星空案内はこちらのページと一緒にお読みください

 今日から10月。はじめのうちは暑かった9月も、台風が暑気払いをしてくれて、ここ数日で朝晩の冷え込みが強まり、一気に秋の気配になりました。

 当社の事務所は今年3月に現在の埼玉県日高市に移転してきましたが、この付近は秋の味覚の栗の名産地でもあります。事務所の周囲にも栗畑がたくさんあり、そろそろいがの中から栗の実が顔を覗かせ始めています。


はくちょう座β星アルビレオのシミュレーション画像
50倍くらいで見るとこのように見えます
色の対比のとてもきれいな二重星です

Meade オートスターでの導入方法

Object→Star→Named Star→
下部のスクロールキーで「ALBIREO」を選択
一般の望遠鏡での導入方法はこちら

 その自然の恵みをもたらしてくれる太陽も、秋分を過ぎて日に日に日の入りが早くなり、夕焼けも美しい季節になりましたね。夕焼けが消え、空がすっかり暗くなった午後9時ごろの星空のようすを見ると、西の空の高いところには、明るく輝く白い3つの一等星で作る大きな三角形を見つけることができます。こと座ベガ(25光年)・わし座のアルタイル(17光年)・はくちょう座デネブ(1500光年)で作られる「夏の大三角」です。中国から伝わった七夕伝説の「織り姫」「彦星」は、それぞれベガとアルタイルだと言われています。

 その夏の大三角のほぼまん中、はくちょう座のくちばしにあたるところに、アルビレオという星があります。宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」にも出てくる名前で、肉眼ではひとつの星に見えますが、望遠鏡で見ると2つの色の異なる星が寄り添って、とてもきれいな二重星です。地球から380光年の距離にあって、30万年という長い周期でゆっくりとまわりあっている星です。

 そしてもうひとつ、このアルビレオのすぐ近くにあるこぎつね座という星座の中には、M27と呼ばれる星雲があります。地球からの980光年の距離にあり、中心にある星が星の一生を終え、放出されたガスが広がっていく過程が見えているのです。中心にはこれからガスを放出しきって死んで行くであろう白色わい星も見ることができます。

 この種の、小さく円形に広がった星雲のことを、惑星のように見えることから「惑星状星雲」と呼んでいます。2009年9月のこのコーナーで紹介したM57もこの仲間で、その中でもM27やM57は比較的明るい星雲で、8cmクラスの望遠鏡でも簡単に見ることができます。

 はくちょう座付近には、このほかにも昨年10月のこのコーナーで紹介したM39や、や座の球状星団M71など、小望遠鏡で見つけられる星雲星団がたくさんあります。是非ご自分の目ではるか宇宙からの光を確かめてみてください。

 一方、西の空の夏の星座たちにくらべて、少しおとなしめに輝くのが、天頂から東の空に見える秋の星座たちです。「馬肥ゆる秋」のごとく、天頂付近に見えているのは、天馬ペガススの姿です。ペガススの四辺形は、おとなしめな秋の星たちの中では比較的わかりやすい星の並びです。ペガスス座には、昨年10月のこのページで紹介した球状星団M15があります。

20cmクラスの望遠鏡の100倍くらいで見た
こぎつね座M27のシミュレーション図

Meade オートスターでの導入方法

Object→Deepsky→Messier→
「27」をキーパッドから入力
一般の望遠鏡での導入方法はこちら

 そのペガスス座より低い南東の空に、周りのどの星より明るく金色に輝く星が木星です。木星までの距離は光の速さで約40分かかりますが、木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあるため、望遠鏡でも表面の模様が良く見えるます。木星をはじめとした太陽系の天体の大きさが解る図がこちらのページにあります。

 木星を望遠鏡で見ると、本体にある縞模様や、まわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見した衛星で、イオエウロパガニメデカリストという名前が付けられています。木星はその明るさと大きさから大神ゼウスのローマ神話での呼び名ユピテル(Jupiter=英語でジュピター)と呼ばれており、そこをまわる衛星には、ゼウスに仕えていたニンフなどの名前が付けられているのです。

Meade LX200-25で見た木星
デジタルビデオカメラで撮影

 そして夜半ごろになると、冬の星座の王者オリオン座ベテルギウス(600光年)が東の空から昇ってきます。その少し北にはふたご座ポルックス(52光年)とカストル(32光年)があり、そのすぐ側に、少し暗めに不気味に赤く光る星が火星です。今月の火星までの距離は、光の早さで約15分で、2月に地球から一番遠ざかったあと、再来年1月の小接近に向けてゆっくりと近づいてきています。

 このように、惑星たちはそのまわりの星座の星々と毎日少しずつ位置関係を変えています。その様子を毎日スケッチしていくと、私たちの地球やこれらの惑星が、太陽のまわりをまわっていることが理解できるようになります。15世紀ポーランドの天文学者コペルニクスがはじめて唱えた地動説以後、世界中の天文学者が現在まで宇宙を見つめ続けて、現在も様々な角度から研究が進められています。そして2006年には、冥王星が惑星から除外されました。その太陽系宇宙の変遷をこちらのページにまとめています。


Meade LX200-25で撮影した火星
 このページで紹介している星雲星団や木星のしま模様・土星の輪は、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。

●このコーナーより商品をお申し込みの場合、代金のお支払いはクレジットカードでの決済または代金引換・銀行振込・郵便振替・コンビニ決済(NP後払い)がお選びいただけます。はじめてご利用の方や、決済方法など詳しいことをお知りになりたい方は、こちらのページをご覧ください。

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各マークについての解説はこちら

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