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星空案内はこちらのページと一緒にお読みください

 いよいよ今日から6月です。今年も半分が終わろうとしていますね。4月から新しい環境になった新人の方々も、そろそろ学校や仕事にも慣れてきた頃ではないでしょうか?。

 当社では、毎年夏と冬にスターライトキャラバンというイベント開催し、天体望遠鏡を持って全国各地にお伺いし、現地の皆さんに星空を楽しんでいただく企画を行っております。最近、観望会の会場で皆さんとお話しをしていると、以前は「この望遠鏡は何倍ですか?」とか「口径は何cm?」というようなスペックを聞かれることが多かったのですが、最近は「この望遠鏡では何光年くらいの星まで見えるのですか?」と聞かれることがあります。

 宇宙を立体的なものとして捉えるためには、天体までの「距離」という感覚を持つことは非常に重要です。最近は観望会で説明するときにも、もちろんこのページでも、天体までの距離を示すようにしています。私たちに一番近い星である月までの距離は光の速さで約1.5秒ですが、スターライトキャラバンで持ち出しているセレストロン CPC1100-Jの場合、目で見ることができる天体はだいたい5000万光年くらいのまでです。この距離感だけでもすでに想像を越えるものですが、そのはるかかなたまで、宇宙は広がっているわけです。プラネタリウムのようにペタっと貼られた2次元の宇宙感ではなく、是非遠近感を感じながら宇宙を眺めてみてください。私たち地球上の人間のあるべき姿が、きっと見えてくると思いますよ。
 そんな広い宇宙の天体の中でも比較的近いところにある太陽系の星たちは、望遠鏡を使わなくても肉眼で見ることができます。午後9時ごろの星空のようすを見ると、今年は南の空に特に目立って金色に輝いている星が見つかります。この星は木星です。木星は4月8日に「衝」を迎え、今が最も良く見える時期です。木星までの距離は光の速さで約40分かかりますが、木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあるため、望遠鏡でも表面の模様が良く見えるます。木星をはじめとした太陽系の天体の大きさが解る図がこちらのページにあります。

 木星を望遠鏡で見ると、本体にある縞模様や、まわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見した衛星で、イオエウロパガニメデカリストという名前が付けられています。木星はその明るさと大きさから大神ゼウスのローマ神話での呼び名ユピテル(Jupiter=英語でジュピター)と呼ばれており、そこをまわる衛星には、ゼウスに仕えていたニンフなどの名前が付けられているのです。


Meade LX200-25で見た木星
デジタルビデオカメラで撮影
 今年、木星が輝いているのはおとめ座です。木星は、太陽の周りを約12年の周期で一周しているので、地球からの見かけ上、星占いに使われている黄道12星座をちょうど1年で1つずつめぐっていきます。木星のすぐ東(左)に、おとなしめに輝いているのは、おとめ座の一等星スピカ(約260光年)です。おとめ座の西(右)には、しし座レグルスがあります。しし座というと、11月のしし座流星群で有名ですが、実際に宵の空に見えるのは春の季節になります。しし座にも、4月のこのページで紹介したM65・66があります。
 さらに目を北の空に転じると、しし座の北側には北斗七星が見えています。北斗七星は星座ではなくおおぐま座という星座の一部になります。おおぐま座には、3月のこのページで紹介したM81M82があります。北斗七星は、北極星をさがす目印にもされますし、また、柄の部分のカーブをそのまま延ばして、春の星の中で最も明るいうしかい座アークトゥルス(約37光年)を経ておとめ座のスピカへと続く春の大曲線の一部としても使われます。その途中、春の大曲線の内側にあるりょうけん座という小さな星座には、先月のこのページで紹介したM51や、球状星団M3など、明るい星雲星団があります。
 この春の大曲線の内側は、他の季節の星空と比べると明るい星が少ないのですが、この付近を望遠鏡にカメラを取り付けて撮影してみると、たくさんの銀河が見つかります。
 その中でも特に銀河が集まっているのが、かみのけ座とおとめ座付近です。この銀河の集団はおとめ座銀河団(Virgo Cluster)と呼ばれていて、私たちの天の川銀河から3000万〜6000万光年程度の距離にあると考えられています。
 おとめ座銀河団の周辺のりょうけん座やかみのけ座にも、同じくらいの距離にある銀河がたくさん存在していて、最近の研究では、これらの銀河と私たちの天の川銀河も含め直径約2億光年の範囲に銀河が密集した場所があることがわかっていて、おとめ座超銀河団(Virgo Supercluster)と呼ばれています。私たちの天の川銀河は、おとめ座超銀河団の一端にあると考えられています。

おとめ座M86・M84他

りょうけん座MGC4627・4631

かみのけ座NGC4559

かみのけ座NGC4565

おとめ座超銀河団の銀河たち
セレストロンCPC1100-J + HyperStarIII (560mmF2)
APS-Cミラーレスデジカメ すべて30秒露出
埼玉県堂平山で撮影

セレストロン Nexstar+での導入方法
「3」(Deep Sky)キー→「メシエ」または「NGC」
→各天体の番号をキーパッドから入力

Sky-watcher Gotoドブソニアン
Sky Explorer SE-GTでの導入方法
「4」(メシエ)または「5」(NGC)キー→
→各天体の番号をキーパッドから入力

 さらに東の空に目を転じると、はくちょう座こと座さそり座などの夏の星座が顔を出してきます。その夏の星座と一緒に、南東の空の低いところからは土星も昇ってきます。土星は6月15日に「衝」を迎え、今が最も良く見える時期です。土星までの距離は光の速さで約80分かかります。土星を望遠鏡で見ると、右の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。

 金星や火星・木星・土星などの惑星たちは、そのまわりの星座の星々と毎日少しずつ位置関係を変えています。その様子を毎日スケッチしていくと、私たちの地球やこれらの惑星が、太陽のまわりをまわっていることが理解できるようになります。15世紀ポーランドの天文学者コペルニクスがはじめて唱えた地動説以後、世界中の天文学者が現在まで宇宙を見つめ続けて、現在も様々な角度から研究が進められています。そして2006年には、冥王星が惑星から除外されました。その太陽系宇宙の変遷をこちらのページにまとめています。


20cmクラスの望遠鏡で見た土星
デジタルカメラで撮影

 これから夏にかけては、朝の太陽が昇ってくるのも早くなりますが、今年の夏の明け方の空では、太陽が昇るより前に、明けの明星金星が見られます。今月の金星までの距離は光の速さで約6分で、少しずつ地球から遠ざかっています。今年いっぱい。金星は明けの明星として明け方の空に見ることができます。
 水星と金星は地球より内側をまわっているので内惑星と呼ばれています。内惑星は、地球と太陽との位置関係により、見かけの大きさと明るさが変化します。その様子はこちらのページで解説しています。

 このページで紹介している星雲星団や惑星の様子は、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。
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天体望遠鏡で見た
昼間の金星
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