早くも1月が過ぎてしまいましたね。この冬は全国的に寒さが厳しく、特に日本海側や北東北・北海道では雪害も多く発生しています。一方で、冬型の気圧配置が強くなると、関東や太平洋側では空気が乾燥し透明度の良い夜空に、冬の美しい星たちが輝く季節です。午後9時ごろの星空のようすを見ると、北西の空にはW字型の星が連なるカシオペヤ座が見えています。カシオペヤ座からもう少し空の高いところに、漢字の「人」という字を横にしたように星が連なるペルセウス座があります。この、ペルセウス座とカシオペヤ座の中間付近には昨年12月のこのページでも紹介している二重星団と呼ばれるこの星の集まりがあります。
さらに天頂から南の空に目を転じると、明るい星が多くとてもにぎやかな冬の星座たちを見ることができます。今年の冬の夜空には、天頂近くの高いところに、周りのどの星より明るく金色に輝く星が見えます。この星が木星です。木星は昨年12月3日に「衝」を迎え、今が最も良く見える時期です。木星までの距離は光の速さで約40分かかりますが、木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあるため、望遠鏡でも表面の模様が良く見えるます。木星をはじめとした太陽系の天体の大きさが解る図がこちらのページにあります。
木星を望遠鏡で見ると、本体にある縞模様や、まわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見した衛星で、イオ・エウロパ・ガニメデ・カリストという名前が付けられています。木星はその明るさと大きさから大神ゼウスのローマ神話での呼び名ユピテル(Jupiter=英語でジュピター)と呼ばれており、そこをまわる衛星には、ゼウスに仕えていたニンフなどの名前が付けられているのです。
今年、木星が見えているのはおうし座になります。木星のすぐ下にオレンジ色に輝くのが、おうし座の一等星アルデバラン(65光年)です。この付近は、ヒアデス星団という散開星団Mel25の一部で、この付近を双眼鏡で見てみると、40個程度の星が広く散らばっているのを見ることができます。一方、もう少し空の高いところに見える数個の星がごちゃごちゃっと集まって見えるところが、昨年12月のこのページでも紹介した「すばる」ことプレアデス星団M45です。
そして、おうし座の北に黄色っぽく光る1等星が、ぎょしゃ座のカペラ(41光年)です。ぎょしゃ座には先月のこのページで紹介したM36・37・38の3つの散開星団があります。
50倍くらいの望遠鏡で見たM35
Meade オートスターでの導入方法
双眼鏡や天体自動導入機の無い望遠鏡での見つけ方はこちらのページ
一方、南の空には冬の星座の代表冬の星座の王者オリオン座のベテルギウス(310光年)・全天で最も明るい恒星のシリウス(8.7光年)のあるおおいぬ座・そしてこいぬ座のプロキオン(11.2光年)が冬の大三角を形作っています。おおいぬ座には、2004年の1月のこのページで紹介した散開星団M41があります。さらにその南には、2011年1月のこのページで紹介したカノープス(310光年)も見えているはずです。
冬の大三角の北には、ふたご座のポルックス(52光年)とカストル(32光年)も見えてきています。このふたごは、ギリシャ神話では大神ゼウスとスパルタ王妃レダとの間に生まれた双子の兄弟と言われています。
そのふたご座のお兄さんのカストルの足もとに、M35という散開星団があります。地球からの距離は2570光年と比較的遠い星団ですが、いろいろな明るさの星がたくさん集まって、双眼鏡でもでも、とてもきれいに見える星団です。
さらに夜半を過ぎると、空にはもう春の星座も見えるようになります。冬の星座と比較すると明るい星が少ない春の星座ですが、夜半前、真東の水平線から青白く光るおとめ座のスピカ(約260光年)が昇ってきたあと、もうひとつ黄色く光る明るい星が見えてきます。この星が土星です。土星までの距離は光の速さで約80分かかります。土星を望遠鏡で見ると、右の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。
土星は4月29日に「衝」(太陽−地球−土星が一直線に並ぶ)を迎え、これからの季節が最も良く見える時期です。土星を望遠鏡で見ると、右の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。
このページで紹介している星雲星団や惑星の様子は、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。
20cmクラスの望遠鏡で見た土星 デジタルカメラで撮影
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