星空案内はこちらのページと一緒にお読みください
 早くも1月が過ぎてしまいました。当社の事務所のある埼玉県では、1月中旬にまとまった雪が降りましたが、それ以外は例年通りの乾燥した日が続き、透明度の良い夜空に、冬の美しい星たちが輝いています。午後9時ごろの星空のようすを見ると、西の空の高いところには、まだ秋の星座たちが見えます。北西の空にはW字型の星が連なるカシオペヤ座が見えています。カシオペヤ座の南(左)にあるアンドロメダ座には、2015年10月のこのページで紹介したアンドロメダ大銀河M31NGC8912006年10月のこのページで紹介した二重星アルマク2008年10月のこのページNGC752など、双眼鏡や望遠鏡で見て楽しい天体がたくさんあります。

 アンドロメダ座やカシオペア座よりもう少し空の高いところに、漢字の「人」という字を横にしたように星が連なるペルセウス座があります。この、ペルセウス座とカシオペヤ座の中間付近を見ると、空のきれいなところであれば天の川の中に肉眼でもなにやらぼーっとした光のしみのようなものを見つけることができます。これが2015年12月のこのページで紹介した二重星団です。また、アンドロメダ座の隣のさんかく座にあるM33や、カシオペヤ座のM52など、この季節はたくさんの美しい星雲星団を見ることができます。是非あなたも双眼鏡や望遠鏡で楽しんでみてください。

 さらに天頂から南の空に目を転じると、明るい星が多くとてもにぎやかな冬の星座たちを見ることができます。北よりの高いところに見えるのがぎょしゃ座カペラ(42光年)です。ぎょしゃ座には、先月のこのページで紹介したで紹介したM36・37・38の3つの散開星団があります。

 ぎょしゃ座の南にはおうし座があります。おうし座の一等星アルデバラン(65光年)の付近は、ヒアデス星団という散開星団Mel25の一部で、この付近を双眼鏡で見てみると、40個程度の星が広く散らばっているのを見ることができます。一方、もう少し北の空に数個の星がごちゃごちゃっと集まって見えるところが「すばる」ことプレアデス星団M45です。双眼鏡で見てみると、いろいろな明るさの100個くらいの星が群れを成しているのがわかります。おうし座の東には、ふたご座ポルックス(52光年)とカストル(32光年)も見えます。ふたご座には、2015年1月のこのページで紹介した散開星団M35があります。

 おうし座やふたご座の南には、冬の星座の代表冬の星座の王者オリオン座ベテルギウス(310光年)・全天で最も明るい恒星のシリウス(8.7光年)のあるおおいぬ座・そしてこいぬ座プロキオン(11.2光年)が冬の大三角を形作っています。おおいぬ座には、2014年の2月のこのページで紹介した散開星団M41があります。さらにその南には、2012年1月のこのページで紹介したカノープス(310光年)も見えているはずです。

M46・M47 とも座散開星団
APS-Cデジカメ一眼レフ 30秒露出
PV102E61鏡筒
Meadeシュミカセ用レデューサ併用(430mmF4.2相当)
セレストロンAdvanced VX赤道儀使用
埼玉県堂平山
て撮影
7〜10倍クラスの双眼鏡で見てみると、
ちょうど2つの星団をひとつの視野に見ることができます
 周囲に街灯等がなく、空のきれいな場所に行くと、ふたご座から冬の大三角を貫くように、淡い光の帯が続いているのを見ることができます。これが天の川です。私たちの太陽系は、私たちの天の川銀河の中心から少し離れたとこめろ?位置していますが、冬の天の川は、円盤状になっている天の川銀河の中心とは反対の方向を見ていることになり、中心方向にあたる夏の天の川より細く淡く見えます。それでも、双眼鏡や望遠鏡で見てみると、これまで紹介してきたもの以外にも、たくさんの星雲や星団を見ることができます。
 そのうちの一つ、おおいぬ座のシリウスの少し東に見えるのが、とも座にあるM46M47です。東側(右の写真の左側)の暗い星がたくさん集まって見えるのがM46で、地球から約5,300光年の距離にあります。西側(右の写真の右側)の比較的明るい星がざらざらと集まって見えるのがM47で、地球から約1,600光年の距離にあります。この距離の差が、見かけの明るさや広がりと大きく関係しています。

 さらにM46の中を良く見てみると、星団の中の上(北)のほうに、魚のめだまのように見える小さな星雲があるのに気づくでしょう。これはNGC2438という惑星状星雲です。約2,900光年の距離にあり、M46よりずっと手前にある天体なので、M46を構成する星とは直接関係はなく、たまたま星団の手前に見えているわけです。

 このようにして、宇宙を立体的に考えながら天体を見てみると、私たちの地球が置かれている状況を目で感じ取ることができるのではないと思います。

セレストロン Nexstar+での導入方法
「3」(Deep Sky)キー→メシエ
→「046・047」をキーパッドから入力

Sky-watcher Gotoドブソニアンでの導入方法
「4」(メシエ)キー→
→「046・047」をキーパッドから入力

Meade オートスターでの導入方法
Deep Sky→
Messier Object→
キーで「46・47」を入力

双眼鏡や天体自動導入機の無い望遠鏡での見つけ方はこちら

 その冬の天の川からさら東に目を移すと、金色に輝く明るい星が輝いています。この星は木星です。木星までの距離は光の速さで約40分かかりますが、木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあるため、望遠鏡でも表面の模様が良く見えるます。

 木星を望遠鏡で見ると、本体にある縞模様や、まわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見した衛星で、イオエウロパガニメデカリストという名前が付けられています。木星はその明るさと大きさから大神ゼウスのローマ神話での呼び名ユピテル(Jupiter=英語でジュピター)と呼ばれており、そこをまわる衛星には、ゼウスに仕えていたニンフなどの名前が付けられているのです

Meade LX200-25で見た木星
デジタルビデオカメラで撮影
 夜が更けて午前2時ごろ、東の空から鈍く赤い光で不気味な存在感に輝く火星が昇ってきます。火星は地球のすぐ外側をまわる惑星ですが、2003年8月の大接近のことは記憶にある方も多いのではないでしょうか。現在、火星までの距離は光の早さで約10分で、5月31日の再接近に向けて、少しずつ地球に接近しています。継続してみていると、その大きさや明るさが少しずつ変わっていく様子も見ることができます。今回の接近は2003年ほどの大接近にはなりませんが、火星は私達の地球と良く似た惑星として、近年探査機が頻繁に向かっている注目の惑星です。いつか人類が立つかもしれない火星の様子を、いち早く自分の目確かめてみませんか?。
Meade LX200-25で撮影した火星
●2003年の6月7月8月9月のこのコーナーでは、火星についてより詳しくコメントしています。興味のある方は是非ご覧ください。
 さらに、午前3時ごろになると、その火星の下から土星も昇ってきます。土星までの距離は光の速さで約80分かかります。土星を望遠鏡で見ると、右の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。

???? 明け方、太陽が東の空から昇る1時間くらい前、朝焼けの中に明けの明星の金星が見えてきます。さらに今月は、その金星のすぐ近くに水星も見ることができます。今月の金星までの距離は、光の速さで約12分・水星までの距離は、月初めは約7分〜月の終わりには10分で、どちらも少しずつ地球から遠ざかっています。


20cmクラスの望遠鏡で見た土星
デジタルカメラで撮影

 水星や金星・火星・木星・土星などの惑星たちは、そのまわりの星座の星々と毎日少しずつ位置関係を変えています。その様子を毎日スケッチしていくと、私たちの地球やこれらの惑星が、太陽のまわりをまわっていることが理解できるようになります。15世紀ポーランドの天文学者コペルニクスがはじめて唱えた地動説以後、世界中の天文学者が現在まで宇宙を見つめ続けて、現在も様々な角度から研究が進められています。そして2006年には、冥王星が惑星から除外されました。その太陽系宇宙の変遷をこちらのページにまとめています。

 このページで紹介している星雲星団や惑星の様子は、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。

●このコーナーより商品をお申し込みの場合、代金のお支払いはクレジットカードでの決済または代金引換・銀行振込・郵便振替・コンビニ決済(NP後払い)・ショッピングクレジット(分割払い)がお選びいただけます。はじめてご利用の方や、決済方法など詳しいことをお知りになりたい方は、こちらのページをご覧ください。

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