ハイライトとなるアルデバランの潜入と出現の場所を示したのが上の図です。月面の模様を参考にして、記載の時間の2分くらい前からアルデバランが潜入・出現する位置を注意深く見ていると、突然「ふっ」とアルデバランが潜入・出現する様子を見ることができるはずです。
今回は月齢11と少し大きく明るいため、肉眼ではアルデバランが隠される瞬間を見るのはちょっと難しいかもしれませんが、双眼鏡を使えば、月の向こう側にふっと消える瞬間を容易に捉えることができるはずです。また、天体望遠鏡を使えば、より高い倍率で見ることができるので、ヒアデス星団の星たちが隠されたり出現したりする様子も見ることができるでしょう。
口径の大きな天体望遠鏡では、月の光を減光して見やすくするムーンフィルターを併用すると、長時間の観察でも眼への負担を少なくすることができます。各望遠鏡のオプションとして用意されていますので、是非この機会にお求めください。また、倍率が低いと月がまぶしくて星が見えにくい場合があるので、ちょっと高めの倍率にして月の一部が見えるくらいにしたほうが、星が見つけやすくなります。 |
●今年は一等星の食の当たり年!
全天には21の一等星がありますが、このうち月に隠される可能性があるのは、今回のおうし座のアルデバランの他に、しし座のレグルス・おとめ座のスピカ・さそり座のアンタレスの4つしかありません。星食は月によってそのはるか向こうにある星が隠される現象ですから、天球上で月が地球からの見かけ上通る道(白道といいます)の近くにある星しか隠されないのです。 |
天球上での月の通り道(白道)が毎年変わる様子
クリックすると拡大します 1年分の月の通り道の移り変わりと、
4つの一等星がどの時期に月に隠されるかがわかります |
|
しかし、実際には天球上の月の通り道は毎回少しずつ変わっています。これは、月が地球のまわりをまわっている軌道面が、地球が太陽のまわりをまわっている軌道面(黄道面・・・黄道=天球上で太陽が地球からの見かけ上通る道)に対して約5゜傾いていて、その傾く方角が約18年周期で変わるために起こります。このため、月に隠される星はいつも同じ星ではなく、ある期間に限って隠される現象が見られることになります。
さらに、月は地球から最も近い「星」で、地球上の見る場所によっても天球上での位置が変わりるため一等星の星食を良い条件で見られることは、非常にめずらしいことなのです。 |
月の軌道面の傾きが変わる様子
この傾きの周期が約18.2年 |
|
|
今年は、今回も含めて5回のアルデバラン食が日本で見られ、さらに11月にはレグルスの食もあり、一等星の食の当たり年になります。今回はその中で最も良い条件になります。星食をはじめとした「食」は、とてもライヴ感覚のある天文現象なので、一度見てみるととても感動するものです。当社の毎月の星空案内のコーナーでは、アルデバラン食はもちろん、星空を気軽に楽しむことができる双眼鏡や望遠鏡を用意しています。この機会に是非お求めいただき、ご自身の目で宇宙の星々が繰り広げるショーをお楽しみください。
●商品は十分在庫をご用意しておりますが、現象の日時が近づくと、注文が殺到し品切れになることもあります。ご注文はお早めにお願い致します。 |