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潜入の様子(15秒ごと 動画GIF 450KB) |
出現の様子(15秒ごと 動画GIF 330KB) |
今回の土星食は東京近郊で現象が見られ、冬型の気圧配置で太平洋側は大変良い天気に恵まれたため、ご覧になった方も多かったことと思います。 当社スタッフも神奈川県横須賀市の秋谷海岸にある立石駐車場で観測を行いました。低空の現象で常に気流の不安定な状態でしたが、潜入・と出現ともに捉えることに成功しました。上の画像はその様子を編集した動画GIFファイルになっています。 土星食が終わった後、駐車場からは左の写真のような美しい夜景が広がっていました。海での星見は気分がよいですね。 次回の土星食は今年の3月20日の宵に起こります。主に今回土星が月に隠されなかった地域で見ることができ、条件的にもたいへん見やすい現象になります。今回見逃した方は、是非次回チャレンジしてください!。詳しくは、時期が近付いてからこのページでご紹介したいと思います。 |
星食のお話をする前に、天文現象で言う「食」についてお話しておきましょう。文字通り、天体が「食べられる」現象のことをいいます。もちろん、誰かが星をパクパク食べてしまうわけではないので、何らかの自然現象が起きるわけです。 有名なところでは、「日食」や「月食」があります。日食は、地球からの見かけ上太陽の方向に月が入り込んでくることによって、太陽が月に隠される現象ですね。月食は、太陽の光によって照らされている月が、地球の陰の中に入ることによって見えなくなる現象です。これらの「食」は、宇宙空間での位置関係が相互に直線上に並ぶことによって、遠方にある天体が隠されることを差しています。昨年は先日7月5日に部分月食が日本で見られました。 |
20cmシュミットカセグレン望遠鏡で撮影した土星 |
一方、「星食」と呼ばれる現象があります。別名「掩蔽」(えんぺい)とも呼ばれるこの現象は、日食と同じ仕組みで月がその向こう側にある星を隠す現象を言います。もっと広い意味では、月以外の太陽系の天体にも適応されます。ですから、惑星や小惑星などにより、それより遠くにある星を隠してしまう「掩蔽」もあるわけですね。 月は地球のまわりを約一カ月かけて公転しています。それは地球上から見ると、天球上を少しずつ移動しているように見えることになります。ですから、その日・その時間で月の見える場所は少しずつ違っているわけです。 天球上を移動している月と見かけ上同じ位置に他の星が重なる場合に、月による「星食」がおきます。月がその星の前を通過することにより、星が隠される現象です。月のどの場所に隠されるかにもよりますが、長くて1時間くらい隠れている時間があります。 |
一方、土星は約30年で太陽のまわりを一周する惑星です。望遠鏡で見ると上の写真のようなドーナツ状の輪が見られることで有名です。今年はおうし座付近にいて、7月中旬から明け方の東の空で見ることができるようになってきました。この土星と月が、それぞれ天球上を動いていく中で偶然重なり合うことによって、「土星食」が起こります。日本では、前回は去年の10月8日に北日本方面で見ることができました。 |
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今回は、夜半過ぎの西の空にで、満月よりちょっと前の太った月によって土星が隠されます。今回の土星食の大きなポイントとして、見る場所によって見え方が違うということがあげられます。東京・埼玉・長野・富山・石川より北の地域では土星は月に隠されず、月をかすめていきます。また、土星が月に隠されるか隠されないかの境界線の上では、土星の一部だけが月に隠されていく面白い現象を見ることができます。 左の図はその地域を示したものです。薄緑色になっている地域では、土星は月にすっぽりと隠されますが、青色の地域では、月の端をかすめていく様子を見ることができます。そして、その境界線の帯状になった地域で、土星の輪や本体の一部だけが隠される様子を見ることができます。 下の図はその地域を拡大したものです。おおよそこの黄色の帯状の地域で、土星の一部が隠される様子を見ることができます。 |
土星食が起こる境界線の地域 主な市を赤印で示しています 東京・神奈川県境付近は、おおよそ多摩川に沿って限界線が通っていますので、 その南側で土星が月に隠される様子を見ることができます。 都内では、多摩川の南側と大田区のほぼ全域で、土星の一部が月に隠される範囲に入ります。 |
左の画像は神奈川県の逗子市付近での土星食の様子をシミュレーションしたものです。 |
今回の土星食は、西に傾いた上弦の月によって起こります。現象が起こる時の月の高度は横浜で約10度しかありません。観測中に月が山や建物に隠れないように、なるべく西の空の開けた場所で観測するようにしましょう。 通常、星食の観測は、月と星の明るさの差が大きいため肉眼では見ることができません。今回の土星食では0.8等と十分な明るさがありますが、月が大きく明るく、明るい側の縁に隠される現象となるため、今回は双眼鏡または望遠鏡を使ってご覧になることをおすすめします。 ●双眼鏡でご覧になる方は、月に土星が近づく1:30ごろから、じっと月を凝視しながら土星と月の距離の変化を観察してみましょう。観測場所によって、月の明るい部分と土星の距離が異なりますから、月が沈むのが遅くなる西日本では、月から土星が出現するところも確認することができるはずです。 ●天体望遠鏡でご覧になる方は、1:30ごろから土星を視野に入れて、輪と月との位置関係や角度などを確かめておきましょう。だんだん月が土星に近づいてくると、月の明るさで土星が見にくくなってきますので、15cm以上の口径の望遠鏡ではちょっと高めの倍率にして月の一部が見えるくらいにすると、月の裏側に入リ込む様子もじっくり見ることができるはずです。 境界線から離れた場所では、土星が出現するまで少し時間が開きますが、境界線に近い場所では隠れてから再び出現するまではそれほど時間がかかりませんから、引き続き視野を良く見ていると、土星の輪の先端から出現してくるのを見ることができるはずです。 |
1月25日午前2時(横浜)の西の空の様子 |
星食をはじめとした「食」は、とてもライヴ感覚のある天文現象なので、一度見てみるととても感動するものです。皆さんも是非ご自分の目で空の上で繰り広げられる天体ショーを確かめて見てください!。 |
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