星空案内はこちらのページと一緒にお読みください

 あけましておめでとうございます!。旧年中は当社HomePageをたくさんの方々にご覧いただき、ありがとうございました。今年も皆さんに夜空を楽しんでいただけるよう、楽しいコンテンツ作りをしていきたいと思っております。今後ともよろしくお願い致します。

 もともと冬の宵空には明るい星が多い時期なのですが、????今年の宵空には、さらに2つの明るい星が見えています。そのうちのひとつ、太陽が西の空に沈んですぐ、夕焼け空の低いところにひとつの明るい星が見えてきます。この星が宵の明星金星です。金星を天体望遠鏡で見てみると、左の写真のように月のように欠けている様子がわかります。
 金星のように、地球より内側をまわる惑星のことを内惑星といいます。内惑星は、地球と太陽との位置関係により、見かけの大きさと明るさが変化します。その様子はこちらのページで解説しています。
 金星は、昨年10月24日に外合(地球から見て太陽の向こう側を通過する)を過ぎたところで、今年前半は夕焼け空の中で少しずつ地球に近づいてきます。今月の金星までの距離は、光の早さで約13分で、金星は日に日に空の高いところに見られるようになります。

 そして、今月中旬に是非注目していただきたいのが、太陽系の惑星で最も内側を公転している水星です。水星は、地球からの距離が近いため、見つけやすい天体だと思われがちですが、太陽にも近いため明け方か夕方の限られた時間にしか見ることができず、天文マニアや研究者でも、実は実際に眼で見たことはないという方がけっこういらっしゃいます(笑)。  今月中旬、金星を追いかけるようにその水星も西の空に現れ、1月11日には地球からの見かけ上大接近するため、水星を見つけるチャンスになります。右の画像は1月の東京での17:30ごろの西の空の様子のシミュレーション画像(大阪では約20分後・福岡では約40分後)です。月初めには西の空の低いところに見えている金星が、日に日に高度を上げていくのと同時に、それを追いかけるように水星も高いところに見えるようになります。11日ごろには、水星も-0.7等程度とかなり明るくなります。西の空に見える金星を目印に探せば、簡単に見つけることができるはずです。天体望遠鏡で100倍以上にすれば、月のように欠けた水星の姿も見られるはずです。この機会に、是非水星を探してみてください。

 さらに、その金星や水星より少し高い空には、鈍く赤い光で不気味な存在感に輝く火星も見えています。火星は地球のすぐ外側をまわる惑星ですが、2003年8月の大接近のことは記憶にある方も多いのではないでしょうか。現在、火星までの距離は光の早さで約17分で、昨年4月15日に再接近で地球が追い抜いた後、どんどん遠ざかっています。今回の接近は2003年ほどの大接近にはなりませんでしたが、火星は私達の地球と良く似た惑星として、近年探査機が頻繁に向かっている注目の惑星です。いつか人類が立つかもしれない火星の様子を、いち早く自分の目確かめてみませんか?。

●2003年の6月7月8月9月のこのコーナーでは、火星についてより詳しくコメントしています。興味のある方は是非ご覧ください。

Meade LX200-25で撮影した火星

 その火星が西の空に沈んだ午後9時ごろの星空のようすを見ると、西の空には少しおとなしめに輝く秋の星座たちがまだ見えています。比較的明るい星が少ない秋の星座ですが、空の中ほどに見える4つの2等星で作られる秋の四辺形は、天馬ペガススのおなかにあたる場所にあります。ペガススの四辺形は、おとなしめな秋の星たちの中では比較的わかりやすい星の並びです。そのペガススの四辺形の北東の辺から、明るい星が4つ、やや広い間隔で並んでいるのを見つけることができます。この付近がアンドロメダ座です。ペガススの四辺形とアンドロメダ座との接点の星は「アルフェラッツ」という星で、アラビア語で「馬の中心」という意味があります。星座絵に描かれた天馬ペガススの、ちょうどおなかの部分にあたる星なのです。アンドロメダ座には、2012年11月のこのページで紹介した有名なアンドロメダ大銀河2008年10月のこのページで紹介した散開星団NGC752などがあります。また、このアンドロメダ座の2等星の並びのいちばん先端、ペルセウス座に近いところに輝く2等星アルマクは、2006年11月のこのページでも紹介したとても美しい二重星として知られています。


40倍くらいでみたペルセウス座二重星団の
シミュレーション画像
まさに「宝石箱」です


一眼レフデジタルカメラで撮影した秋〜冬の星雲星団
APS-C一眼レフ+20mm F1.8レンズ→F2.5使用 1分露出
長野県野辺山高原にて撮影 
nano tracker使用

 そのアンドロメダ座の北側には小学校の教科書にも載っているカシオペヤ座があります。アンドロメダは、ギリシャ神話のカシオペヤの娘で、父はカシオペヤの西となりにいるケフェウス・夫となったのが東隣のペルセウス・・・という具合に、この季節の星座たちはひとつの神話でつながっています。もし興味のある方は、図書館やインターネットで調べてみてはいかがでしょう。

 そのペルセウス座とカシオペヤ座の中間付近を見ると、空のきれいなところであれ、ば天の川の中に肉眼でもなにやらぼーっとした光のしみのようなものを見つけることができます。これが二重星団です。地球から7600 光年にある2つの星団で、低倍率の望遠鏡や双眼鏡見ると、天の川のたくさんの星の中に見える様子は感動的です。

 この付近は天の川の中にあるので、双眼鏡や望遠鏡で見てみると、これ以外にもたくさんの星雲星団を見ることができます。左の写真は、その秋の天の川を撮影したものです。上の方を横に流れているのが天の川で、たくさんの星や星雲星団の中に、暗黒星雲が複雑に入り組んでいる様子も見ることができます。双眼鏡でこの付近を見ると、無数の星たちが輝いている様子を見ることができます。

 さらに天頂から南の空に目を転じると、明るい星が多くとてもにぎやかな冬の星座たちを見ることができます。北よりの高いところに見えるのがぎょしゃ座カペラ(42光年)です。ぎょしゃ座には2003年1月のこのページで紹介したM36・37・38の3つの散開星団があります。

 ぎょしゃ座の南にはおうし座があります。おうし座の一等星アルデバラン(65光年)の付近は、ヒアデス星団という散開星団Mel25の一部で、この付近を双眼鏡で見てみると、40個程度の星が広く散らばっているのを見ることができます。一方、もう少し空の高いところに見える数個の星がごちゃごちゃっと集まって見えるところが「すばる」ことプレアデス星団M45です。双眼鏡で見てみると、いろいろな明るさの100個くらいの星が群れを成しているのがわかります。

 すばるやヒアデス星団より少し低いところには、冬の星座の代表冬の星座の王者オリオン座ベテルギウス(310光年)・全天で最も明るい恒星のシリウス(8.7光年)のあるおおいぬ座・そしてこいぬ座プロキオン(11.2光年)が冬の大三角を形作っています。おおいぬ座には、2004年の1月のこのページで紹介した散開星団M41があります。さらにその南には、2012年1月のこのページで紹介したカノープス(310光年)も見えているはずです。

 その冬の大三角より少し低い東の空には、ふたご座ポルックス(52光年)とカストル(32光年)も見えてきています。ふたご座には、2014年1月のこのページで紹介した散開星団M35があります。

 そしてこの冬、明るい冬の星座の星たちよりもさらに目だって見えているのが、ふたご座の下に金色に輝く木星です。木星は2月7日に「衝」を迎え、今が最も良く見える時期です。木星までの距離は光の速さで約40分かかりますが、木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあるため、望遠鏡でも表面の模様が良く見えるます。木星をはじめとした太陽系の天体の大きさが解る図がこちらのページにあります。

 木星を望遠鏡で見ると、本体にある縞模様や、まわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見した衛星で、イオエウロパガニメデカリストという名前が付けられています。木星はその明るさと大きさから大神ゼウスのローマ神話での呼び名ユピテル(Jupiter=英語でジュピター)と呼ばれており、そこをまわる衛星には、ゼウスに仕えていたニンフなどの名前が付けられているのです。

Meade LX200-25で見た木星
デジタルビデオカメラで撮影

 一方、明け方太陽が昇る前の南東の空には土星が見えます。土星までの距離は光の速さで約80分かかります。土星を望遠鏡で見ると、右の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。

 水星や金星・火星・木星・土星などの惑星たちは、そのまわりの星座の星々と毎日少しずつ位置関係を変えています。その様子を毎日スケッチしていくと、私たちの地球やこれらの惑星が、太陽のまわりをまわっていることが理解できるようになります。15世紀ポーランドの天文学者コペルニクスがはじめて唱えた地動説以後、世界中の天文学者が現在まで宇宙を見つめ続けて、現在も様々な角度から研究が進められています。そして2006年には、冥王星が惑星から除外されました。その太陽系宇宙の変遷をこちらのページにまとめています。


20cmクラスの望遠鏡で見た土星
デジタルカメラで撮影

 このページで紹介している星雲星団や惑星の様子は、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。

今年の天文現象をちょっとご紹介

今年も楽しみな天文現象が盛りだくさんです!。
その中から、特に注目したい現象を3つご紹介します。

★4月4日(土)宵 半年ぶりの皆既月食

 2015年に日本から見られる月食は、4月4日の皆既月食の1回だけです。土曜日の夜の早いうちにおこる現象なので、多くの方にお楽しみいただけると思います。

右写真:2011年12月10日の月食
(クリックするとその時の様子を見ることができます)

★6月下旬〜7月上旬 夕方の西の空で木星と金星のランデブー

 今年の金星は、年明けから宵の明星として太陽が沈んだ後の西の空に見え、地球を追いかけるように接近してきて、8月14日に地球の内側を通過して9月ごろから明けの明星として見えるようになります。

 地球にどんどん接近してくる6〜7月にかけては、特に明るく見ることができますが、7月1日には、地球からの見かけ上その向こう側にある木星と大接近します。この前後10日くらいの間は、太陽が沈んだ後の西の空で2つの惑星がとてもめだって見えるはずです。特に、6月20日にはすぐ近くに月も見えて、良い眺めになります。

右写真:1998年4月23日明け方の月と金星と木星のランデブー
(クリックするとその時の様子を見ることができます

★4回のアルデバラン食

 おうし座の1等星アルデバランがつきに隠される現象が、日本では4回見られます。但し、4回のうち1回は昼間の現象になり、その他の3回も見られる地方が限られ、高度も低いところで起こります。それでも、天体望遠鏡や双眼鏡を使えば、十分みることができる現象です。特に、昼間の星を捉える絶好の機会になると思います。

右写真:2005年3月31日のアンタレス食
(クリックするとその時の様子を見られます)

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