レジャーに出かけた高原や海辺などで、夜空に光る美しい星たちを見たとき、その星空に感動したことは、多くの方が体験しているでしょう。その星空を写真に収めて、感動を家族や友達と共有したいと思った方も多いと思います。
しかし天体写真は、風景や人物と同じように星空にレンズを向けてシャッターを切っただけでは写ってくれません。それは、星の光がとてもかすかなもので、カメラがその光を感じることができないからです。逆に言うと、人間の目はとても高い感度をもっているという意味でもあります。
その感度不足を補うために、天体写真を撮るときには、シャッターを開けっ放しにします。それにより、光をカメラの中に貯め込むことで、実際には目に見えないような星の光も写すことができるようになります。この作用のことを蓄光作用といいます。
最も基本的な天体写真の撮り方は、三脚を使って地面にカメラを固定し、蓄光作用によってたくさんの星を写し出す方法です。この方法を固定撮影と呼んでいます。従来のフィルム式カメラでは、星を写し出すのに数分から数十分も時間を要していましたが、最近のデジタルカメラの技術の進歩で、わずか数秒程度でも、十分星空を写し出すことができるようになりました。
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