タイトル画像および背景画像:マーズオービターカメラ(MOC)システムで撮影した火星
Image from (C)NASA
星空案内はこちらのPDFファイルと一緒にお読みください
いよいよ夏本番。今年は梅雨明けが全国的に遅く、なかなか晴れた空を見ることができませんでしたが、これから星空が美しい季節になります。感染対策をしっかりして、夜は外で星空を楽しんでください。 今、夕方の西の空にC/2020 F3 NEOWISE彗星が肉眼で見えるほどまで明るくなっています。この彗星についてはこちらのページで詳しく記載しています。 夏の夜空は一等星が多く、星空がにぎやかな季節ですが、今年はそこにさらに2つも惑星が加わり、大賑わいとなっています。午後9時ごろの星空のようすを見ると、西の空には、まだ春の星座が見えています。北西の空の中ほどには北斗七星が見えています。北斗七星は星座ではなく、おおぐま座という星座の一部になります。おおぐま座には、3月のこのページで紹介したM81とM82や、2019年4月のこのページで紹介したM97とM108など、小望遠鏡でも楽しめる銀河がたくさんあります。是非宇宙を延々と旅してきた星たちの光をあなたの目で確かめてみてください。 北斗七星は、北極星をさがす目印にもされますし、また、柄の部分のカーブをそのまま延ばして、春の星の中で最も明るいうしかい座のアークトゥルス(約37光年)を経ておとめ座のスピカへと続く春の大曲線の一部としても使われます。おとめ座には、6月のこのページで紹介したおとめ座超銀河団があります。 |
|
一方、南の空から空の高いところを見てみると、明るい星の多い夏の星座が見えています。天頂近くに、明るく輝く白い3つの一等星で作る大きな三角形を見つけることができます。こと座のベガ(25光年)・わし座のアルタイル(17光年)・はくちょう座のデネブ(2600光年)で作られる「夏の大三角」です。中国から伝わった七夕伝説の「織り姫」と「彦星」は、それぞれベガとアルタイルだと言われています。 その夏の大三角のひとつ、こと座の中には、M57と呼ばれる星雲があります。地球からの2150光年の距離にあり、今から約2000万年前に中心にある星が星の一生を終え、放出されたガスがリング状に広がっていく過程が見えているのです。中心にはこれからガスを放出しきって死んで行くであろう白色わい星も見ることができます。 この種の、小さく円形に広がった星雲のことを、惑星のように見えることから「惑星状星雲」と呼んでいます。このM57は、その中でも比較的明るい星雲で、8cmクラスの望遠鏡でも簡単に見ることができます。50倍くらいからその形をとらえることができるようになり、100倍くらいでタバコの煙のわっかのようなかわいい姿をみることができます。 もうひとつ、M57から少し離れた夏の大三角のほぼまん中、はくちょう座のくちばしにあたるところに、アルビレオという星があります。宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」にも出てくる名前で、肉眼ではひとつの星に見えますが、望遠鏡で見ると2つの色の異なる星が寄り添って、とてもきれいな二重星です。地球から380光年の距離にあって、30万年という長い周期でゆっくりとまわりあっている星です。 このアルビレオのすぐ近くにあるこぎつね座という星座の中にには、2017年8月のこのページで紹介したM27と呼ばれる星雲もあります。 |
|
|
夏の大三角からさらに南の空の低いところに目を移すと、少し西寄りの空にさそり座のアンタレス(620光年)が見えています。さそり座には、アンタレスのすぐ東にある球状星団M4や、2012年7月のページで紹介したさそりのしっぽの毒針の先あたりにあるM6とM7という2つの散開星団があり、いて座にも2014年8月のこのコーナーで紹介したM11やM8など、たくさんの星雲星団があります。 |
|
そして、さそり座の東(左)の同じくらいの高さに、金色に明るく光る星があります。この星が木星です。木星は7月14日に「衝」を迎え、今が最も良く見える時期です。 木星までの距離は光の速さで約40分かかりますが、木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあるため、望遠鏡でも表面の模様が良く見えるます。木星をはじめとした太陽系の天体の大きさが解る図がこちらのページにあります。 木星を望遠鏡で見ると、本体にある縞模様や、まわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見した衛星で、イオ・エウロパ・ガニメデ・カリストという名前が付けられています。木星はその明るさと大きさから大神ゼウスのローマ神話での呼び名ユピテル(Jupiter=英語でジュピター)と呼ばれており、そこをまわる衛星には、ゼウスに仕えていたニンフなどの名前が付けられているのです。 |
デジタルビデオカメラで撮影 |
さらにその木星と並んで少し東には土星も見えてきます。土星も7月21日に「衝」を迎え、今が最も良く見える時期です。土星までの距離は光の速さで約80分かかります。土星を望遠鏡で見ると、右の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。 金星・火星・木星・土星などの惑星たちは、そのまわりの星座の星々と毎日少しずつ位置関係を変えています。その様子を毎日スケッチしていくと、私たちの地球やこれらの惑星が、太陽のまわりをまわっていることが理解できるようになります。15世紀ポーランドの天文学者コペルニクスがはじめて唱えた地動説以後、世界中の天文学者が現在まで宇宙を見つめ続けて、現在も様々な角度から研究が進められています。そして2006年には、冥王星が惑星から除外されました。その太陽系宇宙の変遷をこちらのページにまとめています。 |
|
この夏、木星と土星が見えているのはいて座の方向になります。この方角は私たちの天の川銀河の中心方向にあたるため、明るく太い天の川が見えます。ちょうど今の時期の21時ごろに真南の空に見えてきます。この方角が、私達の天の川銀河の中心の方向になります。私達の地球がある太陽系は、天の川銀河の中心から少し離れたところにあります。このため、中心方向を見ると、たくさんの星が集まっている様子を見ることができるのです。 |
さらに、夜10時ごろになると、東の空からもう一つ赤く鈍く光る星を見つけることができます。この星が火星です。火星は地球のすぐ外側をまわる惑星ですが、約2年2ヶ月ごとに地球に接近します。しかし、接近ごとにその距離が異なります。その理由は、火星の軌道が真円ではなくちょっとゆがんだ楕円をしているためです。 下の図は、その軌道を上から見た図になります。地球軌道と火星軌道が離れている2月ごろに接近するときには小接近になりますが、軌道が接近している8月ごろに接近するときには大接近になるのです。 |
|
2016年から2029年までの地球と火星の接近する位置 地球の軌道を鉛直方向から見た図 2020年10月6日の大接近は大変良い条件になります |
|
||||||||||||||||||||||||||||
2016年から2029年までの地球と火星の接近する日とその距離・大きさのシミュレーション 最遠のときは太陽の向こう側にあるので、地球からはみることができません。 |
今月の火星までの距離は光の速さで約5分で、これから10月6日の大接近に向けて、少しずつ地球に接近してきます。今月と10月6日の火星の見かけの大きさは約1.6倍・明るさにすると約4倍も変わります。是非毎月火星を観察して、その変化をご自身の目で確かめてみてください。 |
2020年の火星の見かけの大きさ(視直径)の変化の様子 右下の数値は地球から火星までの距離 1AU(=Astronomical Unit 天文単位)は地球と太陽の平均距離 |
宇宙から見た2020年の地球と火星の接近の様子 Java scriptの関係で上の図が見られない場合はこちら 緑が地球の軌道・赤が火星の軌道 その内側の水星と金星の動きにも注目してみましょう。 各惑星の大きさはわかりやすいように大きくしてあります。 地球が火星に接近して、離れていく様子がわかりますね。 |
このページで紹介している星雲星団や惑星の様子は、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。 |
●このコーナーより商品をお申し込みの場合、代金のお支払いはクレジットカード・Amazonアカウント・Yahoo!ウォレット・楽天アカウント・代金引換・銀行振込・郵便振替・コンビニ決済(NP後払い)・ショッピングクレジット(分割払い)がお選びいただけます。はじめてご利用の方や、決済方法など詳しいことをお知りになりたい方は、こちらのページをご覧ください。 |
Summer Sale! 2020 プレゼントキャンペーン! |
Summer Sale! 2020期間中(7月1日〜8月31日)に、下記おすすめラインナップ掲載の「スターゲイズおすすめセット」をお求めのすべてのお客様に、望遠鏡にスマートフォンを取り付けて月や惑星の撮影が楽しめる、スマートフォン to スコープアダプタ simpleをプレゼントいたします。 |
惑星や星雲星団の観望に最適な望遠鏡ラインナップ | ||
各マークについての解説はこちら | ||
はじめての星空には、まずは双眼鏡! | ||
はじめての天体観察に最適なお求めやすい双眼鏡。軽量コンパクトで女性やお子様でもお使いいただけます。 | ||
スターゲイズオリジナル FH-842K7C双眼鏡 \8,800 |
||
当社おすすめの入門者向け天体望遠鏡 | ||
持ち運びに便利な小型軽量に主眼を置いた天体望遠鏡。取り扱いの簡単な手動導入経緯台とコンパクトな多機能自動導入経緯台の2種類を選べます | ||
Sky-watcher 90MAK/AZ-PRONTO/AZ-GTi \37,400〜 |
||
初心者の方にも末長くお使いいただけるしっかりした経緯台と、安価で手ごろな価格の鏡筒をセットにした、マニアもおすすめの経緯台式天体望遠鏡! | ||
ビクセン ポルタ"f"(エフ)シリーズ 経緯台式天体望遠鏡 \48,400〜 |
||
入門者向け天体自動導入望遠鏡の決定版!。手軽な価格と天体自動導入の便利さを両立したハイコストパフォーマンスモデル。 | ||
ケンコー Sky Exporer SE-GTシリーズ \50,600〜 |
||
お持ちのスマートフォンやタブレットがコントローラーになる天体自動導入望遠鏡。大口径12.7cmシュミットカセグレン望遠鏡とのセットがお手頃価格で新登場 | ||
セレストロン ASTRO Fi 5-J \93,500 |
||
老舗望遠鏡メーカーが総力を挙げて作り上げた天体自動導入望遠鏡 必要十分な導入・追尾精度を抜群のコストパフォーマンスで実現 | ||
セレストロン Nexstar SE-Jシリーズ \99,000〜 |
||
大口径望遠鏡を持ち運び可能にするドブソニアン式望遠鏡と最新の天体自動導入装置を組み合わせ、誰でも簡単に目標の天体が導入できる次世代の天体望遠鏡! | ||
Sky-watcher Gotoドブソニアンシリーズ
\132,000〜 |
||
もっと遠くの宇宙を見たい もっときれいな写真が撮りたい | ||
写真撮影に最適なドイツ型赤道儀に、高性能な天体自動導入装置をドッキング! 鏡筒を載せ変えて様々な用途に使用できます | ||
セレストロン Advanced VX赤道儀 \187,000〜 |
||
セレストロンの天体自動導入望遠鏡最新モデル 内蔵Wi-Fiでスマートフォンやタブレットから直接望遠鏡をコントロール! 至れり尽くせりのユーザーフレンドリーな望遠鏡 このクラスでいちばんのおすすめ商品! | ||
セレストロン Nexstar Evolution-Jシリーズ \231,000〜 |
||
天文台級の望遠鏡を持ち運びできる大きさに!国際宇宙ステーションにも搭載されている本格派の天体自動導入望遠鏡 | ||
セレストロン CPC-Jシリーズ |
||
Meade天体自動導入ロボットの定番 モーターで目的の天体をどんぴしゃり 大口径で迫力のある像をお楽しみいただけます | ||
Meade LX90シリーズ \406,560〜 |
||
Meadeの天体自動導入ロボット GPS搭載で初期設定までも自動化! 最新自動導入コンピュータオートスター2で抜群の計算能力と導入精度を誇るフラッグシップモデル | ||
Meade LX200シリーズ |
この他にもいろいろな商品をラインナップしています。是非オンラインショッピングをご覧ください。
このコーナーのバックナンバー | |||
2020年夏 6月 7月 | |||
2019年夏 6月 7月 8月 | 2019年秋 9月 10月 11月 | 2019-20年冬 12月 1月 2月 | 2020年春 3月 4月 5月 |
2018年夏 6月 7月 8月 | 2018年秋 9月 10月 11月 | 2018-19年冬 12月 1月 2月 | 2019年春 3月 4月 5月 |
2017年夏 6月 7月 8月 | 2017年秋 9月 10月 11月 | 2017-18年冬 12月 1月 2月 | 2018年春 3月 4月 5月 |
2016年夏 6月 7月 8月 | 2016年秋 9月 10月 11月 | 2016-17年冬 12月 1月 2月 | 2017年春 3月 4月 5月 |
2015年夏 6月 7月 8月 | 2015年秋 9月 10月 11月 | 2015-16年冬 12月 1月 2月 | 2016年春 3月 4月 5月 |
2014年夏 6月 7月 8月 | 2014年秋 9月 10月 11月 | 2014-15年冬 12月 1月 2月 | 2015年春 3月 4月 5月 |
2013年夏 6月 7月 8月 | 2013年秋 9月 10月 11月 | 2013-14年冬 12月 1月 2月 | 2014年春 3月 4月 5月 |
2012年夏 6月 7月 8月 | 2012年秋 9月 10月 11月 | 2012-13年冬 12月 1月 2月 | 2013年春 3月 4月 5月 |
2011年夏 6月 7月 8月 | 2011年秋 9月 10月 11月 | 2011-12年冬 12月 1月 2月 | 2012年春 3月 4月 5月 |
2010年夏 6月 7月 8月 | 2010年秋 9月 10月 11月 | 2010-11年冬 12月 1月 2月 | 2011年春 3月 4月 5月 |
2009年夏 6月 8月 | 2009年秋 9月 10月 11月 | 2009-10年冬 12月 1月 2月 | 2010年春 3月 4月 5月 |
2008年夏 6月 7月 8月 | 2008年秋 9月 10月 11月 | 2008-9年冬 12月 1月 2月 | 2009年春 3月 4月 5月 |
2007年夏 6月 7月 8月 | 2007年秋 9月 10月 11月 | 2007-8年冬 12月 1月 2月 | 2008年春 3月 4月 5月 |
2006年夏 6月 7月 8月 | 2006年秋 9月 10月 11月 | 2006-7年冬 12月 1月 2月 | 2007年春 3月 4月 5月 |
2005年夏 6月 7月 8月 | 2005年秋 9月 10月 11月 | 2005-6年冬 12月 1月 2月 | 2006年春 3月 4月 5月 |
2004年夏 6月 7月 8月 | 2004年秋 9月 10月 11月 | 2004-5年冬 12月 1月 2月 | 2005年春 3月 4月 5月 |
2003年夏 6月 7月 8月 | 2003年秋 9月 10月 11月 | 2003-4年冬 12月 1月 2月 | 2004年春 3月 4月 5月 |
2002年夏 6月 7月 8月 | 2002年秋 9月 10月 11月 12月 | 2003年冬 1月 2月 | 2003年春 3月 4月 5月 |
2002年春 4月 5月 | 2002年冬 2月 3月 | 2002年正月 | 2001年冬 |
2001年秋 10月 11月 | 2001年夏 | 2001年春 | 2001年正月 |