独り言スペシャル Stargazerの北海道珍道中

 私は昔から旅行が好きで、全国いろいろなところに出かけているのですが、北海道にはここ2−3年出かけていませんでした。そこで、北海道の取引先への営業も兼ねて、久しぶりに旅行に出ることにしました。
 著名な観光地はほとんどまわってしまったし、あえて行きたいところは時間がかかってしまうところばかりなので、今回はいかにお金をかけずに回れるかに重点をおきました。いままでなら「ニューワイド周遊券」を使って特急や急行の自由席をバリバリに使ってまわる場合が多かったのですが、思い切って「青春18きっぷ」を使ってみることにしました。
※青春18きっぷについて
 国鉄時代の12年前から、全国の国鉄(JR)全線の普通列車と連絡船に乗りほうだいの切符として発売されています。学生の休みの期間に合せて、春・夏・冬の3期発売され、当初は1日間有効の切符が5枚綴りで発売されていましたが、今年から1枚の切符でのべ5日間有効の形に改まりました。乗れる列車は、「普通列車」ならOKで、快速列車も含まれます。指定席の列車やホームライナーなども料金を払えば乗ることができますが、グリーン車や寝台車(今はありませんが)には乗車できません。
 北海道を青春18きっぷで旅行するときには、「普通列車の走っていない区間」と「本数の極端に少ない区間」に注意してプランニングする必要があります。また、乗り継ぎも非常に時間が悪いこともあるので、今回のように短期間でまわるためにはかなり無理が生じます。まぁ、実際どうまわったのかは、これからの旅行記を楽しみに読んでみてください。

8/25
 8/23から新潟県黒川村の胎内平で行われた「胎内星まつり」が、この日終了しました。当初の計画では、このイベントが終わった後、車で新潟港からフェリーで小樽に向かうことも考えていたのですが、いかに安く行くかを考えて、一旦帰ってから18きっぷで出かけることになりました。会場を一足早く後にして、自宅に昼過ぎに帰ってきました。
 車から荷物を下ろして一休みしてから出かける準備を整え、バスに乗って最寄り駅の蓮田に向かいます。日曜日の夜の上りのバスなので、お客さんは私たちともう1人しかいません。
 蓮田発20:23の668Mは、毎度おなじみの115系(クハ115-168)です。上野で乗り換えのため3・4番線ホームで待っていると、山手線と京浜東北線が同時に入ってきました。今回同行のカドクラ氏は山手線で、私は京浜東北線で東京に向かいます(別行動には意味はありません)。カドクラ氏によれば、山手線の205系は加速が悪いと言っていました。
 東京からは、高速バスで青森に向かいます。21:30発の「ラフォーレ号」青森行きは、今日は5台のバスで運行されています。私たちは2号車のJR東日本(関東)バスに乗り込みます。他に、京浜急行・弘南交通・JR東日本(東北)のバスが見えています。2号車は定員29人のところ27人乗車でした。定時に発車して、宝町ランプから首都高速にはいります。途中工事渋滞に巻き込まれながら、いつも自家用車で通っている道のりを走り、東北道にはいります。浦和料金所を出たところでカーテンが閉められ、おやすみモード。私もすぐに寝入ってしまいました。

8/26
 外が明るくなっているのに気づいて目覚めると、もう秋田県内に入った様子。鹿角八幡平ICを通るころでした。薄いもやの中を快調に走っています。やがて朝日が昇ってきて、青森ICをでるころには快晴になりました。
 青森駅には定時より早い6:45に到着。しばらく待合室で休息を取ることにしました。まだ切符を購入していなかったので、青森駅の窓口で購入しました。1枚の切符に5つの日付記入欄があり、ここに使う日の日付を入れてもらうわけですが、ぱっと見では日付がわからないのでは・・・と思うような配置のしかた。改札でも日付欄を良く見えるようにしなければと思いました。
 7:00ごろに改札を入ってホームへ。東北地方は夏休みが短い学校もあって、今日から2学期という学生の乗った列車が次々とやってきます。5番線ホームには14系客車が止まっています。これが7:29発「海峡1号」になる列車です。まだ機関車は連結されていませんでしたが、すでにドアが開いています。2号車のオハ14-529に席をとりました。この編成は、前日札幌からきた夜行急行「はまなす」の編成で、他の海峡号の50系5000番台に比べるとシートもリクライニングして良い心地です。朝食がわりにホームの駅そばを食べていると、牽引機のED79がやってきました。
 7:29定時に青森を出発。青函トンネルを抜けて北海道に上陸して最初の駅「知内」に停車します。トンネル設備保守の人のために停車しているような駅なので、乗降客はほとんどいません。木古内から江差線に入ると、車窓に函館山と市街地が見えてきます。10:02定時に函館に到着。青森を出たときとそれほど気温は違いないように思いました。
 カドクラ氏とは、一昨年の冬にも函館に来ており、このときは檄寒の中を函館山に登って、大谷地温泉に入って札幌に向かったのですが、今回は市電の駒場車庫を見に行きました。ここの車庫はいつきてものんびりしていて、到着する列車の間隔を見ながら電車の出し入れをしたり、車両の整備や清掃をしている風景が見られます。以前は本線のポイントが手動式で、車両の出入りのときには係員がポイントを棒で切替に行く姿が見られたのですが、今は自動化されているようです。
 再び函館駅にもどり、朝市で有名な駅前市場で昼食を取りました。函館に来るといつも寄る「天狗食堂」でおいしい丼物を食べてから、14:06発の長万部行2843Dに乗り込みます。キハ40の3連で、七飯と森でそれぞれ1両ずつ切り放して、長万部まで行くのは前の1両だけです。青春18きっぷで同じことを考えている人は、こういう列車の薄い区間ではどうしても集まってしまうので、長万部行の車両はすでに満員。私たちは森まで2両目のキハ40-837で行くことにしました。
 天気がいいので窓を全開にして北海道の空気を楽しみます。大沼や駒ヶ岳・内浦湾の風景を楽しみながら、森で前の車両に乗り移って、長万部17:20着。ここが別れ道で、「山線」とよばれる函館本線経由と「海線」と呼ばれる室蘭本線・千歳線のどちらでまわっても、札幌にはおなじくらいの時間に到着します。現在のメインルートは海線で、定期の特急列車はすべて海線を通っています。一昨年の冬は山線経由だったので、今回は海線経由で行くことにします。
 17:34発の491Dは新型気動車のキハ150-102です。北海道にも新型気動車が続々と登場していますが、このキハ150は従来の気動車の老朽化置き換え用に作られたもので、インタークーラー付450馬力のエンジンを搭載しています。いままでのキハ40がターボ付220馬力ですから、大幅なパワーアップです。乗っていても、まるでバスのような加速力で、軽々と100km/hまで出してしまいます。他の新型気動車と違って、このキハ150-100番台にはクーラーがついていないのが、北海道らしいところですね。
 圧倒的な早さで19:05に東室蘭に到着。始業式初日のためか、高校生がたくさんいます。貨物輸送が盛んだったときは、この東室蘭周辺は大規模なヤードがあったところなのですが、今は広大な敷地だけが暗やみの中に広がっていて、市街地が明るいだけに余計に寒々として見えます。そのヤードの向こうから、4つのヘッドライトを輝かせて711系電車3連が入ってきました。19:40発455Mのクハ711-32に乗車します。電化区間なので速度も早く、国道沿いにはパチンコ店などがあってけっこうにぎやかです。
 約1時間で苫小牧に20:41着。となりのホームの20:44発2849Mに乗り換えます。721系の6両編成で、車内はガラガラです。721系は北海道用近郊型電車の決定版として'88年にデビューし、乗降をスムーズにするため片側3扉になっていますが、寒冷地を走るため客室はデッキで完全に仕切られているため、1両に2つの部屋があるような構造になっています。北海道用の車両は、冬の外気の進入を防ぐため窓が2重窓になっていて、大きさも小さいのが普通でしたが、この721系は大きな1枚窓となり、デッキとの仕切りにも大きなガラス窓があって解放感があり、パーティションにも明るい色が取り入れられていて独特の雰囲気があります。私個人としてはJR西日本の221系と並んで高い評価をしている車両です。
 途中の上野幌で「スーパー北斗19号」の通過待ちをして、札幌に21:54着。地下鉄で札幌バスターミナルに向かいます。札幌の地下鉄はゴムタイヤ駆動になっており、普通の鉄道のようなレールはありません。乗っている分には静かなのですが、駅の発車・到着時には意外と大きな音がします。
 北海道中央バスの札幌ターミナルは、大通から1本入ったところにあって、道内各地にバスが発着しています。私たちはここから網走行きの夜行バスに乗ります。つまり2夜続けてバス車中泊です。近くのコンビニで弁当を購入してロビーで食べてから、23:30発のバスに乗り込みました。予想に反して東京発着の高速バスと同じ3列シートで毛布などのサービスもまったく同じでした。昼間のバスと同じ料金なのでどうかな?と思っていましたが、これはラッキーでした。

8/27
 このバスは、旭川まで高速を走って、国道39号線で層雲峡を通って行くのですが、夜なのでなにも見えないし、かなり疲労もたまっているのでぐっすりと眠ってしまいました。途中の下車地である北見で半分位の乗客がおりて、定時よりちょっと早い5:50に網走駅前に到着しました。
 経度が東にある分、朝もとても早くて、もう太陽が高いところに昇っています。駅前はまだ人影はほとんどなく、車が時折通過するだけです。網走駅の少し北側の線路際で、「オホーツク9号」の到着風景を撮影するためにしばらく待機していました。8年前にここに来たときも、同じ場所で列車を撮ったのですが、その時に比べて1本線路が少なくなっています。かつて網走からサロマ湖畔を走っていた湧網線の線路が無くなっているのです。
 再び網走駅に戻って駅弁を購入してから、6:44発の釧路行4723Dに乗り込みます。列車はキハ40と54の2連で、キハ54-526の方に乗りました。キハ54はオールステンレスのボディにターボ付250馬力のエンジンを2台積んだハイパワー型で、在来型と言われる気動車と新型との中間的な存在になっています。このハイパワーを生かして、かなり早い速度で加速を繰り返しながら走ります。最近車内の座席を変更して、中央にテーブルつきのボックスシートができたので、もちろんその席を取りました。
 芽沼付近から釧路湿原の中に入っていきます。湿原の緑が目にまぶしい。この区間はあとでゆっくり見れるのでうとうとしているうちに釧路市内に入ってきました。少し列車が遅れているようなので、一つ手前の東釧路で下車して、次に乗る列車を待つことにします。
 10:08、向こうからトコトコとデイーゼル機関車を先頭にゆっくりと列車がやってきました。今回の目的の一つの「釧路湿原ノロッコ号」です。現役を引退した無蓋貨車を改造して作ったトロッコ車や客車を連ねて、40km/hでゆっくり走る企画列車です。私たちは機関車の直後の車掌車デッキに乗車しました。機関車のエンジン音が間近に聞こえ、湿原の風と機関車の熱風が入り交じって流れてきます。車内には、市内の幼稚園の団体が陣取っていて、なかなかにぎやかです。団体旅行の観光客も多く見られます。ゆっくりとした速度で小さなアップダウンを乗り越えながら、折り返し駅の塘路に少し遅れて到着しました。
 列車は、牽引機がDE15-2508・塘路側から、ヨ4350・トラ71422・スハフ42-2245・オハフ51-4の編成です。DE15は冬期は除雪用に使用されるため、除雪用ヘッドを取りつけるアダプタが前面に付いています。11:39に塘路を出発して、再び釧路に12:31着。他ではなかなか体験できないのんびりとした楽しい列車でした。
 駅弁を購入して、13:16発の新得行2526Dに乗りこむ。キハ40-737の単行で、車内は20人くらいの乗客です。途中駅で列車の交換を繰り返しながら東へ進みます。池田からは学生たちがどっと乗り込んできました。ここで帯広から来た2527Dと交換し、2527Dに付いてきた1両をこの列車に増結して出発です。幕別でさらにたくさんの高校生が乗車し、車内は満員状態に。しかし、私たちは次の札内で下りなければならない。16:42札内着。学生の海をかき分けてなんとか下車。ホテルに電話で連絡して車で迎えに来てもらいました。
 この日は今回の旅行でたった1回まともに泊まる宿です。幕別温泉という帯広近郊の温泉で、広大な十勝平野を見下ろせる高台に立っています。温泉は単純塩泉で、色はかなり濃い褐色でした。明礬質のようなぬるっとした感覚はなくて、湯上がり感もとても良い温泉でした。
 さすがに2日連続の車中泊ですので、夜はぐっすりと休みました。

8/28
 朝食をすませて駅まで車で送ってもらい、札内8:43発の帯広行に乗る。来た列車はキハ40の後ろに北海道ちほく鉄道のレールバスがついていました。もちろんレールバスの方に乗車します。北海道ちほく鉄道は、旧国鉄の池北線を地元第3セクターが引き継いで運営しているもので、一部の列車がこのように帯広まで直通運転しています。1駅で8:49着。本来はこの列車がそのまま快速「狩勝」になって滝川まで行くのですが、今年の夏はダイヤが変更になっているのです。
 帯広駅は現在高架化工事を行っていて、駅の南側の開発も進んでいるようです。降りたホームの向こう側には、「ニセコエクスプレス」が止まっています。これがこれから乗る列車「リゾート狩勝2号」です。道内で展開している富良野観光キャンペーンに合せて運転されているもので、快速列車なので青春18きっぷでももちろん乗車できます。自由席は1両しかついていないので、混んでいれば\300足して指定席に乗ってもOKです。今日はそれほど混んでいないので、そのまま自由席に乗り込みます。
 北海道には、ニセコエクスプレスをはじめとして「リゾート列車」と呼ばれる列車が5本走っています。これらの列車は、航空会社や旅行代理店などが1シーズンを貸し切って運転する団体臨時列車として使用する目的で作られ、特に冬のスキーシーズンを中心として使用されています。それぞれリゾート列車として在来の特急・急行には無い特徴をもっており、北海道の雄大な展望を楽しめる構造や列車旅を楽しむためのフリースペース・食堂車などが用意されています。
 この「ニセコエクスプレス」は'88年12月から運転を開始しており、それまでの3本が在来車の改造で作られたのに対して、初の新製時からのリゾート列車として作られました。名前の通り冬のニセコへのスキー列車として使用されるため、前面展望よりも居住空間の快適さや走行性能を重視した作りになっており、深屋根構造による高い天井やフルバケットシート・各座席に取り付けられた液晶テレビなど様々な装備がされています。クーラーが床置きの可動式になっており、クーラーを使用しない冬場はこれを取り外してスキーなどの荷物置き場として使用できるユニークな装備も持っています。エンジンは当時の特急用に使用しているインタークーラー付330馬力を2台積んでおり、函館本線の急勾配でも高速運転が可能になっています。
 帯広を9:03に出発し、富良野に向けて十勝平野を走ります。列車としては、普通の快速列車とおなじダイヤで走っているため、エンジンパワーを持て余し気味です。座席の液晶テレビでは、前面展望と映画が放送されています。新得を出発すると、狩勝峠を登り始めます。北海道の鉄道の中でも最も雄大な風景が楽しめるとともに、最も過酷な峠越えでもあります。SLが走っていた時代には、現在のルートと異なるもっときつい勾配を登っていました。畜産試験場の国営農場の中を大きなスケールのS字カーブを快調に登っていきます。先ほど出発した新得の町並が眼下に見えるようになると、長い新狩勝トンネルにはいります。トンネル出口手前の上落合信号所で下り3425Dと交換して石勝線とわかれ、進路を北に変えて山を下り始めます。速度も一気に早くなりました。
 快適な車内を楽しんで、富良野に11:09着。ホームの反対側で次の列車を待つ。じきに白い美しい車体が見えてきました。「リゾート田園休暇ふらの号」として札幌から特急として運転されてきた「フラノエクスプレス」です。北海道のリゾート列車として2本目に作られた列車で、キハ80系を改造して作られました。先頭車をハイデッカー構造の展望車にして、運転台を低い位置にすることにより、客室から180度の前面展望が楽しめるようになっています。自由席に前側展望車が割り振られているということで、入口に並んで一番前の座席を確保しました。
 11:16に出発。列車としてはここからは快速扱いになるので、このキップでも特別な料金無しで乗ることができます。富良野の田園風景がいっぱいに広がっていく様子は感動ものです。富良野と言えばラベンダーをはじめとしたハーブの栽培で有名ですが、この時期はあまりぱっとした花が無いので色合いとしては少し欠けますが(だから逆にわざわざ下車することも無いと思ったのでした)、緑と黄色のさまざまな組み合わせが丘陵にパッチワークのように広がっています。
 旭川には12:19着。気持ちのよい展望車と別れを惜しみつつ、駅構内のラーメン屋さんで昼食をとって、13:37発の3248Mに乗って札幌へ。以前は旭川からの直通列車は50系51型の客車列車が中心でしたが、客車が全廃された今は711系がここまで来ています。結果的に運転速度も以前より早くなりました。
 滝川で特急と高速貨物列車の通過待ちをしている間に、千歳空港経由で富良野に向かうリゾート列車「ラベンダーエクスプレス」として運転されているリゾート列車「クリスタルエクスプレス」がやってきました。運転席を2階にあげて前面展望を確保した形で、北海道初の2階建て気動車となったキサロハ182も中間に連結されています。
 札幌には16:14に到着。ここで同行のカドクラ氏と別れて、取引先の挨拶に伺いました。そこで聞いたのは、来週北海道の天文同好会が集まってイベントが行われるとのこと。それなら来週くるんだった。。。。取引先を後にして、すすきのから札幌市電に乗って藻岩山に向かう。北海道の夜景というと函館山が有名ですが、ここ札幌の夜景もなかなかのものです。ロープウェイとリフトを乗り継いで山頂に立つと、とっても寒い・・・。しかし、多くの観光客でにぎわっていました。景色としてはたしかに函館の方が「良くまとまって」いて美しいと思うのですが、碁盤の目にきれいに仕切られた街灯の列や遠く見える石狩湾など、なかなか見せてくれる夜景でした。
 再び市電と地下鉄を使って札幌駅に戻り、カドクラ氏と合流。23:30発の函館行「ミッドナイト」に乗り込みます。札幌と函館を結ぶ夜行列車で、キハ56系専用車3両で運転されています。全席指定ですが普通列車扱いなので、指定席料金\300で乗車することができます。3両のうち1両はリクライニングシートの並ぶ「ドリームカー」あとの2両は床にカーペットをひいた「カーペットカー」になっており、指定席を購入するときに好みに応じて選ぶことができます。私たちは足が伸ばせるカーペットカーを選びました。2号車のキハ27-553に乗車し、エンジンの反対側の壁寄りを確保しました。カーペットカーは定員一杯になると一人当たりのスペースがけっこう狭くなるので、先に寝た者勝ち!なのです。今回は多少キャンセルがあったのか、若干空いていたのでそれほど窮屈ではありませんでした。

 8/29
 なかなか快適な車中泊で、明るくなって目が覚めたのは6:00ごろ。大沼が車窓に見えています。函館には6:30に到着。早速朝市を見に行く。連絡船が通っていたころに比べると、たしかに活気が無いかもしれない。市場の中の食堂でイカの刺身定食を食べる。イカが透き通って見えるのは新鮮な証拠です。カドクラ氏は、実家にメロンを送っていました。
 再び駅に戻り、7:53発の「海峡2号」2号車のオハ50-5012に乗ります。まだ牽引機は連結されていません。海峡号用の50系5000番台客車は、本州で使用されていて余剰になった50系客車に北海道向け装備と冷房を搭載したもので、後に最初から北海道向けとして作られた50系51型を改造したものも加わりました。客車の特徴を生かして、必要に応じて最高12両編成まで構成できるようになっています。この日は通常の4両編成でした。
 青森には定時の10:24よりちょっと遅れて到着。上野から奥羽本線経由でやってきた特急「あけぼの」と並んで駅に到着しました。5分の乗り換えで10:29発の特急「はつかり12号」に乗車。1号車のクハ481-350に席を取りました。普通列車だけで帰ると蓮田までたどり着けないので、八戸までの間をこの列車でスキップします。運賃と特急料金を別に払って\2,520です。しばし快適な特急の旅を楽しみます。
 八戸には11:30着。通過待ちをしている530Mに乗り換えます。ここからが長い長い電車の乗り継ぎになるのです。東北地区も最後まで残っていた客車列車が全廃され、今は701系電車が走っています。701系は東北地区の電車化のために製造されたもので、東京で言うと京浜東北線などで走っている209系を東北仕様にした近代的な車両です。電車化されて速度は早くなったものの、ロングシートの車両で2時間近く乗り続けるのはなかなかつらいものがあります。青森・秋田・盛岡地区では、紫の帯を巻いた車両が走っています。
 盛岡に13:19着。駅そばで昼食をとり、14:00発の1542Mに乗り換えます。これももちろん701系。折り返しが学生の通学列車になるためでしょうか、4両編成で運転されています。カドクラ氏が「ベッタラだんご」を買ってきました。
 一ノ関には15:30着。さらに15:37発の540M(またまた701系)で小牛田へ向かいます。学生の帰宅列車になっているので、車内はけっこうにぎやかです。小牛田には16:26着。ようやく701系から開放され、16:35発の1568Mに乗り換えです。この仙台地区にしか走っていない719系(クモハ719-10)に乗車。松島海岸を左手に眺めながら、仙台に17:20着。もうそろそろ電車にも飽きてくる。
 仙台駅は帰宅ラッシュでごった返しています。乗車予定の17:46発福島行586Mの乗車口にも長い列ができています。やってきたのはさきほどと同じ719系でした。ボックスシートに身を沈めて、駅に着くごとに減っていく乗客の様子を眺めていました。福島には19:06着。ここで黒磯行直通まで待っても良いのですが、一足先に郡山まで1144Mで向かうことにします。車両は元急行型455系で、車内は高校生だらけ。とりあえずデッキで車内がすくのを待っていました。郡山には20:05着。夜食とおみやげの「ままどおる」を求めて一旦駅をでて、構内のコンビニで弁当を購入してホームに戻る。20:37発の150Mは719系の6連。車内はかなり空いていて、静かな空気を運んでいました。
 黒磯には21:40着。いよいよ最後の列車になる2527Mに乗り込みます。いつもおなじみの115系8連が止まっています。シートピッチの広い1000番台を探して、モハ115-1046に乗車。カドクラ氏はロングシート部に横になって寝てしまった。この列車は黒磯以南の最終列車なので、宇都宮からは一杯やったあとのサラリーマンらしい人々がたくさん乗ってきた。長い長い電車区間をようやく制覇して、蓮田に23:45に無事到着。最後の一日がいちばん長くて退屈に感じました。

 というわけで、青春18きっぷは1日分が残りました。旅行中かかった費用は、

  東京−青森 高速バス  \10,000
  札幌−網走 夜行バス   \6,100
  幕別温泉宿泊       \7,360
  「ミッドナイト」指定席    \300
  青森−八戸 特急利用   \2,520
 この他に、毎日の食費が入りましたが、非常にリーズナブルな旅行ができたと思います。
 他に観光らしいことはできませんでしたし、非常に体力も使いますが、これがなかなか面白いものです。「いつまでできるか・・・」いいながら続けていますが、いよいよ体力的に限界かな?という気もします。来年ははたしてどうなるでしょうか?。

 と、終わる予定だったのが、またまた北海道に行くことになってしまったのだ・・・。
 つづきを見たい方は「後半」を見てください。

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