アンドロメダ座の頭は、馬のへそ?
「アンドロメダ」という名前は、皆さんも一度は耳にしたことがあると思います。でも、それが星座の名前だということを知っている人は、意外と少ないかもしれません。今回、そんなアンドロメダ座の星たちを探ってみましょう。
アンドロメダ座を見つけるには、「秋の四辺形」とよばれるペガスス座から探す方法が一般的です。ペガススの四辺形のうち、いちばん北東よりにある星は、実はペガスス座ではなくアンドロメダ座の星なのです。この星がα(アルファ)星『アルフェラッツ』と呼ばれる星です。アルフェラッツは、太陽系から約100光年の距離にある星で、太陽の100倍もの明るさで輝く青白い2等星です。
アルフェラッツとは、アラビア語で「馬のへそ」という意味で、星座として描かれている天馬ペガススのおなかのところに位置する星なのでこう呼ばれているようです。
このように、アンドロメダ座のα星であるアルフェラッツは、ペガスス座と密接な関係を持っています。実は、20世紀になるまでは、この星はペガスス座のδ星でもあったのです。しかし1つの星が2つの星座にまたがって2つの名前を持つのはまぎらわしいので、1929年に開かれた国際天文連合(IAU)総会で、現在のように星座の境界線が決められ、アルフェラッツはアンドロメダ座のα星として決定しました。そのため現在では、ペガスス座にはδ星はありません。
(写真の上にカーソルを移動すると、星座絵が表示されます)
☆ワンポイント:星座の中に付けられている「α」「β」「γ」などのギリシャ文字は「バイエル名」と呼ばれるもので、17世紀のドイツの天文学者バイエルが星図を作る際に、それぞれの星座の星々を区別するために、おおよそ明るい星の順にギリシャ文字を与えたものです。 |
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