今年8月17日にオーストラリア ブリスベーン在住のアマチュア天文家 テリー ラブジョイ(Terry Lovejoy)氏によってとも座の方向で発見されたラブジョイ彗星(C/2014 Q2)が、核光度で10〜11等・全光度で8〜9等と明るくなってきました。 |
右の写真は、12月12日にフィリピンのルソン島中部にあるバギオ在住のアマチュア天文家ジョン ナッスル(John Nassr)氏が20cmF2.8反射望遠鏡で撮影したラブジョイ彗星(C/2014 Q2)です。水イオンに包まれたコマから、細い尾が伸びている様子がわかります。ナッスル氏によると、10倍50mmの双眼鏡でとても良く見えるとのことです。
現在、彗星は地球から約0.8AU・太陽から約1.5AUの位置にありますが、この後1月8日前後に地球から約0.47AUまで接近し、さらに1月30日には太陽に約1.3AUまで接近します。また、地球からの見かけ上太陽の反対側を通過していくため、日本を始めとした北半球で大変良い条件となり、1月中は深夜の空に6〜7等くらいで見ることができそうです。 |
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2014年12月12日のラヴジョイ彗星(C/2014 Q2)
20cmF2.8反射望遠鏡 + 冷却CCDカメラ
フィリピン ルソン島中部バギオ
John Nassr氏撮影
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太陽からの距離が少し遠いため、劇的な変化は起こらないかもしれませんが、これから是非注目していきましょう。
(2014年12月13日) |
●コラム● 「AU」ってなに? |
上の解説文の中に「AU」という単位が何度か出てきますね。これは、「天文単位」(Astronimical Unit)という距離を示す単位です。1AUは、太陽と地球の平均距離(149,597,870.7km)で、主に太陽系天体の距離を現すときに使用します。光はこの距離を約8.3分で到達します。つまり、私たちが受けている太陽の光は、約8.3分前に太陽から発せられた光ということになります。
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2014年12月23日のラヴジョイ彗星(C/2014 Q2)
135mmF2.5 APS-Cデジカメ一眼レフ
セレストロンNexStar 4-SEJ用架台使用
20秒露出ノータッチガイド 埼玉県堂平山
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なかなか夜に時間を作ることができず、ようやく昨晩彗星を見ることができました。まだ南中時でもかなり低いのですが、明るく見かけの大きさも大きいので、FH-842RF双眼鏡で簡単に見つけることができました。この写真の撮影地からは、南の方向に街明かりがあるため、尾の部分は薄れてしまっていますが、それでも写真に撮るとこのようにうっすらと見ることができます。
セレストロンNexStar 4-SEJで50倍くらいで見てみると、彗星のコマの部分とすぐ下にある5.8等星がほぼ同じ明るさに見えました。FH-842RF双眼鏡で見たときは、コマの周囲の部分の明るさも加わるため、もっと明るく感じます。写真でも、135mmで撮影したものはずっと明るく感じますね。南半球で肉眼で見えているという情報もうなずけます。
これから地球に接近しながら空の高いところに移動していきます。毎日が楽しみになりそうです!。まだ見つけていない方は、是非月が明るくなる前に見つけてみてくださいね。
(2014年12月23日) |
●コラム● 「彗星」ってどんな天体? |
彗星(すいせい)は、地球や他の惑星たちと同じ、太陽系天体のひとつです。太陽系の周囲にあると考えられている「カイパーベルト」や「オールトの雲」から、太陽の重力に導かれて太陽に接近すると考えられています。太陽に近づいた後は、再び宇宙のかなたに去っていってしまうため、ほとんどの彗星は1回しか私たちの前に姿を現しません。
彗星の構造は、都会で雪が降ったときに作る「汚れた雪だるま」とよく似ていて、氷(水)の中にたくさんの粒子(ダスト)が含まれた状態になっていると考えられています。これが太陽に近づいて、太陽からの放射で表面が溶け出すことにより、その成分が太陽と反対方向に飛ばされて、私たちが見える「尾」として見えるわけです。
◆彗星について詳しくは、こちら(スタークリック2000年夏号)もご参照ください。15年前の記事なので、内容に多少古い記述も含まれますが、より詳しく彗星について記載しています。
もうひとつ、彗星とよく間違われるのが、流れ星(流星)です。彗星は地球から遠く放れたところを動いていくので、見かけ上ほとんど動いているようには見えません。それに対して流星は、私たちが見上げている空を突然ひゅっと流れます。つまり、とても近いところで起こっている現象です。
流星は、太陽の周りをまわっている地球に、たまたまその方向にあった宇宙空間の小さな粒子(ダスト)が重力に導かれて地球上に落下してくる現象で、地上から50〜200kmくらいの高さで地球の大気と反応を起こすことで光っています。宇宙の規模から考えると、ほぼ私たちの地球上で起こっていると考えても良い現象です。
ただ、流星と彗星がまったく無関係であるかというと、そうでもありません。「流星群」と呼ばれるものは、彗星の放出した粒子(ダスト)の中に、偶然地球が入り込んでいくことにより起こります。このようにして、立体的に宇宙を考えてみると、宇宙がとても面白いものに感じられてくるのではないかと思います。
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2014年12月24日のラヴジョイ彗星(C/2014 Q2)
30mmF1.4レンズ APS-Cデジカメ一眼レフ
左 : F2.8 1分露出 nano tracker使用 / 右 : F2.2 4秒露出×245枚(20分) 比較明合成
埼玉県日高市
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まだまだ南に低いラヴジョイ彗星(C/2014 Q2)ですが、当社事務所の市内の高台から、この季節はカノープスを見ることができることから、湿度が下がって透明度が良くなった昨晩、カノープスと彗星を狙ってみました。
青梅や八王子の市街地が南にあるため、空はだいぶ明るいですが、昨日はとても透明度が良く、カノープスが肉眼でも良く見えました。空が明るいので彗星の尾はほとんど写りませんでしたが、それでもはっきりと彗星の姿を確認できます。
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2014年12月24日のラヴジョイ彗星(C/2014 Q2)
300mmF4レンズ APS-Cデジカメ一眼レフ
30秒露出 nano tracker使用 埼玉県日高市
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(2014年12月25日) |
2014年12月29日のラヴジョイ彗星(C/2014 Q2)
Sky-watcher Goto Dob10J + コマコレクター
APS-Cデジカメ一眼レフ 20秒露出
埼玉県堂平山
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2014年12月29日のラヴジョイ彗星(C/2014 Q2)
10cmF6屈折望遠鏡 APS-Cデジカメ一眼レフ
15秒露出 セレストロンNexStar 4-SEJ用架台使用
埼玉県堂平山
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月明の影響が強いのを承知で、M79への接近を見に行ってきました。上弦過ぎの明るい月と、雨が降った直後で湿度が高く、水蒸気が散乱して空が全体に明るく、あまり良い条件ではありませんでしたが、650mmで撮影した写真には、画面をはみ出す尾が見えていますね。月明の影響がなくなったら、もっときれいに見えそうです。
来月上旬までは月の影響が大きいですが、地球最接近に向け、北西に急速に移動していくため、どんどん空の高いところに見えるようになります。宵空で月の影響を避けられる8日ごろに、地球に最接近します。このままで行けば、空の暗い場所であれば肉眼で見えるはずです。是非注目していきましょう。
(2014年12月30日)
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2015年1月8日のラヴジョイ彗星(C/2014 Q2)
135mmF2.5レンズ APS-Cデジカメ一眼レフ
30秒露出 セレストロンNexStar 4-SEJ用架台使用
埼玉県堂平山
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2015年1月8日のラヴジョイ彗星(C/2014 Q2)
300mmF4レンズ APS-Cデジカメ一眼レフ
15秒露出 セレストロンNexStar 4-SEJ用架台使用
埼玉県堂平山
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月明の影響が無くなるのを見計らって堂平山まで行ってきたのですが、やや透明度が悪かったことと、南東の方角は東京の街明かりが強いため空が明るく、残念ながら彗星を肉眼で確認することはできませんでした。
それでも、FH-842RF双眼鏡では簡単に彗星の姿が確認でき、うっすらとではあるものの尾も確認できました。写真に撮ると、このようにかなり明るく写ります。 今週末になると、空の高いところにくる南中時でも月明の影響がなくなるので、空の暗いところにいけば長い尾を見ることができるのではないかと思います。
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2015年1月8日のラヴジョイ彗星(C/2014 Q2)
10cmF6屈折望遠鏡 APS-Cデジカメ一眼レフ
10秒露出×6枚コンポジット
セレストロンNexStar 4-SEJ用架台使用 埼玉県堂平山
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(2015年1月8日)
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2015年1月18日のラヴジョイ彗星(C/2014 Q2)
85mmF2→F2.8レンズ APS-Cデジカメ一眼レフ
2分露出 セレストロンNexStar 4-SEJ用架台使用
埼玉県堂平山
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2015年1月18日のラヴジョイ彗星(C/2014 Q2)
300mmF4レンズ APS-Cデジカメ一眼レフ
15秒露出 セレストロンNexStar 4-SEJ用架台使用
埼玉県堂平山
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10日ぶりに堂平山まで行ってきたのですが、彗星は空の高いところに移ったものの、薄雲が常時通過する星空で、前回より大きく変わった姿は見られませんでした。
それでも、FH-842RF双眼鏡では簡単に彗星の姿が確認でき、うっすらとではあるものの尾も確認できました。写真に撮ると、このようにかなり明るく写ります。
今週中はまだ月明の影響はありませんが、週末ごろには月が大きくなってきますので、宵空では空が明るくなってきてしまいます。なるべくはやめに見つけておくとよいでしょう。
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2015年1月18日のラヴジョイ彗星(C/2014 Q2)
10cmF6屈折望遠鏡 APS-Cデジカメ一眼レフ
8秒露出×6枚コンポジット
セレストロンNexStar 4-SEJ用架台使用 埼玉県堂平山
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(2015年1月18日
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近日点も通過し、地球からも太陽からもどんどん離れていっていますが、なかなか見る時間を作れず、前回見てから約1ヶ月も過ぎてしまいました。
昨日は、当社企画スターライトキャラバンで出かけた千葉県神崎町の会場で、観察会の始まる前のわずかな時間を使って撮影しました。市街地の中にある学校なので、肉眼では3等星までしか見えない星空でしたが、Sky-watcher Goto Dob10で見ると、とても美しく見えました。撮影の時間は5分ほどしかなかったため、ピントや構図を追い込むことができなかったのですが、空が明るいわりには良く写ったのではないかと思います。
スターライトキャラバンでは、下記にも掲載している当社オリジナル双眼鏡を20台ほど用意して、参加者の皆さんに自由に使っていただいていますが、昨日は近くにアンドロメダ座のアルマクがあり、どの機種でも参加者の皆さんが自分自身で彗星を見つけることができたようです。
来週までは月明の影響はありませんから、彗星を見つけるには絶好の機会です。これからどんどん遠ざかっていってしまうため、次の月周りのときにはだいぶ暗くなってしまいます。是非来週までに探してみてください。
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2015年2月10日のラヴジョイ彗星(C/2014 Q2)
Sky-watcher Goto Dob10 APS-Cデジカメ一眼レフ
15秒露出 千葉県神崎町
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昨晩時間が取れたので堂平山まで行ってきたのですが、ものすごい季節風で像がブレブレで、星像がとても大きくなってしまいました。
引き続き、FH-842RF双眼鏡では簡単に彗星の姿が確認でき、うっすらとではあるものの尾も確認できました。今週中はまだ月明の影響はありませんが、週末ごろには月が大きくなってきますので、宵空では空が明るくなってきてしまいます。なるべくはやめに見つけておくとよいでしょう。
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2015年2月15日のラヴジョイ彗星(C/2014 Q2)
Sky-watcher Goto Dob10 APS-Cデジカメ一眼レフ
15秒露出 埼玉県堂平山
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(2015年2月16日)
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M76へ最も接近した20日はとてもよい天気だったのですが、スターライトキャラバンのために都内に出ていたため、翌21日に日光の戦場ヶ原まで出かけてみました。
西から水蒸気が流れ込んできていたため、標高の高いところのほうが影響が少ないだろうとでかけたわけですが、それでも薄いもやの中での撮影になりました。彗星を撮影してからM45を撮ってみたのですが、下の写真のような感じです(笑)。いろは坂を降りたらどん曇りでしたから、場所の選択は間違っていなかったようです。
とはいえ、さすが戦場ヶ原は空が暗く、FH-842RF双眼鏡では簡単に彗星の姿が確認できできました。
今週はだんだん月が大きくなってしまうので、次に見るのは満月を過ぎる来月中旬からになるでしょうか?。これからカシオペヤ座の天の川の中に移動していくので、周りの星がにぎやかになってきます。地球からも太陽からもどんどん離れていってしまうため、双眼鏡の対象としては厳しくなってきてしまいますが、望遠鏡ではまだまだ追いかけられると思います。
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2015年2月21日のラヴジョイ彗星(C/2014 Q2)とM76
Sky-watcher Goto Dob10 APS-Cデジカメ一眼レフ
30秒露出×4枚コンポジット 日光戦場ヶ原
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(2015年2月22日
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ここしばらく宵のうちに時間が取れなかったのですが、今日はなんとか彗星が高いうちに堂平山に登ることができました。それでももう山の稜線に沈むギリギリで、なんとか300mmレンズで撮影しました。
まだまだ明るいですね!。写真にもよく写りますし、FH-842RF双眼鏡では簡単に彗星の姿が確認できできました。
今週は、この写真にも写っているカシオペヤ座δ星ルクバーのすぐ近くにいるので、非常に見つけやすいです。いままで見つけられなかったという方も、この位置なら簡単に見つけられるでしょう。是非探してみてください。
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2015年3月11日のラヴジョイ彗星(C/2014 Q2)
300mmF4レンズ APS-Cデジカメ一眼レフ
15秒露出 セレストロンAdvanced-VX赤道儀使用
埼玉県堂平山
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(2015年3月11日)
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宵のうちになかなか時間が取れず、天候の問題もあり2週間空いてしまいました。今日を過ぎると月が明るくなってしまうため、北の空が開けた峠に行ってきました。
着いた時間が遅かったので、すでに彗星の高度は15度しかなく、条件はあまり良くありませんでしたが、まだまだ十分明るく見えています!。FH-842RF双眼鏡では簡単に彗星の姿が確認できました。彗星の左にある星のかたまりは、NGC559です。
かなり距離が遠くなったので、見かけの大きさは小さくなっていますが、もっと早い時間に空の高いところで見れば、尾も良く写るのではないかと思います。
今週は、これから月が大きくなってしまいますが、日本からは彗星は真夜中でも沈まず、明け方の空にも見ることができますから、月明を避けることもできます。この明るさなら、まだまだ見ることができそうですよ。是非皆さんも探してみてください。 |
2015年3月24日のラヴジョイ彗星(C/2014 Q2)
10cmF6屈折望遠鏡 APS-Cデジカメ一眼レフ
15秒露出×6枚コンポジット
セレストロンAdvanced-VX赤道儀使用
埼玉県刈場坂峠 |
(2015年3月25日) |
春になってなかなか天候が思わしくなく、昨夜、約1ヶ月ぶりに彗星を見に行ってきました。だいぶ遠ざかって、見掛けの大きさも小さくなり、明るさも暗くなって来ました。それでも、FH-842RF双眼鏡ではまだなんとか彗星の姿が確認できました。
現在、彗星は宵空と明け方の両方で見ることができます。市街地などの明るい星空では、双眼鏡でもだいぶ厳しくなってきましたが、天体望遠鏡ではまだまだ見えています。月明の影響をうまく避けながら、是非探してみてください。 |
2015年4月18日朝のラヴジョイ彗星(C/2014 Q2)
10cmF6屈折望遠鏡 APS-Cデジカメ一眼レフ
30秒露出(コンボジットなし)
セレストロンAdvanced-VX赤道儀使用
埼玉県刈場坂峠 |
(2015年4月18日) |
富士山須走口五合目の通行止めが解除されたので、新製品の評価を兼ねて行ってきました。さすが標高2000mになると、FH-842RF双眼鏡で簡単に彗星の姿が確認できました。
現在、彗星は宵空と明け方の両方で見ることができます。市街地などの明るい星空では、双眼鏡でもだいぶ厳しくなってきましたが、空の暗いところに行けば、まだまだ見えています。月明の影響をうまく避けながら、是非探してみてください。 |
2015年4月27日朝のラヴジョイ彗星(C/2014 Q2)
10cmF6屈折望遠鏡 APS-Cデジカメ一眼レフ
30秒露出(コンボジットなし)
セレストロンAdvanced-VX赤道儀使用
富士山須走口五合目 |
(2015年4月27日) |
製品のテストに出かけたついでに、彗星も狙ってみました。標高800mとは言え埼玉では空は明るく、少し薄雲があったせいもあり、FH-842RF双眼鏡では彗星の姿は確認できませんでしたが、写真ではまだ十分に撮影できます。彗星の右にある星団はNGC188です。ちょうど2年前のPan-STARRS彗星(C/2011 L4)も同じ日にほぼ同じ位置に見えていたのを思い出します現在彗星は約2.2AUの距離にあるのですが、それでもまだこれだけの明るさを保っているということは、実はけっこう大きな彗星だったということですね。
そろそろ双眼鏡では見納めかもしれませんが、空の暗いところに行けば、まだ見えてると思います。来週末は北極星への接近も控えています。是非探してみてください。 |
2015年5月22日朝のラヴジョイ彗星(C/2014 Q2)
PV80E55+レデューサー(80mmF3.8相当)
APS-Cデジカメ一眼レフ
30秒露出(コンボジットなし)
セレストロンNexstar EvolutionJ架台使用
埼玉県刈場坂峠 |
(2015年5月22日) |
■彗星のみつけかた
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●5月3日〜5月31日の午前3時00分ごろの北の空
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このファインディングチャートは東京での明け方3時00分ごろの北の空の図です。大阪では約20分後・福岡では約40分後がほぼ同じ空になります。これより早い時間や遅い時間に見るときには、チャートを見えている星と対照するように回転して使用してください。チャートには4等星までの星を載せています。日付のある水色の●が、その日の彗星の位置を示します。地球からだいぶ遠ざかり、毎日の移動が小さくなりましたので、2日おきの位置を書き込んであります。
ラブジョイ彗星(C/2014 Q2)は、カシオペヤ座から天の北極に向かって移動していきます。カシオペヤ座δ星ルクバー(2.7等星)を視野に入れて、北極星のほうに移動する(赤道儀の場合は赤緯微動を北に回す)だけで視野に入ってくるはずなので、とても見つけやすいです。5月29〜30日にかけては、ほぼ天の北極を通過して。北極星に見かけ上大接近します。この前後は、固定撮影でも彗星の姿を捉えられるでしょう。また赤道儀では逆に正確な追尾をすることが難しくなります。
彗星はこの時期、彗星は一晩中沈まず、一晩中見えています。5月19日に新月を迎えますので、この前後数日は夕方・明け方のどちらの空でも良い条件で見られますが、5月15日ごろより前は夕方の空・5月22日より後は明け方の空のほうが、月の影響を受けずに見ることができます。月明や天候によって、条件のよい時に見つけてみてください。彗星の明るさは、引き続き7〜8等くらいを維持すると思われますので、双眼鏡や小望遠鏡でも十分に捉えられるはずです。
彗星を見つけるときは、下に掲載した当社オリジナル双眼鏡など、なるべく視野の広く(倍率の低く)口径の大きな双眼鏡や、2インチ広視界アイピースや焦点距離の長いアイピースを使って倍率を低くした望遠鏡で探してください。望遠鏡の場合は、天体自動導入装置があると大変便利です。 |
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天体自動導入望遠鏡をお持ちの方は、右の座標を入力すると自動導入ができます。
●Meade AutoStarおよびAutoStar IIの場合
Object→User Object→addで座標を入力してデータを追加してから、その追加したデータを「Select」すると自動導入します。
●Meade AutoStar III(LSシリーズ)の場合
Objectモード(天体の選択モード)でコントローラの一番下にある「MODE」キーを押して現在の座標を表示してから「GOTO」キーを押し、目標の座標を入力してから「ENTER」キーを押すと、目標の座標を自動導入します。
●Sky-Watcher SynScan(日本語版)の場合
カタログの選択モードでユーザーキー(9キー)を押し、「座標の入力」を選択→「1)RA-Dec」で1キーを押して座標入力→任意の番号に保存してから、その番号のデータを「座標の取得」で呼び出し、確認キーを押して自動導入します。
●NexStar+(日本語版)の場合
Menuキー(7キー)を押して、「マニュアルにて赤経 赤緯を設定・移動」を選択して座標を入力し、Enterキーを押して自動導入します。
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ラヴジョイ彗星(C/2014 Q2)の座標
(日本時間3時00分)
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日付 |
赤経(R.A.) |
赤緯(Dec.) |
5/23 |
00h58m.1 |
+86゜25' |
5/24 |
00h49m.7 |
+86゜52' |
5/25 |
00h38m.2 |
+87゜18' |
5/26 |
00h21m.9 |
+87゜44' |
5/27 |
23h57m.5 |
+88゜09' |
5/28 |
23h18m.9 |
+88゜32' |
5/29 |
22h15m.5 |
+88゜51' |
5/30 |
20h37m.8 |
+89゜01' |
5/31 |
18h47m.3 |
+88゜58' |
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ラヴジョイ彗星(C/2014 Q2)軌道要素
近日点通過 = 2015/01/30.06940(TT)
近日点距離 = 1.2903564 AU
近日点引数 = 12.39511
昇交点黄経 = 94.97561 (2000.0)
軌道傾斜角 = 80.30219
離心率 = 0.9977921
(Ephemeris from M.P.E.C. 2015-B177 Culculated by G. V. Williams )
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