当日の画像


7:46の太陽の様子
当社ベランダにて撮影


欠けはじめからの変化
家庭用ビデオで撮影

 台風の余波もあり、全国的に天候には恵まれませんでしたが、当社ベランダでは欠けはじめるころから雲が薄くなり、雲間から時折欠けた太陽を見ることができました。皆さんのところではいかがでしたか?。

 左の画像は当社ベランダにて撮影したものです。それぞれクリックすると拡大した画像になります。

 次回、日本で見られる日食は2004年の10月14日の真昼に起こる部分日食で、全国でみることができます。その後はまたしばらく開いて2009年7月22日で、奄美大島では皆既日食となります。その次は2012年5月20日で、東京を含む関東周辺で金環日食となります。10年先、私達人間がどうなっているかはわかりませんが、天文現象はまったく狂いなく私達の頭上で起こります。未来に期待しようではありませんか・・・。

 日本では1997年3月9日以来5年ぶりとなる部分日食が、6月11日の朝に起こります。

 日食は、太陽・月・地球が一直線上に並び、見かけ上太陽の手前に月が入り込んでくることにより、太陽の光を遮ることにより起こります。地球から太陽と月のそれぞれの距離の関係で、月の見かけ上の大きさが太陽より大きいときは、太陽がすっぽりと月に隠される「皆既日食」となり、反対に太陽の見かけ上の大きさが月より大きいときは、月の隠された太陽の光がリング状に見えることから「金環日食」と呼ばれています。


日食が起こるしくみ
太陽との距離は実際はもっと遠く、太陽はもっと大きな天体です。
太陽と月の見かけ上の大きさがほぼ同じになる偶然から、
皆既日食や金環日食がおこります。


東京での日食の様子
日本では、時刻は前後しますが
どこでもほぼ同じに見えます

 皆既日食や金環日食は、見られる地域が帯状の非常に限られた地域になりますが、そのまわりの地域でも部分日食として見ることができます。今回の日食は、太平洋上の帯状の地域で金環日食となるもので、日本をはじめとした東アジアと、大平洋をはさんだ北アメリカで部分日食として見ることができます。

 日食と並んで良く比較されるのが月食です。月食は、日食が起こる原因のうち月と地球の立場が逆になったもので、地球の影に月が入り込むことによって起こります。月に比べて地球の方が大きいため、日食に比べると起こる回数も多くなります。日本では、2000年7月16日・2001年1月10日・2001年7月5日に見ることができました。

 今回の日食は、6月11日の朝、太陽が高く昇った6時30分すぎから起こります。日食は、地球のまわりをまわる月と太陽との位置関係によって起こるため、見る場所によって時刻も見え方もかわります。今回の日食の各地の時間は下の表の通りです。大まかに、隠されはじめるのは南に行くほど早く、隠され終わるのは東に行くほど遅くなります。また、隠される部分の大きさ(食分)は、日本では南東方向にいくほど大きくなります。

2002年6月11日の部分日食の主な現象の時刻(日本時間)

地名

日出

欠けはじめ

食の最大(食分)

欠け終わり

札幌

3:55

7:01

7:54(33.5%)

8:54

仙台

4:13

6:48

7:45(41.9%)

8:49

東京

4:25

6:42

7:40(45.5%)

8:45

大阪

4:44

6:41

7:36(42.0%)

8:36

福岡

5:08

6:41

7:32(37.8%)

8:28

鹿児島

5:16

6:36

7:29(41.7%)

8:27

那覇

5:36

6:26

7:20(48.8%)

8:19

●日食を安全に楽しむには・・・

 太陽はとても明るくまぶしいため、肉眼でそのまま見ることは大変危険です。まして望遠鏡を使って直接のぞくのはもってのほかです。望遠鏡で直接太陽を見ることは、失明の危険もありますので絶対にしないでください。

 日食の観測は、望遠鏡や双眼鏡を使わなくても見ることができます。例えば、木の葉っぱの影によってできる太陽の光の形や、家の中でも障子にあいた小さな穴から漏れる光が欠けた太陽の形になります。

 しかし、日食の観測には望遠鏡や双眼鏡を使って倍率を上げて見た方が、欠けはじめや欠け終わりのわずかな欠け具合や、時間とともに変化していく月の動きを楽しく見ることができます。そのためには、明るい太陽の光をフィルターなどで減光する必要があります。

 当社オンラインショッピングでは、太陽観測用のフィルターを用意しています。31.7mmアイピース用のサングラスは、そのまま太陽にかざして肉眼で欠けた太陽を確かめることもできます。


バーダープラネタリウム製
アストロソーラーフィルターを
取りつけた
ミザールBK-2000


アストロソーラーフィルターを直接取りつけたビデオカメラとその画像
双眼鏡に取りつけた場合もほぼ同じように見えます

 また、これらのフィルターを使えば、カメラやデジカメ・ビデオカメラでの撮影も楽しめます。時間とともに変化して行く様子をデジカメやビデオカメラで連続撮影すれば、動画として楽しむこともできます。

 もちろん、望遠鏡にカメラやデジカメ・ビデオカメラなどを取りつけて撮影することもできます。月や惑星を撮影するときに使用しているカメラアダプタ等がそのまま使用できますから、この機会に是非チャレンジしてみてはいかがでしょう。


天体望遠鏡用サングラスで見た太陽

 このように、望遠鏡や双眼鏡に安全なフィルターなどを取りつけて太陽観測を行うことは、決してむずかしいことではありません。是非この機会に太陽観測にもチャレンジしてみてはいかがでしょう。使用方法に十分注意して安全に日食観測をお楽しみください。

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