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 いよいよ3月。今年は冬が大変寒かったため、全国的に春の訪れが遅くなっているようですね。この事務所のある埼玉近辺では、やっと梅が咲き始めたところです。少しずつですが、春の足音が聞こえてきていますね。

 先月、当社のお客様の対応に北海道まで行ってまいりました。この時期、えぞしかたちはえさの少ない山の上から里のほうにおりてきています。ですから、人間が普通にいるところにも現れます。写真は、稚内近くの日本海沿いの海岸の様子。最初はオオワシを見つけて写真を撮っていたのですが、あたりを見回してみると鹿の一群を発見。こんな海岸で草を食んでいるのは、私もはじめてみました。しばらくその様子を見ていると、この一群が波打ち際を走り出したのです。あわてて車に乗っておいかけて鹿の群れを追い越し、向かいに利尻富士が見えるところで群れが走ってくるのを待って写真を撮りました。

 この付近ではこの時期、オオワシやシノリガモなどの野鳥をはじめ、抜海漁港内で越冬するゴマフアザラシなど、多数の野性生物を見ることができます。

 昼間は活発に活動するえぞしかたちも、利尻富士のむこうに夕日が沈むころにねぐらに帰ります。3月10日ごろの星空のようすを見ると、宵の西の空には冬の星座がにぎやかに輝いています。北西の高いところに見える明るい一等星がぎょしゃ座カペラぎょしゃ座カペラ(41光年)です。ぎょしゃ座には2003年1月のこのページで紹介したM36・37・38の3つの散開星団があります。

Meade LX200GPS-25で撮影した火星

Meade オートスターでの導入方法

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 ぎょしゃ座の南には大神ゼウスが化けた白い牛の姿を描いたおうし座があります。おうし座の一等星アルデバラン(60光年)の付近は、ヒアデス星団という散開星団Mel25の一部で、この付近を双眼鏡で見てみると、40個程度の星が広く散らばっているのを見ることができます。一方、もう少し空の高いところに見える数個の星がごちゃごちゃっと集まって見えるところが、今年1月のこのページで紹介した「すばる」ことプレアデス星団M45です。

 そのすばるとアルデバランのすぐ近くに、ひときわ赤く輝く星を見つけることができるはずです。これが火星です。昨年10月30日には一昨年8月の大接近に続いて地球に接近をし、現在は光の速さで約9分の距離で、少しずつ地球から遠ざかっています。

 おうし座の南には、冬の星座の王者オリオン座ベテルギウス(310光年)・全天で最も明るい恒星のシリウス(8.7光年)のあるおおいぬ座・そしてこいぬ座プロキオン(11.2光年)が冬の大三角を形作っています。おおいぬ座には、2004年の1月のこのページで紹介した散開星団M41があります。

 冬の大三角から、目を北側の高いところに移すと明い星が2並んでいるのを見ることができるでしょう。これがふたご座ポルックス(52光年)とカストル(32光年)も見えてきていますふたご座にも、2004年3月のこのページで紹介したM35という散開星団があります。

 そして、そのふたご座の下に見えるもう一つの明るい星が土星です。土星までの距離は光の速さで約80分かかります。土星は先月28日に「衝」(太陽−地球−土星が一直線に並ぶ)を迎え、今が最も良く見える時期です。土星を望遠鏡で見ると、右の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。

 さらに時間がすぎて夜11時ごろになると、春の星座も続々と昇ってきます。。明るい星が多くにぎやかな冬の星座に比べると、春の星座はおとなしめですが、その中でも北の空に見える北斗七星は比較的めだつ存在です。北斗七星はおおぐま座という星座の一部です。おおぐま座には、2002年の4月のこのページで紹介したM81・M82をはじめとして、小望遠鏡でも見ることができる銀河がたくさんあります。是非宇宙を延々と旅してきた星たちの光をあなたの目で確かめてみてください。

20cmクラスの望遠鏡で見た土星
デジタルカメラで撮影

Meade オートスターでの導入方法

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Meade LX200-25GPSで見た木星
デジタルビデオカメラで撮影

Meade オートスターでの導入方法

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 北斗七星は、北極星をさがす目印にもされますし、また、柄の部分のカーブをそのまま延ばして、春の星の中で最も明るいうしかい座アークトゥルス(34光年)・おとめ座スピカ(220光年)へと続く春の大曲線の一部としても使われます。その2つの一等星よりも明るく、この冬の明け方の空で最も目だって見えるのは、おとめ座にみえる木星です。木星までの距離は光の速さで約40分かかりますが、木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあるため、望遠鏡でも表面の模様が良く見えるます。木星をはじめとした太陽系の天体の大きさが解る図がこちらのページにあります。

 木星を望遠鏡で見ると、本体にある縞模様や、まわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見した衛星で、イオエウロパガニメデカリストという名前が付けられています。木星はその明るさと大きさから大神ゼウスのローマ神話での呼び名ユピテル(Jupiter=英語でジュピター)と呼ばれており、そこをまわる衛星には、ゼウスに仕えていたニンフなどの名前が付けられているのです。

 土星の輪や木星の衛星や縞模様は、口径6cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。

 さらに時間が過ぎ、間もなく朝焼けがはじまる朝4時ごろ、東の空からは木星よりさらに明るい星が昇ってきます。この星が、地球のすぐ内側をまわる明けの明星の金星です。今月の金星までの距離は、光の早さで約4分と、月の次に近い距離にいる星で、現在少しずつ地球から遠ざかっています。3月25日には、地球からの見かけ上最も太陽から離れる西方最大離角となり、今がもっとも見やすい時期です。近づいてきています。天体望遠鏡で見てみると、右の写真のように月のように欠けている様子がわかります。金星はこれから地球に急速に接近し、望遠鏡でその姿を見ると日に日に大きさや形が変わるのがわかります。

 さらに、いまその明け方の空にポユマンスキ彗星(C/2006A1)が出現しています。今年1月1日に発見された彗星で、これまで南半球でしか見ることができなかったのですが、2月22日に太陽に近づいて、先月末から日本でも見えはじめています。詳しくはこちらのページをご参照下さい。


望遠鏡で見た昼間の金星
望遠鏡でみるとこのように月のように満ち欠けしているのがわかります

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