星空案内はこちらのPDFファイルと一緒にお読みください
今年の春はとても暖かく穏やかな日が続き、草花が美しく芽吹く季節になりました。ゴールデンウイークには、山や高原など星空のきれいなところに出かけられる方も多いことでしょう。 |
この季節は、季節風が弱まることや、中国大陸からの黄砂の影響もあり、晴れてもなかなかきれいな星空が見えない日も多いのですが、風向きが変わると空がとても青く、きれいな星空が見られるときがあります。午後9時ごろの星空のようすを見ると、西の空の中ほどには、冬の星座のふたご座のポルックス(52光年)とカストル(32光年)が仲良く輝いています。ふたご座には、2月のこのページで紹介した散開星団M35があります。 ふたご座から目を空の高いところに移すと、おとなしめに輝く春の星座が輝いています。その中でも、北の空の高いところにある北斗七星は、明るい星が並ぶ見つけやすい星の連なりです。北斗七星は星座ではなく、おおぐま座という星座の一部になります。おおぐま座には、3月のこのページで紹で紹介したM81とM82や、昨年4月のこのページで紹介したM97とM108など、小望遠鏡でも楽しめる銀河がたくさんあります。 |
北斗七星は、北極星をさがす目印にもされますし、柄の部分のカーブをそのまま延ばして、春の星の中で最も明るいうしかい座のアークトゥルス(約37光年)・おとめ座のスピカ(約260光年)へと続く春の大曲線の一部としても使われます。 |
りょうけん座の球状星団M3のシミュレーション画像 20cmクラスの望遠鏡で見るとこのように見えます
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その途中、春の大曲線の内側にあるりょうけん座という小さな星座には、M3という球状星団があります。M3は地球から32,300光年の距離にある天の川銀河(私たちの銀河系)の中の天体で、球状星団という名前の通り星がボール状に集まっていて、天の川銀河(私たちの銀河系)の外側を取り巻くように存在する天体です。その構造や成り立ちなど、いまだに謎の多い天体のひとつです。 また、りょうけん座にはこのM3の他に2019年5月のこのページで紹介したM51やM63といった銀河もたくさんあります。 これまで、銀河や星雲や星団の名前に「M」の文字がついた天体をいくつか紹介してきましたが、これは、18世紀のフランスの天文学者シャルル・メシエが作った星雲星団のリストです。彗星の番人と呼ばれたメシエは、彗星と間違えやすい星雲や星団をあらかじめリストアップして、彗星探索をしやすくしようとしました。メシエ天体は全部110個あり、これらは18世紀の望遠鏡でも見ることができたことからもわかるように、現在の小望遠鏡でも容易に見ることができる天体ばかりです。 しかし、そうは言っても肉眼では見ることができない天体ですから、望遠鏡の視野に入れるのはとても難しいものです。でも、最新の天体自動導入望遠鏡なら、スマートフォンやタブレットの画面の星図からタップするだけで見つけることができます。 |
北斗七星の南には、春の夜空では数少ない一等星、しし座のレグルスがあります。しし座というと、11月のしし座流星群で有名ですが、実際に宵の空に見えるのは春の季節になります。しし座には、先月のこのページで紹介したM65・66があります。また、そのしし座とふたご座の間には、3月のこのページで紹介したかに座の散開星団M44プレセペがあります。 |
この時期になると、夜半前にはもう夏の星座が顔を出してきます。東の空の中ほどには、明るく輝く白い3つの一等星で作る大きな三角形を見つけることができます。こと座のベガ(25光年)・わし座のアルタイル(17光年)・はくちょう座のデネブ(2600光年)で作られる「夏の大三角」です。中国から伝わった七夕伝説の「織り姫」と「彦星」は、それぞれベガとアルタイルだと言われています。こと座の中には、2023年8月のこのページで紹介したM57があります。また、夏の大三角のほぼまん中、はくちょう座のくちばしにあたるところには、2023年8月のこのページで紹介したアルビレオという星があります。そのアルビレオのすぐ近くには2022年8月のこのページで紹介したM27と呼ばれる星雲や、2023年9月のこのページで紹介した球状星団M71もあります。さらに、ベガよりさらに高い空には、2022年7月のこのページで紹介したヘルクレス座の球状星団M13も見えています。 |
夏の天の川 25mmF1.8レンズ マイクロフォーサーズミラーレスカメラ 8秒露出 長野県野辺山高原にて撮影 |
さらに夜が更けて2時ごろになると、東の空から土星が昇ってきます。さらに3時ごろにはその下から火星も昇ってきます。 |
セレストロン ASTRO Fi 5-Jに MZT824RF ズームアイピースと スマートフォン to スコープアダプタ simpleで スマートフォンのカメラを取り付けて撮影した土星 2023年9月28日撮影 |
セレストロン CPC1100-Jで見た火星 マイクロフォーサーズミラーレスカメラで撮影 |
このページで紹介している星雲星団や惑星の様子は、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。 |
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