タイトル画像および背景画像:マーズオービターカメラ(MOC)システムで撮影した火星
Image from (C)NASA
星空案内はこちらのPDFファイルと一緒にお読みください
あけましておめでとうございます!。旧年中は当社HomePageをたくさんの方々にご覧いただき、ありがとうございました。今年も皆さんに夜空を楽しんでいただけるよう、楽しいコンテンツ作りをしていきたいと思っております。今後ともよろしくお願い致します。 |
この冬の宵空では、太陽が沈んだ後の西の空の高いところに、宵の明星の金星が見えています。今月の金星までの距離は光の速さで約6分で、昨年8月に太陽の向こう側を周ってから少しずつ地球に接近してきているところです。このあと今年の3月ごろまで、宵の明星として見ることができます。 |
天体望遠鏡で見た昼間の金星 Nexstar Evolution 6-J MZT824RF ズームアイピース使用 マイクロフォーサーズミラーレスカメラ |
その金星より少し高い空に、ぽつんと黄色っぽく輝く星が見えます。この星が土星です。土星までの距離は光の速さで約80分かかります。土星を望遠鏡で見ると、右の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。 この輪は、土星の直径(約116,000km)に対してわずか20mの厚さしかない円盤のため、地球からの見掛け上真横になったときと太陽に対して真横になったときには、見かけ上輪が消えたように見える現象が起こります。 土星は太陽の周りを約30年かけて公転しているので、その現象は約15年おきに起こり、今年3月24日と5月7日にその現象が見られます。是非、天体望遠鏡で輪の細くなった土星をご自身の目で確かめてみてください。 |
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その金星や土星が西の空に沈み、夜が暮れてくる午後9時ごろの星空のようすを見ると、西から南の空には、まだ秋の星座たちが見えています。西の空のやや低いところに見えるのは、天馬ペガススの姿です。ペガススの四辺形は、おとなしめな秋の星たちの中では比較的わかりやすい星の並びです。 そのベガスス四辺形の北東から、明るい星が4つ、やや広い間隔で並んでいるのを見つけることができます。この付近がアンドロメダ座です。ペガススの四辺形とアンドロメダ座との接点の星は「アルフェラッツ」という星で、アラビア語で「馬の中心」という意味があります。星座絵に描かれた天馬ペガススの、ちょうどおなかの部分にあたる星なのです。アンドロメダ座には、昨年11月のこのページで紹介したアンドロメダ大銀河M31やNGC891・2022年10月のこのページで紹介した二重星アルマク・2008年10月のこのページNGC752など、双眼鏡や望遠鏡で見て楽しい天体がたくさんあります。 |
アンドロメダ座の北側には小学校の教科書にも載っているカシオペヤ座があります。アンドロメダは、ギリシャ神話のカシオペヤの娘で、父はカシオペヤの西となりにいるケフェウス・夫となったのが東隣のペルセウス・・・という具合に、この季節の星座たちはひとつの神話でつながっています。もし興味のある方は、図書館やインターネットで調べてみてはいかがでしょう。 そのペルセウス座とカシオペヤ座の中間付近を見ると、空のきれいなところであれ、ば天の川の中に肉眼でもなにやらぼーっとした光のしみのようなものを見つけることができます。これが先月のこのページで紹介した二重星団です。 |
さて、こんどはアンドロメダ座から空の高いところへ目を向けると、天頂付近に今月の宵空で最も目立って金色に輝く星が見えます。この星は木星です。木星までの距離は、光の速さで約40分かかりますが、太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあるため、望遠鏡でも表面の模様が良く見えるます。木星をはじめとした太陽系の天体の大きさが解る図がこちらのページにあります。 |
MZT824RF ズームアイピース使用 マイクロフォーサーズミラーレスカメラ |
その木星から東の空に目を向けると、明るい星が多い冬の星座が見えています。木星の左下に赤っぽく輝くのはおうし座のアルデバラン(65光年)です。この付近は、ヒアデス星団という散開星団Mel25の一部で、この付近を双眼鏡で見てみると、40個程度の星が広く散らばっているのを見ることができます。さらに、アルデバランやヒアデス星団よりもう少し空の高いところに、都会の明るい空でも肉眼でも数個の星がごちゃごちゃっと集まっているのを見ることができます。これがが先月のこのページで紹介した「すばる」ことプレアデス星団M45です。そして、木星やおうし座の北(右)よりには、ぎょしゃ座のカペラ(42光年)が輝いています。ぎょしゃ座には、昨年1月のこのページで紹介したM36・M37・M38の3つの散開星団があります。 ぎょしゃ座やおうし座の南には、冬の星座の王者オリオン座のベテルギウス(約600光年)と全天で最も明るい恒星のシリウス(8.7光年)のあるおおいぬ座・そしてこいぬ座のプロキオン(11.2光年)を結ぶ冬の大三角が見えています。おおいぬ座には、2014年の2月のこのページで紹介した散開星団M41があります。さらにその南には、昨年2月のこのページで紹介したカノープス(310光年)も見えているはずです。 |
オリオン座大星雲M42・M43 セレストロンCPC1100-J + HyperStar APS-Cミラーレスデジカメ 露出30秒 富士山須走口五合目にて撮影 |
その冬の大三角の一端を担うオリオン座には、ベテルギウスのほかにもう一つの一等星リゲル(約900光年)と、オリオンのベルトにある3つの二等星が目立って見えますが、そのベルトの下のところに、少し空のきれいなところだと、肉眼でも3つの4等星が縦に並んでいるのを見ることができます。 ここに双眼鏡や望遠鏡を向けると、オリオン座大星雲M42・M43を見つけることができます。私たちの太陽系から約1300〜1600光年の距離にある分子雲の一部が輝いている領域で、その中の活発な部分が、新しい星を生み出していると考えられています。 双眼鏡で見てみると、肉眼で見えていた3つの星が複数の星の集まりとしてみることができ、その中央に星雲を見つけることかできます。 8cmクラスの望遠鏡で見ると、星雲の中心に4つの星が台形に並んでいるのが見えます。この星は「トラぺジウム」(ラテン語で台形の意味)と呼ばれていて、この領域には、まだ輝きだしていない新しい星が、分子雲の向こう側に隠されていると考えられています。 空の暗い場所で20cmクラスの望遠鏡で見てみると、濃淡の付いた星雲が、鳥が羽を広げたようなたいへん美しい姿を見ることができます。 さらに、望遠鏡にデジカメを取り付けて数十秒くらい露出して撮影すると、左の写真のように赤や青に彩られた星雲が写り、たいへん美しい姿を見ることができます。 |
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冬の大三角の北の空には、ふたご座のポルックス(52光年)とカストル(32光年)も見えてきています。ふたご座には、2月のこのページで紹介した散開星団M35があります。 そのポルックスとカストルと並んで、不気味に赤く輝く星があります。この星が火星です。火星は、1月12日に地球に最接近します。この時の火星までの距離は光の速さで約6分です。是非この機会に火星を観察して、日に日に大きくなる火星の様子をご自身の目で確かめてみてください。 |
セレストロン CPC1100-J撮影した火星 MZT824RF ズームアイピース使用 マイクロフォーサーズミラーレスカメラ |
金星・火星・木星・土星などの惑星たちは、そのまわりの星座の星々と毎日少しずつ位置関係を変えています。その様子を毎日スケッチしていくと、私たちの地球やこれらの惑星が、太陽のまわりをまわっていることが理解できるようになります。15世紀ポーランドの天文学者コペルニクスがはじめて唱えた地動説以後、世界中の天文学者が現在まで宇宙を見つめ続けて、現在も様々な角度から研究が進められています。そして2006年には、冥王星が惑星から除外されました。その太陽系宇宙の変遷をこちらのページにまとめています。 このページで紹介している星雲星団や惑星の様子は、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。 |
●今年の天文現象をちょっとご紹介● 今年の天文現象から、特に注目したい現象を3つご紹介します。 |
★1月12日(日) 火星が最接近 地球と火星の接近は約2年2か月ずつ起こりますが、冬に接近するときは空の高いところに見られるので、大気の影響を受けにくく、表面の模様も良く見えます。 |
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右写真:2020年10月6日の火星
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★2月10日(月)未明 火星食 地球に接近中の火星が月に隠される現象が、2月10日(月)の未明に北海道・北東北・能登半島・中国・四国・九州の一部で見られます。食にならない地域でも、水平線近くで月と見かけ上大接近する火星が見られます。 |
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右写真:2022年7月21日の火星食
(クリックするとその時の様子を見ることができます) |
★9月8日(月)未明 皆既月食 2025年は世界的に見ると2回の月食があり、1回目の3月14日は、北日本〜東日本で月が欠けたまま東の空から昇ってくる様子が見られます。また、9月8日(月)未明には、3年ぶりとなる皆既月食が全国で見られます。 |
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右写真:2022年11月8日の皆既月食 (クリックするとその時の様子を見ることができます) |
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