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星空案内はこちらのPDFファイルと一緒にお読みください

 この冬は、北海道や日本海側を中心に大雪などの被害もありましたが、3月になるとだいぶ暖かな日も多くなり、当社の事務所がある埼玉では、そろそろスギ花粉の季節です(苦笑)。マスクと鼻炎薬が手放せない季節になりました・・・。でも、日に日に少しずつ暖かくなり、木々の芽吹きや鳥のさえずりから春が近くまで来ていることも感じさせてくれます。

 この季節は、花粉とあわせて中国大陸からの黄砂の影響もあり、晴れてもなかなかきれいな星空が見えない日も多いのですが、風向きが変わると空がとても青く、きれいな星空が見られるときがあります。 午後9時ごろの星空のようすを見ると、北西の空には、まだ秋の星座のカシオペヤ座が見えています。そのカシオペアの上には、漢字の「人」という字を横にしたように星が連なるペルセウス座があります。そのペルセウス座とカシオペヤ座の中間付近を見ると、空のきれいなところであれば天の川の中に肉眼でもなにやらぼーっとした光のしみのようなものを見つけることができます。これが昨年11月のこのページで紹介した二重星団です。

 さらに空の高いところに目を移すと、明るい星が多くとてもにぎやかな冬の星座たちを見ることができます。北よりの高いところに見えるのがぎょしゃ座カペラ(42光年)です。ぎょしゃ座には冬の天の川が中央を流れていて、双眼鏡で見ると無数の星たちが輝いているのを見ることができます。ぎょしゃ座には、昨年12月のこのページで紹介した、この中に、M36M37M38の3つの散開星団があります。
 ぎょしゃ座の南にはおうし座があります。おうし座の一等星アルデバラン(65光年)の付近は、ヒアデス星団という散開星団Mel25の一部で、この付近を双眼鏡で見てみると、40個程度の星が広く散らばっているのを見ることができます。さらにその北(右)に見える数個の星がごちゃごちゃっと集まって見えるところが、1月のこのページで紹介した「すばる」ことプレアデス星団M45です。双眼鏡で見てみると、いろいろな明るさの100個くらいの星が群れを成しているのがわかります。

 すばるやヒアデス星団より少し低いところには、冬の星座の代表オリオン座ベテルギウス(約600光年)・全天で最も明るい恒星のシリウス(8.7光年)のあるおおいぬ座・そしてこいぬ座プロキオン(11.2光年)が冬の大三角を形作っています。オリオン座には、2021年1月のこのページで紹介したオリオン座大星雲M42・M43があります。おおいぬ座には、2014年の2月のこのページで紹介した散開星団M41があります。その冬の大三角の北には、ふたご座ポルックス(52光年)とカストル(32光年)も見えてきています。ふたご座には、先月のこのページで紹介した散開星団M35があります。

とも座散開星団M46・M47
セレストロン Nexstar Evolution 6-J + Hyperstar
マイクロフォーサーズミラーレスカメラ 15秒露出
栃木県太平山にて撮影
8倍クラスの双眼鏡で見てみると、
ちょうど2つの星団をひとつの視野に見ることができます
 周囲に街灯等がなく、空のきれいな場所に行くと、このふたご座から冬の大三角を貫くように、淡い光の帯が続いているのを見ることができます。これが天の川です。私たちの太陽系は、私たちの天の川銀河の中心から少し離れたところに位置していますが、冬の天の川は、円盤状になっている天の川銀河の中心とは反対の方向を見ていることになり、中心方向にあたる夏の天の川より細く淡く見えます。それでも、双眼鏡や望遠鏡で見てみると、これまで紹介してきたもの以外にも、たくさんの星雲や星団を見ることができます。
 そのうちの一つ、おおいぬ座のシリウスの少し東に見えるのが、とも座にあるM46M47です。東側(右の写真の左側)の暗い星がたくさん集まって見えるのがM46で、地球から約5,300光年の距離にあります。西側(右の写真の右側)の比較的明るい星がざらざらと集まって見えるのがM47で、地球から約1,600光年の距離にあります。この距離の差が、見かけの明るさや広がりと大きく関係しています。

 さらにM46の中を良く見てみると、星団の中の上(北)のほうに、魚のめだまのように見える小さな星雲があるのに気づくでしょう。これはNGC2438という惑星状星雲です。約2,900光年の距離にあり、M46よりずっと手前にある天体なので、M46を構成する星とは直接関係はなく、たまたま星団の手前に見えているわけです。

 このようにして、宇宙を立体的に考えながら天体を見てみると、私たちの地球が置かれている状況を目で感じ取ることができるのではないと思います。

セレストロン Nexstar+での導入方法
「3」(Deep Sky)キー→メシエ
→「046・047」をキーパッドから入力

Sky-watcher Gotoドブソニアンでの導入方法
「4」(メシエ)キー→
→「046・047」をキーパッドから入力

Meade オートスターでの導入方法
Deep Sky→
Messier Object→
キーで「46・47」を入力

双眼鏡や天体自動導入機の無い望遠鏡での見つけ方はこちら

 この時期になると、真冬の時期と比べると夜明けの時間はだいぶ早くなってきますが、夜3時ごろになると、東の空にはもう夏の星座が顔を出してきます。空の高いころには、はくちょう座デネブこと座ベガわし座アルタイルで作られる夏の大三角が見え、南の空にはさそり座アンタレスも見えています。

 そして、この春の明け方の空には、惑星たちがたくさん集まってとても賑やかになっています。今月の明け方の東の空の朝焼けの中には明けの明星金星が輝いています。


海から昇るさそり座と夏の天の川・金星・火星
20mmF1.7レンズ→F2.2 + APS-Cカメラ 8秒露出
福島県いわき市にて撮影
2時間半のタイムラプスムービーはこちら

 今月の金星までの距離は光の速さで約5分で、少しずつ地球から遠ざかっているところです。これから今年の秋まで、明けの明星として見ることができます。
 金星は地球より内側をまわっているので内惑星と呼ばれています。内惑星は、地球と太陽との位置関係により、見かけの大きさと明るさが変化します。その様子はこちらのページで解説しています。

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天体望遠鏡で見た
昼間の金星
 その金星のすぐ近くに、鈍く赤く輝く星があることに気づくでしょう。この星が火星です。今月の火星までの距離は光の速さで約16分で、12月1日の再接近に向けて、ゆっくりと地球に近づいています。是非この機会に火星を観察して、日に日に大きくなる火星の様子をご自身の目で確かめてみてください。
 今月28日と29日の明け方には、この金星と火星にさらに土星と月が加わって、とてもにぎやかな様子を見ることができます。是非早起きしてみてみてください。

 金星・火星などの惑星たちは、そのまわりの星座の星々と毎日少しずつ位置関係を変えています。その様子を毎日スケッチしていくと、私たちの地球やこれらの惑星が、太陽のまわりをまわっていることが理解できるようになります。15世紀ポーランドの天文学者コペルニクスがはじめて唱えた地動説以後、世界中の天文学者が現在まで宇宙を見つめ続けて、現在も様々な角度から研究が進められています。そして2006年には、冥王星が惑星から除外されました。その太陽系宇宙の変遷をこちらのページにまとめています。


セレストロン CPC1100-Jで見た火星
マイクロフォーサーズミラーレスカメラで撮影

 このページで紹介している星雲星団や惑星の様子は、口径7cmクラスの望遠鏡から見ることができるようになります。当社オンラインショッピングで紹介している望遠鏡も、最も小さなもので口径7cmですから、充分見ることができます。是非あなたの目で確かめてください!。

●このコーナーより商品をお申し込みの場合、代金のお支払いはクレジットカード・Amazonアカウント・Yahoo!ウォレット・代金引換・銀行振込・郵便振替・コンビニ決済(NP後払い)・ショッピングクレジット(分割払い)がお選びいただけます。はじめてご利用の方や、決済方法など詳しいことをお知りになりたい方は、こちらのページをご覧ください。

惑星や星雲星団の観望に最適な望遠鏡ラインナップ
各マークについての解説はこちら
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