アインシュタインの一般相対性理論によると、光より「速いもの」はない・・・ことなりますが、最近では光より速い粒子の存在も少しずつ明らかになり、一般相対性理論だけでは説明できないことも増えてきてしまいました。しかし、まだ私達の身近な天文分野では、宇宙からの星の「目に見える光」からたくさんのことを知り、感じ、そして学んでいます。春の霞みのかかった空にも、星たちは美しく輝いているのです。4月10日ごろの星空のようすを見ると、宵の西の空にはまだ冬の星座たちが輝いています。北よりの空に明るく輝くぎょしゃ座のカペラやおうし座のアルデバラン、その南側には冬の星座の王者オリオン座のベテルギウス・全天で最も明るい恒星のシリウスのあるおおいぬ座・そしてこいぬ座のプロキオンが冬の大三角を形作っています。
この季節、シリウスとベテルギウス・カペラはほぼ一直線に並んで見えますが、ベテルギウスとカペラの間にももう一つ一等星が見えます。これが土星です。土星は望遠鏡で見ると丸い本体のまわりをくるっとドーナツ状の環が取り巻いている様子をみることができます。
さらに空の高いところに目を移すと、ふたご座のカストルとポルックスが仲良く並んでいるのを見ることができます。お兄さんのカストルの方が若干暗い2等星で、弟のポルックスの方は1等星です。
ふたご座よりさらに高いところ、宵空ではほとんど天頂近くに、今の夜空では最も明るく輝く木星の姿も見ることができます。木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあります。木星をはじめとした太陽系の天体の大きさが解る図がこちらのページにあります。望遠鏡で見ると、木星本体にある縞模様や、木星のまわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見された衛星で、イオ・エウロパ・ガニメデ・カリストという名前が付けられています。
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