ゆううつな梅雨空が続く毎日。今年はよく雨が降り、田んぼや畑の作物にはよい恵みとなっているようですが、その代わり空の方はなかなか晴れず、星空を待ち望んでいる今日このごろです。
こんな梅雨空の日々でも、時折見られる晴れた夜空は、空気の汚れがすっかり洗われて、とてもきれいな星空が見られます。太陽が西の空に沈み、夕焼けが終わる午後9時ごろの星空のようすを見ると、西の空にはおとなしめに輝く春の星たちを見ることができます。暗い星が多い春の星座の中ですが、北西の空には北斗七星がよく目立って見えています。北斗七星はおおぐま座という星座の一部です。おおぐま座にも、昨年5月のこのページで紹介したM81・M82をはじめとして、小望遠鏡でも見ることができる銀河がたくさんあります。是非宇宙を延々と旅してきた星たちの光をあなたの目で確かめてみてください。
北斗七星は、北極星をさがす目印にもされますし、また、柄の部分のカーブをそのまま延ばして、春の星の中で最も明るいうしかい座のアークトゥルス(36.7光年)・おとめ座のスピカ(260光年)へと続く春の大曲線の一部としても使われます。その途中、春の大曲線の内側にあるりょうけん座という小さな星座には、2005年の5月のこのページで紹介したM3という球状星団があります。
その春の大曲線の行き着いた先に青白く光るスピカのすぐ近くに、今年は2つの明るい星が輝いているのが見えます。スピカのすぐ上で黄色く光る明るい星は土星です。土星までの距離は光の速さで約80分かかります。土星を望遠鏡で見ると、右の画像のようにくるっとドーナツ状の輪が取り巻いている様子を見ることができます。
このように、惑星たちはそのまわりの星座の星々と毎日少しずつ位置関係を変えています。その様子を毎日スケッチしていくと、私たちの地球やこれらの惑星が、太陽のまわりをまわっていることが理解できるようになります。15世紀ポーランドの天文学者コペルニクスがはじめて唱えた地動説以後、世界中の天文学者が現在まで宇宙を見つめ続けて、現在も様々な角度から研究が進められています。そして2006年には、冥王星が惑星から除外されました。その太陽系宇宙の変遷をこちらのページにまとめています。
20cmクラスの望遠鏡で見た土星 デジタルカメラで撮影
もうひとつ、スピカより西側の少し低い空に、不気味な存在感で赤く明るく輝く星が見えます。この星が火星です。火星は地球のすぐ外側をまわる惑星ですが、2003年8月の大接近のことは記憶にある方も多いのではないでしょうか。
現在、火星は光の早さで約15分で、3月5日に再接近したあと、少しずつ地球から遠ざかっています。今回の接近は2003年ほどの大接近にはなりませんでしたが、火星は私達の地球と良く似た惑星として、近年探査機が頻繁に向かっている注目の惑星です。いつか人類が立つかもしれない火星の様子を、いち早く自分の目確かめてみませんか?。
●2003年の6月・7月・8月・9月のこのコーナーでは、火星についてより詳しくコメントしています。興味のある方は是非ご覧ください。
街中の夜空ではなかなか見ることができませんが、夏休みに都会から離れた山の上や海辺などで夜空を見上げると、夏の大三角を貫いて南の地平線にむかって、淡い光の帯を見ることができます。これが「天の川」です。実際に見たことが無いという方も多いと思いますが、夏の天の川は他の季節に比べて濃くはっきりと見えます。アウトドアやキャンプなどで昼間体を動かした後、食後のひとときに是非機会を作って夜空を見上げてみてください。
その天の川が特に濃く明るく見えるのが、さそり座やいて座のある方向。ちょうど今の時期の真夜中ごろに真南の空に見えてきます。この方角が、私達の天の川銀河の中心の方向になります。私達の地球がある太陽系は、天の川銀河の中心から少し離れたところにあります。このため、中心方向を見ると、たくさんの星が集まっている様子を見ることができるのです。
7〜8倍クラスの双眼鏡で見た さそり座M6・M7のシミュレーション画像 双眼鏡でのみつけかたはこちら
天の川が最も濃くな見えるところのやや東側に、赤く光る一等星が見えるはずです。この星がアンタレス(550光年)です。さそり座は、このアンタレスから釣り針のようにS字型をした星の連なりで、夏の星空の中ではとてもわかりやすい星座です。是非、実際の星空で探してみてください。
このさそり座のしっぽの毒針の先あたりにあるのがM6とM7という2つの散開星団です。先程のM13とは対称的に、大きく散らばった星のかたまりで、空のきれいな場所ならば肉眼でもその存在を確認することができます。視野の広い双眼鏡で見ると、ちょうど2つの星団がひとつの視野に入り、とても美しい眺めになります。逆に天体望遠鏡で見ても、星団全体が視野の中に入らず、まばらな明るい星が見えるだけになってしまいます。
そして、さそり座の西側の天の川が特に濃く明るく見える付近が、いて座のある方向。ちょうど今の時期の真夜中ごろに真南の空に見えてきます。この付近には、2008年7月のこのコーナーで紹介したM11やM8などの星雲星団があります。
そして、その夏の大三角やさそり座よりずっと空の高いところに、3等星でできたアルファベットの「H」の形の星の連なりを見つけることができます。これがヘルクレス座で、この中には先月のこのページで紹介したM13と呼ばれる球状星団があります。
さらに、明け方3時ごろ、東の空から金色に輝く2つの明るい星が昇ってくるのが見えます。少し高いところに見える先に昇ってくる星は木星です。木星までの距離は光の速さで約40分かかりますが、木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の11倍もあるため、望遠鏡でも表面の模様が良く見えるます。木星をはじめとした太陽系の天体の大きさが解る図がこちらのページにあります。
木星を望遠鏡で見ると、本体にある縞模様や、まわりをまわるガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を見ることができます。これは、1610年にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で木星を見たときに発見した衛星で、イオ・エウロパ・ガニメデ・カリストという名前が付けられています。木星はその明るさと大きさから大神ゼウスのローマ神話での呼び名ユピテル(Jupiter=英語でジュピター)と呼ばれており、そこをまわる衛星には、ゼウスに仕えていたニンフなどの名前が付けられているのです。
そして、その木星を追いかけるように煌々と輝く星が明けの明星の金星です。金星は、5月中旬までは宵の明星として夕方の西の空に見えていたのですが、地球を猛スピードで追いかけてきて、6月6日には太陽と地球の間を通過していく太陽面通過が起こりました。今年後半は明けの明星として、明け方の空を賑わせます。特に8月14日にはその金星が月に隠される金星食という現象も起こります。このころ、金星は夜2時ごろには東の空から姿を現し、普段は見ることができない深夜の金星を見ることができます。是非ご自身の眼で確かめてみてくださいね。
金星を天体望遠鏡で見てみると、左の写真のように月のように欠けている様子がわかります。水星や金星のように、地球より内側をまわる惑星のことを内惑星といいます。内惑星は、地球と太陽との位置関係により、見かけの大きさと明るさが変化します。その様子はこちらのページで解説しています。
このページで紹介している星雲星団や惑星の様子は、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。
Summer Sale! 2012 プレゼントキャンペーン!
Summer Sale! 2011期間中(2012年7月1日〜8月31日)に、 ビクセン ポルタ"f"(エフ)シリーズ GP2赤道儀シリーズ Meade LS・LTシリーズ LX90シリーズ LX200シリーズをお求めのすべてのお客様に、アイピース・ポータブルバッテリ等すぐに使える便利な付属品をプレゼント!(プレゼント内容は各機種ごとに異なります)
Summer Sale! 2012ラインナップ
各マークについての解説はこちら
はじめての星空には、まずは双眼鏡!
スターゲイズオリジナル FZ-RFL双眼鏡 10倍50mm \8,400 8倍40mm \7,700
スターゲイズオリジナル FZ-750GFP双眼鏡 \10,000
スターゲイズオリジナル FH-842RF双眼鏡 \12,000
スターゲイズオリジナル FH-856GRF双眼鏡 \19,800
当社おすすめの入門者向け天体望遠鏡
ビクセン ポルタ"f"(エフ)シリーズ 経緯台式天体望遠鏡 \29,400〜
もっと遠くの宇宙を見たい もっときれいな写真が撮りたい
ビクセン GP2赤道儀シリーズ \78,540〜
Meade LX90シリーズ \249,900〜
Meade LX200シリーズ \325,500〜
簡単アンケートにご協力下さい
このボタンを押しても、あなたの個人情報などは送信されません
このコーナーのバックナンバー