2005年10月17日以来約1年ぶりとなる月食が、9月8日(金)の未明(9月7日(木)深夜)に見られました。当社の事務所のある埼玉では、厚い雲のため見ることができませんでしたが、北海道や九州など一部の晴れた地域では美しい満月がかける様子を見ることができました。

 次回日本で見られる月食は、2007年8月28日宵に起こる皆既月食となります。


 普段月は、太陽の光りに照らされて私たちにその姿を見せてくれているのですが、右の図のように太陽と地球・月が一直線上に並び、地球の影に月が入ることにより太陽の光を遮られるときに「月食」が起こります。その中でも「皆既月食」と呼ばれる現象は、月が地球の影にすっぽりと入ってしまう現象で、反対にすべてを隠しきることができない月食のことを「部分月食」と呼んでいます。

2006年9月8日(7日深夜)の月食の主な現象の時刻(日本時間)

半影食のはじまり

01.42
※下記参照

本影食のはじまり

03.05
月が地球の影に入りはじめる

食の最大(6.8%)

03:51
月が地球の影に最も入り込む

本影食のおわり

04:38
月全体が地球の影から抜ける

半影食のおわり

06:00
※下記参照
※半影食とは、太陽の光の一部だけが地球に遮られることにより、月が少し暗くなる影のことを言います。肉眼でははっきりとわからないかもしれませんが、望遠鏡でフィルターなどをかけて月の光を少し暗くしてみると、一部が薄暗くなっているのがわかります。

 今回の月食の起こる時間は上の表の通りです。左の画像は東京での月の欠け方のシミュレーション画像です。他の地方でも、ほとんどおなじように見られます。全国的に未明の西の空の高いところで見られますから、とても見やすい天文現象になります。ただし、現象の後半は月の高度が低くなってくるため、なるべく西の空の開けた場所で観測すると良いでしょう。

 今回の月食は、最も月が大きく欠けるときでも月の直径の約18.9%と、欠ける部分は少ない月食です。しかし、その変化は肉眼でも十分確認できます。月が地球の影に隠れるのは3:05からですが、実際にはその前から、太陽の光の一部を地球が隠しはじめるため、月の一部が減光する「半影食」がはじまっています。2:30ごろには、肉眼でも解る程度の変化を見ることができるかもしれません。その変化の様子を、是非継続して観測してみてください。

 さらに、望遠鏡や双眼鏡を使用すると、欠け際のクレーターの様子などもお楽しみいただけます。毎月の星空紹介のページでは、月食の観測にも最適な望遠鏡を揃えております。是非この機会にお買い求めいただき、宇宙で繰り広げられる天体ドラマを、ご自身の目でごゆっくりお楽しみください。

 また、満月を大口径の望遠鏡で見ると非常にまぶしいため、ムーングラスを使って減光すると、長時間継続して観測することができます。各望遠鏡のオプションとして用意されていますので、この機会に是非お求めください。


東京での月食の起こる様子のシミュレーション
より西の地方では、この図より高い空で現象が起こります。

●おまけ● 天王星を見てみよう!

 今回の月食の最中、そのすぐ近くにもうひとつ面白い天体か見えています。月の右下のところに5.7等星で光っている天王星です。天王星は、地球から光の早さで160分の距離にある惑星で、肉眼ではほとんど見ることができない天体ですが、普段でも望遠鏡を使えばその姿を見ることはできます。距離が遠いため、土星や木星のように表面の模様や輪を見ることはできませんが、他の恒星とは明らかに違う、青みがかった丸い星として見ることができます。

 すぐ近くに月食中の月がいるため、空が明るく少し見つけにくいかもしれませんが、それでも月を視野から外せば十分に見つけられる明るさです。是非この機会に見つけてみてください!。

 月食中の月と天王星の位置関係を示した図を用意しました。画面表示用 プリントアウト用 この図は、経緯台指揮の望遠鏡でも探しやすい用に、地平が下になるように作図しています。

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