星空案内はこちらのページと一緒にお読みください

 いよいよ今日から6月です。今年も半分が終わろうとしていますね。4月から新しい環境になった新人の方々も、そろそろ学校や仕事にも慣れてきた頃ではないでしょうか?。

 当社では、毎年夏と冬にスターライトキャラバンというイベント開催し、天体望遠鏡を持って全国各地にお伺いし、現地の皆さんに星空を楽しんでいただく企画を行っております。最近、観望会の会場で皆さんとお話しをしていると、以前は「この望遠鏡は何倍ですか?」とか「口径は何cm?」というようなスペックを聞かれることが多かったのですが、最近は「この望遠鏡では何光年くらいの星まで見えるのですか?」と聞かれることがあります。

 宇宙を立体的なものとして捉えるためには、天体までの「距離」という感覚を持つことは非常に重要です。最近は観望会で説明するときにも、もちろんこのページでも、天体までの距離を示すようにしています。私たちに一番近い星である月までの距離は光の速さで約1.5秒ですが、スターライトキャラバンで持ち出しているMeade LX90-30の場合、目で見ることができる天体はだいたい5000万光年くらいのまでです。この距離感だけでもすでに想像を越えるものですが、そのはるかかなたまで、宇宙は広がっているわけです。プラネタリウムのようにペタっと貼られた2次元の宇宙感ではなく、是非遠近感を感じながら宇宙を眺めてみてください。私たち地球上の人間のあるべき姿が、きっと見えてくると思いますよ。

 そんな広い宇宙の天体の中でも比較的近いところにある太陽系の星たちは、望遠鏡を使わなくても肉眼で見ることができます。6月10日ごろの午後9時の星空のようすを見ると、空の中ほどにと不気味に赤く光る星が見えるはずです。これが火星です。今月の火星までの距離は、光の早さで約16分です。火星は地球のすぐ外側をまわる惑星ですが、2003年8月の大接近のことは記憶にある方も多いのではないでしょうか。火星は去年12月19日に再び地球に接近をし、現在少しずつ遠ざかっています。火星は私達の地球と良く似た惑星として、近年探査機が頻繁に向かっている注目の惑星です。いつか人類が立つかもしれない火星の様子を、いち早く自分の目で確かめてみませんか?。 

 さらに目を空の高いところに向けると、春の星座が輝いています。冬の星座と比較すると明るい星が少ない春の星座ですが、今年は空の高いところに明るい星が一つ光っています。ふたご座から東に少し目を向けたところに黄色く光る明るい星が土星です。土星までの距離は光の速さで約80分かかります。土星を望遠鏡で見ると、右の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。

Meade LX200-25で撮影した火星

Meade オートスターでの導入方法

タイヨウケイ→カセイを選択

 土星のすぐ西におとなしく光っている白い星は、春の夜空では数少ない一等星、しし座レグルス(72光年)です。しし座というと、11月のしし座流星群で有名ですが、実際に宵の空に見えるのは春の季節になります。しし座をはじめとした春の星座は、「銀河ののぞき窓」とも言われるとおり、銀河系の外側のはるかかなたにある銀河が、数多く見られるところでもあります。2005年5月のこのページでも、M65・M66というふたつの銀河を紹介しています。

 しし座から今度は目を北の空に向けると、高いところに北斗七星が見えています。北斗七星はおおぐま座という星座の一部です。おおぐま座には、2002年の4月のこのページで紹介したM81・M82をはじめとして、小望遠鏡でも見ることができる銀河がたくさんあります。是非宇宙を延々と旅してきた星たちの光をあなたの目で確かめてみてください。

 北斗七星は、北極星をさがす目印にもされますし、また、柄の部分のカーブをそのまま延ばして、うしかい座アークトゥルス(34光年)・おとめ座スピカ(220光年)へと続く春の大曲線の一部としても使われます。その途中、春の大曲線の内側にあるりょうけん座という小さな星座には、2005年5月のこのページで紹介したM3という球状星団があります。

20cmクラスの望遠鏡で見た土星
デジタルカメラで撮影

Meade オートスターでの導入方法

タイヨウケイ→ドセイを選択


ヘルクレス座の球状星団M13のシミュレーション画像
20cmクラスの望遠鏡で見るとこのように見えます
7cmクラスの望遠鏡では、ぼーっとした光のしみのように見えます

Meade オートスターでの導入方法

テンタイ→セイウン/セイダン→メシエテンタイ→
「13」をキーパッドから入力

一般の赤道儀式での導入方法はこちら

 一方、東の空にはとーもう夏の星座が見えています。空の中ほどに、明るく輝く白い3つの一等星で作る大きな三角形を見つけることができます。こと座ベガ・わし座のアルタイルはくちょう座デネブで作られる「夏の大三角」です。中国から伝わった七夕伝説の「織り姫」「彦星」は、それぞれベガとアルタイルだと言われています。また、南の空にはさそり座の姿も見えています。

 その夏の大三角やさそり座よりずっと空の高いところに、3等星でできたアルファベットの「H」の形の星の連なりを見つけることができます。これがヘルクレス座で、この中にはM13と呼ばれる球状星団があります。地球から23,500光年の距離にある天の川銀河(私たちの銀河系)の中の天体で、球状星団という名前の通り星がボール状に集まったもので、年老いた星がお互いのエネルギーをもとめて集まってきている様子と考えられています。天の川銀河の外側を取り巻くように存在する天体で、いまだに謎の多い天体のひとつです。

 さらに時間が進み午後10時ごろには、南東の空から金色に輝く明るい星が昇ってくるのが見えます。この春の空で最も目だって見える木星です。木星は7月9日に「衝」(太陽−地球−木星が一直線に並ぶ)を迎え、今が最も良く見える時期です。木星までの距離は光の速さで約40分かかりますが、木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあるため、望遠鏡でも表面の模様が良く見えるます。木星をはじめとした太陽系の天体の大きさが解る図がこちらのページにあります。

 木星を望遠鏡で見ると、本体にある縞模様や、まわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見した衛星で、イオエウロパガニメデカリストという名前が付けられています。木星はその明るさと大きさから大神ゼウスのローマ神話での呼び名ユピテル(Jupiter=英語でジュピター)と呼ばれており、そこをまわる衛星には、ゼウスに仕えていたニンフなどの名前が付けられているのです。

 木星の縞模様や土星の輪は、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。

Meade LX200-25で見た木星
デジタルビデオカメラで撮影

Meade オートスターでの導入方法

タイヨウケイ→モクセイを選択

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