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12月8日(日)宵 土星が月に隠される

当日の様子 埼玉県鴻巣市にて撮影
セレストロン CPC1100-J + HyperStar
マイクロフォーサーズミラーレスカメラにて撮影

動画からのキャプチャー 潜入時

出現時
現象の全過程をダイジェストにしたMP4ムービー(169MB)はこちら
YouTubeからも見ることができます
 今回の土星食は、冬型の気圧配置で太平洋側を中心に良い天候になり、このページの最後の簡単アンケートからも、見えた!という報告を各地から多数いただいています。ありがとうございます。

 私はプライベートの予定が入っていたのですが、この土星食はなんとか見たい!と用事を中抜けして、開始15分前から駐車場の片隅に望遠鏡を組み立てて撮影しました。1台しかセッティングできるスペースがなかったので、モニタの画面を見ながらゆっくりと土星が月の向こう側に隠れる様子をライブで見ることができました。

 次に日本で見られる一等星の食は、今年12月24日未明(25日深夜)のスピカ食が、北海道を除く全国で良い条件で見ることができます。是非次の機会にも、多くの方々に空を見上げていただきたいと思います。

 2024年12月8日(日)の宵空で、土星が月に隠される「土星食」という現象が見られます。日本で夜に土星食が見られるのは、2002年3月20日以来約23年ぶりです。
2002年1月25日に見られた土星食の様子  
クリックすると当日の様子の画像を見ることができます→
●星食とは?
 星食のお話をする前に、天文現象で言う「食」についてお話しておきましょう。文字通り、天体が「食べられる」現象のことをいいます。もちろん、誰かが星をパクパク食べてしまうわけではないので、何らかの自然現象が起きるわけです。

 有名なところでは、「日食」と「月食」があります。日食は、地球からの見かけ上太陽の前に月が入り込んでくることによって、太陽が月に直接隠される現象です。太陽と月と地球上での見る場所の位置関係により、太陽全体が隠されるものを皆既日食・見かけ上太陽の中に月がすっぽり収まってしまい、リング状に太陽の光が見える金環日食・太陽の一部だけが月に隠される部分日食の3種類があり、2023年4月8日には、千葉〜沖縄までの一部で部分日食が見られました。

 一方「月食」は、太陽の光によって照らされている月が、地球の影の中に入ることによって見えなくなる現象です。日食とは違って、直接月を何かの天体が隠しているわけではありません。しかし、ちょっと視点を変えると、月から見たときに、太陽が地球によって遮られている状態、つまり月での日食が起こっていると考えられるわけです。最近日本で見られた月食は2023年10月29日の部分月食がありました。
 これらの「食」は、宇宙空間での天体の位置関係が相互に直線上に並ぶことによって、より遠方にある天体が隠されることを差しています。日食の場合は、太陽・月・地球の順に並んだ時に起こり、月食の場合は、太陽・地球・月の順に直線に並んだときに起こることになります。

 なぜ、このように天体と天体が一直線上に並び、日食や月食が起こるのでしょうか?。その理由は月の公転が大きく関係します。月は地球のまわりを約一カ月かけて一周しています。それは地球上から見ると、天球上を少しずつ移動しているように見えることになります。ですから、その日・その時間で月の見える場所は少しずつ違っているわけです。

 その天球上を移動している月が、私たちからの見かけ上その向こう側の星の手前を通過するときに星食が起こります。今回の土星食では、土星・月・地球が一直線上に並び、見かけ上土星の手前に月が入り込んでくることにより、月が土星を隠す現象です。
●どこで、どうやって見える?
 今回の土星食は、12月8日(日)の宵空の、南の空の高いところにある月が、土星を隠します。建物や山などで空がさえぎられていなければ、どこでも見ることができます。
2024年12月8日の土星食
東京で南西の空を見た様子のシミュレーション
月の位置の関係で、場所によって見え方が異なります。
Java scriptの関係で上の図が見られない場合はこちら
 土星食は、日食と同様に地球の周りを周っている月によってその向こう側にある土星が隠される現象なので、地球上の場所によって見えかたや時間が変わります。具体的には、下の地図の赤い線より東(南)側では土星がすべて月に隠され、青い線より西(北)側では土星は月に隠されずにすぐ近くを通過していきます。赤い線と青い線の間の地方では、土星の一部を月をかすめていく様子を見ることができます。
今回の土星食が見える地域
赤い線より東(南)は土星全体が月に隠され、青い線より西(北)は土星が隠されません。
赤い線と青い線の間の地域では、土星の一部を月がかすめていく様子が見られます。
GPSを搭載したスマートフォンなどから、現在地と限界線を確認できるGoogle mapを
こちらに用意しています。
2024年12月8日(日) 土星食の時刻(日本時間)
地名 一部が隠される 全部が隠される

一部が出る

全部が出る
釧路 18:45 かすめていく 18:54
札幌 隠されない(最接近18:47)
秋田 18:37 かすめていく 18:49
仙台 18:27 18:29 18:58 19:00
新潟 18:29 18:31 18:51 18:53
東京 18:19 18:20 19:00 19:01
大阪 18:20 18:22 18:45 18:47
岡山 18:27 かすめていく 18:35
高知 18:19 18:22 18:37 18:40
福岡 隠されない(最接近18:25)
宮崎 18:17 18:22 18:27 18:33
那覇 17:54 17:55 18:27 18:39
石垣 17:52 17:57 18:07 18:11
●上記の時刻は土星本体が月に隠される/出る時刻を記載しています。場所によっては、より早い/遅い時間に輪の部分が隠される/出る場合があります。
●土星本体の視直径は17.2″(角度の秒)あるため、月に隠されたり出てきたりするのに1分〜数分程度時間がかかります。かかる時間は、月に隠される位置によって変わります。
2024年12月8日の土星食の各地での潜入・出現の位置
土星の大きさは、月と比較して実際より大きくしてあります。
月面の傾きは、東京で19時ごろに南南西の空を見たときの角度に合わせてあります。
時間と場所によって多少月面の傾きが変わりますが、
潜入・出現の位置は月面座標に対してマッピングしています。
 星食の観察は、その星の明るさと月齢、そして月の高度が関係し、これらの条件が整う機会はあまり多くありません。今回の土星食は夜18〜20時の南の空高くで起こり、上弦の月でそれほど明るくないので肉眼でもその様子を確認できる絶好の機会です。
 上の図は、土星の潜入と出現の場所を示したものです。 潜入の時は、月の太陽に照らされていない側になるので、肉眼でもその様子を確認できるはずです。出現の時は、月の太陽に照らされている明るい側になるため、肉眼でその瞬間を見るのは難しいかもしれませんが、望遠鏡を使えば、上の図の月面の模様を参考にして、記載の時間の2分くらい前から潜入する位置を注意深く見ていると、ゆっくりと土星が出現する様子を見ることができるはずです。望遠鏡で倍率を上げて見てみると、土星が数分かけて少しずつ月の向こう側から出てくる様子を見ることができます。

●コラム● 月と土星までの距離を感じてみよう!

 今回の土星食では、月までの距離は光の速さで約1.2秒で、土星までの距離は光の速さで約80分ですから、土星は月までの約4000倍遠いところにあります。しかし、土星は月の直径の約34倍の大きさがあるので、見かけ上月は土星の約110倍の大きさに見えていることになります。このようにして、距離と大きさをイメージしながら現象を見てみると、私たち地球を含めた太陽系の位置関係を立体的に実感できると思います。

●土星食をより楽しむためのTips
天体望遠鏡で見てみよう!
 今回の土星食は、宵空の高いところで起こる現象で、肉眼でもその変化を楽しむことができますが、土星を天体望遠鏡で見ると、丸い本体とそれを取り巻く輪を見ることができます。この輪は、土星の直径(約116,000km)に対してわずか20mの厚さしかない円盤のため、地球から見て真横になったときと太陽に対して真横になったときには、見かけ上輪が消えたように見える現象が起こります。次に土星の輪の消失が見られるのは来年3月24日と5月7日で、それに向けて日に日に輪が針のように細くなっていく様子を見ることができます。今回の土星食は、ちょうどこの土星の輪が細くなったタイミングで起こることになります。

 土星の輪を見るには、天体望遠鏡を使ってだいたい50倍以上に拡大して見る必要があります。土星食では、月に隠され始めてから終わるまで数分程度・現象全体では1時間近く時間がかかるので、天体自動導入装置のついた望遠鏡を使うのがおすすめです。月に隠された後に土星が現れる位置も、自動追尾機能で導いてくれます。当社オンラインショッピングおすすめラインナップでは、天体自動導入装置を標準装備した望遠鏡を各種ご用意しています。

Nexstar Evolution 6-Jで撮影した土星
MZT824RF ズームアイピース使用
マイクロフォーサーズミラーレスカメラ
2024年8月3日撮影 
同時に撮影したMP4動画はこちら(7.4MB)

おすすめラインナップ掲載の入門用天体望遠鏡
どの機種でも土星食をお楽しみいただけます
動画撮影に挑戦!
 土星食は時間の経過とともに変化がある現象なので、天体望遠鏡にミラーレスカメラなどを取り付けて動画をシェアすれば、より多くの方々と現象を楽しめるでしょう。当社オリジナルMZT824RF ズームアイピースは、一眼レフやミラーレスカメラを望遠鏡に取り付けて、月や惑星を撮影するのに大変便利です。対象の明るさや大きさに合わせて拡大率を変えられるので、特に動画撮影では威力を発揮します。
 また、月も土星も、望遠鏡にスマートフォン内蔵のカメラを取り付けて撮影することができます。この場合も、MZT824RF ズームアイピースを使用すると便利です。さらに、スマートフォン to スコープアダプタを併用してアイピースに固定すれば、安定した動画撮影もできます。
 今年はこの土星食の他、12月24日にはスピカ食も見られます。星食をはじめとした「食」は、とてもライヴ感覚のある天文現象なので、一度見てみるととても感動するものです。当社の毎月の星空案内のコーナーでは、このほかにもいろいろな天文現象を紹介しています。また、星食はもちろん、星空を気軽に楽しむことができる双眼鏡や望遠鏡を用意しています。この機会に是非お求めいただき、ご自身の目で宇宙の星々が繰り広げるショーをお楽しみください。

商品は十分在庫をご用意しておりますが、現象の日時が近づくと、注文が殺到し品切れになることもあります。ご注文はお早めにお願い致します。

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