ方はこちら |
さらに東の空に目を転じると、明るい星が多くとてもにぎやかな冬の星座たちを見ることができます。北よりの高いところに見えるのがぎょしゃ座のカペラ(42光年)です。ぎょしゃ座には冬の天の川が中央を流れていて、双眼鏡で見ると無数の星たちが輝いているのを見ることができます。この中に、明るい3つの散開星団があります。 最も東よりにあるM37は、約4700光年とこの3つの中でも最も遠い距離にあり、望遠鏡で見ると小さな星たちが無数に群がっている様子を見ることができます。まん中のM36は、約3800光年の距離にあり、星の数はM37に比べて少なめで、明るめの星がバラっと散らばって見えます。いちばん西のM38は、約3600光年と最も近く、他の2つに比べると少し広がりのある星の集まりです。 |
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ぎょしゃ座散開星団M36 M37 M38の 望遠鏡で見たときのシミュレーション画像 50倍くらいの倍率で見たときの視野にしてあります それぞれの星団に明るさや密集度など 個性があって面白い対象です |
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ぎょしゃ座の南にはおうし座があります。おうし座の一等星アルデバラン(65光年)の付近は、ヒアデス星団という散開星団Mel25の一部で、この付近を双眼鏡で見てみると、40個程度の星が広く散らばっているのを見ることができます。 一方、もう少し空の高いところに見える数個の星がごちゃごちゃっと集まって見えるところが「すばる」ことプレアデス星団M45です。双眼鏡で見てみると、いろいろな明るさの100個くらいの星が群れを成しているのがわかります。おうし座の南には、冬の星座の王者オリオン座のベテルギウス(600光年)も東の空から昇ってきています。 12月23日は、一年の中で最も昼間の長さが短い冬至です。冬至や夏至・春分・秋分は、紀元前4世紀ごろに中国で使われていた二十四節季のうちのひとつです。二十四節季は、その当時に暦として使われていた太陰暦(月の動きを基準にした暦)とは別に、太陽の動きから季節ごとに起こる事象を綴った暦の一種です。 天文学が発達した現代では、太陽の周りを回る地球の公転軌道を15度ずつに分けて計算し、その座標を通過する日にそれぞれの二十四節季を割り当てています。20世紀中ごろまでは、天文台の子午環と呼ばれる機械で天体を観測して、二十四節季を割り当てていました。このため、春分の日と秋分の日をはじめとした国民の祝日の日付を決めるのは、現在でも国立天文台の仕事で、前年の2月に次の年の祝日が発表されます(2020年の暦はこちら)。天文学と言うと浮世離れした難しい学問のように思われがちですが、実は私たちの生活に密接な関係のある基礎学問のひとつなのです。 |
このページで紹介している星雲星団や惑星の様子は、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。 |
●来年の天文現象をちょっとご紹介● 来年も楽しみな天文現象が盛りだくさんです!。 その中から、特に注目したい現象を3つご紹介します。 |
★6月21日(日)夕方 半年ぶりの部分日食 2020年は世界的にみると2回の日食があり、そのうち1回目となる日食は、2020年6月21日(日)夕方に日本全国で部分日食として見られます。この日食では、アフリカ北東部からアラビア半島・パキスタン・インド・中国・台湾を通ってグアム沖までの帯状の地域で金環日食になります。 |
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右写真:2012年5月21日の日食 (クリックすると6月21日の日食の様子を見ることができます) |
★12月21日(月)夕方 木星と土星の接近 12月中旬から下旬の夕焼け空の中で、木星と土星が望遠鏡の視野に一つに見えるほどまで見かけ上接近します。木星と土星は約12年おきに会合しますが、ここまで接近するのはとてもめずらしく、次回ここまで接近するのは2060年までありません。 |
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右写真:2017年11月13日の金星と木星の接近の様子
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