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今日から10月。日の入りの時間も日に日に早くなり、紅葉と夕焼けが美しい季節になりましたね。10月の夜空は、夏の星座が空の高いところに見え、まだまだにぎやかな季節です。午後9時ごろの星空のようすを見ると、西の空の高いところに明るく輝く白い3つの一等星で作る大きな三角形を見つけることができます。こと座のベガ(25光年)・わし座のアルタイル(17光年)・はくちょう座のデネブ(2600光年)で作られる「夏の大三角」です。中国から伝わった七夕伝説の「織り姫」と「彦星」は、それぞれベガとアルタイルだと言われています。こと座の中には、昨年8月のこのページで紹介したM57があります。また、夏の大三角のほぼまん中、はくちょう座のくちばしにあたるところには、、昨年8月のこのページで紹介したアルビレオという星があります。そのアルビレオのすぐ近くにあるこぎつね座という星座の中には、8月のこのページ紹介したM27と呼ばれる星雲もあります。 |
夏の大三角からさらに南の空の低いところに目を移すと、ぽつんと黄色っぽく輝く星が見えます。この星が土星です。土星までの距離は光の速さで約80分かかります。土星は8月15日に「衝」を迎え、今が最も良く見える時期です。土星を望遠鏡で見ると、右の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。 さらに、土星より東(左)寄りの空には、金色に目立って輝いている星が見えます。この星が木星です。木星も9月27日に「衝」を迎え、今が最も良く見える時期です。木星までの距離は光の速さで約40分かかりますが、木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあるため、望遠鏡でも表面の模様が良く見えます。 |
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木星を望遠鏡で見ると、本体にある縞模様や、まわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見した衛星で、イオ・エウロパ・ガニメデ・カリストという名前が付けられています。木星はその明るさと大きさから大神ゼウスのローマ神話での呼び名ユピテル(Jupiter=英語でジュピター)と呼ばれており、そこをまわる衛星には、ゼウスに仕えていたニンフなどの名前が付けられているのです。 今年、木星が輝いているのはみずがめ座になります。木星は太陽の周りを約12年かけて一周しているので、地球からの見かけ上、その向こうにある黄道十二星座を毎年一つずつ移動していくように見えます。土星のほうは、太陽の周りを約30年かけて一周していて、今年見えている星座はやぎ座になります。 |
マイクロフォーサーズミラーレスカメラで撮影 |
木星や土星から空の高いところに目を移すと、天頂から東の空には秋の星座たちが見えています。「馬肥ゆる秋」のごとく、天頂付近に見えているのは、天馬ペガススの姿です。ペガススの四辺形は、おとなしめな秋の星たちの中では比較的わかりやすい星の並びです。 そのペガススの鼻先に、球状星団M15があります。地球から約31,000光年の距離に有る天の川銀河(私たちの銀河系)の中の天体で、球状星団という名前の通り星がボール状に集まったもので、年老いた星がお互いのエネルギーをもとめて集まってきている様子と考えられています。天の川銀河(私たちの銀河系)の外側を取り巻くように存在する天体で、いまだに謎の多い天体のひとつです。 M15の他にも、みずがめ座のM2(約37,500光年)も秋の夜空で良く知られた球状星団です。これらの星雲や星団は、肉眼では見ることができないため、見つけるのが難しいものです。でも、天体自動導入望遠鏡なら、天体の名前を入力するだけで見つけることができます。 |
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このペガススの四辺形を手がかりに、他の星座たちも探してみましょう。四辺形の西側(右側)の縦の辺をまっすぐ南のほうに延ばしていくと、まわりに明るい星がないところにひとつだけ1等星を見つけることができます。この星がみなみのうお座のフォーマルハウト(22光年)です。日本ではその名の通り「みなみのひとつぼし」などと呼ぶ地方もあります。 そして、ペガススの四辺形の北東の辺から、明るい星が4つ、やや広い間隔で並んでいるのを見つけることができます。この付近がアンドロメダ座です。ペガススの四辺形とアンドロメダ座との接点の星は「アルフェラッツ」という星で、アラビア語で「馬の中心」という意味があります。星座絵に描かれた天馬ペガススの、ちょうどおなかの部分にあたる星なのです。アンドロメダ座には、昨年10月のこのページで紹介したアンドロメダ大銀河M31やNGC891・2008年10月のこのページNGC752など、双眼鏡や望遠鏡で見て楽しい天体がたくさんあります。 |
このアンドロメダ座の2等星の並びのいちばん先端、ペルセウス座に近いところに輝く2等星アルマクは、とても美しい二重星として知られています。少し高めの倍率にしてみると、右の画像のようにオレンジ色の2.3等星と、ブルーの少し控え目な4.8等星がよりそっている様子を見ることができます。 明るいオレンジの星は、私たちの太陽系から42光年と比較的近いところにある星ですが、ブルーの星はそのさらにずっと遠くの約250光年の距離にあり、地球からの見かけ上たまたま近くに寄り添って見えている星なのです。望遠鏡を通してみてもその距離感をつかむことはできませんが、宇宙を見る目として、2つの星の距離を意識することは重要なことかもしれませんね。 |
100倍くらいでみたアンドロメダ座γ星アルマクの シミュレーション画像
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アンドロメダ座の北(左)には、小学校の教科書にも載っているカシオペヤ座も見えています。アンドロメダは、ギリシャ神話のカシオペヤの娘で、父はカシオペヤの西となりにいるケフェウス・夫となったのが東隣のペルセウス・・・という具合に、この季節の星座たちはひとつの神話でつながっています。もし興味のある方は、図書館やインターネットで調べてみてはいかがでしょう。そのペルセウス座とカシオペヤ座の中間付近には、昨年11月のこのページで紹介した二重星団もあります。 | |
さらに目を東の空に向けると、低いところに鈍く赤く輝く星が昇ってくるのが見えるはずです。この星が火星です。火星までの距離は光の速さで約6分で、12月1日の再接近に向けて、これから急速に地球に近づいています。是非この機会に火星を観察して、日に日に大きくなる火星の様子をご自身の目で確かめてみてください。
今月火星が輝いているのはおうし座で、火星のすぐ近くにはアルデバラン(65光年)が明るさを競うかのように輝いている様子が見えます。夜半過ぎになると、東の空にはオリオン座やぎょしゃ座・ふたご座などの冬の星座も顔をのぞかせはじめます。 |
セレストロン CPC1100-Jで見た火星 マイクロフォーサーズミラーレスカメラで撮影 |
このページで紹介している星雲星団や惑星の様子は、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。 |
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