スカイセンサー2000は1997年3月から出荷がはじまっています。初期に出荷されたものには一部問題のある物もあったようですが、今回は、Ver.1.05を使用してテストを行いました。
テストは、この画像のように当社のベランダにGP赤道儀を極軸を合せずに(だいたいの北の方角に極軸を向けただけ)設置した状態で行いました。鏡筒にはタカハシFC-76を、オートガイダー用としてFC-50を使用しました。
初期位置から基準星としてしし座のレグルスとこいぬ座のプロキオンを選んでそれぞれの星を視野の中心に入れます。基準にする星を指定して「GOTO」を押したあとは、ファインダーで確認できる領域まで自動的にモーターで導入してくれますから、その後クロスキーを使って視野の中心に導きます。
その後、「ワクセイ」メニューから火星を選択し導入してみると、50倍の視野の中心にどんぴしゃりと入ってきました。極軸はけっこう外れているようで、両軸のモーターがこまめに動いている様子がわかります。モーターの動作音は恒星時追尾のときでも比較的大きくて、実際の屋外使用ではけっこう目立つかも知れません。
今回は、導入精度を見ていただくために何枚かの画像を撮影しました。天体を指定し導入した後、修正していないままの画像を掲載していますので、どの程度の精度なのかもお解りいただけると思います。CCDカメラには武藤工業CV-04を使用しています。600mmの直焦点ですので、35mm版カメラに換算すると約2000mmの直焦点撮影と同じことになります。
また、MeadeのオートガイダーPICTOR201XTと接続して、オートガイドによるテストも行いました。ギアのバックラッシュと足場の不安定なベランダによる影響で若干星像が伸びることもありますが、20分露出でもまったくガイドミスは見受けられません。GP赤道儀のコストパフォーマンスを考えると充分といえるのではないでしょうか。
気になる点としては、電源を思ったより喰うことです。メーカー公称値では、乾電池で20度のもとで10時間使用ということになっていますが、今回のテストでは12ahのシールドバッテリの満充電で、8時間使用で使用不能になりました。モーターの特性で、ギアのかみ合わせ(かなりきつめにかみ合わせてみたので)やバランスの状態・自動導入の回数などにより変わってくると思いますが、予備のバッテリは必ず用意したほうが良いかも知れませんね。
テスト画像のダークフレーム処理が不良のため、画像に黒い点が多数見えてしまっています。撮影はビニング無しで行いましたが、画像容量を軽くするため1/4の解像度に落としてあります。
M51(5分露出 赤フィルター オートガイダー不使用)
M65(20分露出 赤フィルター オートガイダー使用)
NGC4565(20分露出 赤フィルター オートガイダー使用)
M27(3色合成カラー 赤10分・緑・青各20分露出 オートガイダー使用)