使用機材の紹介

インターネット中継に使用した機材:通称ベランダ君月食中継スペシャル

Meade LXD-600赤道儀(ベランダに固定)
自作口径100mmF3屈折望遠鏡
マスヤマ60mmアイピース(リレーレンズとして使用)
ソニー CCD-TR3000 ビデオカメラ

ビデオカメラで撮影した映像(NTSC)を、ビデオ信号取り込み用パソコンに入力し、コントラスト調整など簡単な画像処理と文字・ロゴ入れをしてからLANで接続されたインターネットサーバにリアルタイム転送。露出時間は、月の明るさに合せて1/125〜1/4秒に可変させました。

スチル撮影に使用した機材:

タカハシ EM-200赤道儀
ペンタックス 125SDHF + 2倍テレコンバータ-L + ペンタックスLXチタン
ペンタックス 75EDHF + テレビュー ナグラー9mm + オリンパスC2000Z

スタッフの感想

 前回の皆既月食は天候が悪く見られなかったため実に7年ぶりの皆既月食を満喫できました。印象に残ったのは食分90%〜99%ぐらいのところで、21:50頃から欠けている部分が赤みを帯びはじめ、皆既突入寸前の22:00頃は実に細い月と赤い隠された月が実に不思議な感覚でした。皆既中は陰の中心部に到達する30分ほど前から薄雲の影響もあってか赤みが薄れ灰色というか褐色に変化。縁の部分が怪しく赤い月は時間を追うごとに姿を変えていきました。皆既終了の23:55頃から細く1本の線が見え始め、日食の第2・第3接触(ダイアモンドリング)を彷彿させる感動がありました。長時間の沈黙を破る瞬間がこれほど劇的なものとは思いませんでした。
 今後はここまで長時間に及ぶ月食はなかなか見られませんが次に日本で見られる月食を楽しみにしています。そのころにはもっと高画質でノイズに強いデジカメ&デジカムが登場しているでしょうか。

吾妻 秀一(スチル撮影)

皆既月食を最初から最後まで見たのは記憶に残る限り最初です。
皆既中の赤く暗い月は不思議な感覚をもたらしますね。

本影食に入るところが望遠鏡より裸眼での方がわかりやすかったと言うのが
自分には意外でした。皆既日食と逆ですね。皆既日食の場合には、最初に
影が食い込んで来るのが望遠鏡で先にわかったので、皆既月食でも同じかと
思っていました。皆既月食の場合には、最初は望遠鏡だと明暗の変化がわか
らなかったです(^^;

見て面白かったのは影が20〜30%程食い込んできた所、それに皆既直前の
細い月+赤い月本体ですね。皆既のはじまりと最後は明確な変化がわからず
じまいでした(^^;

皆既中に小惑星ベスタを双眼鏡で見ていました。皆既が終わると、次第に
それも見えなくなりました。

中谷 一樹(ビデオ撮影)

皆既月食、とても綺麗でしたね。
どんどん黒く欠けていって、そして赤くなった月。
地球の影に月が隠れているんだ、
本の中の宇宙の話が本当のことだとわかった瞬間、
「すごいな、不思議だな」って、とてもシンプルな感情でっぱいになりました。

何もまだ知らない子どもの頃、
もしも偶然に月を見上げた時にたまたま皆既月食が起こっいたとしたら・・・
一体、どんなふうに思ったのだろう?
なんてことを考えると、
一度そんなふうに皆既月食に出会ってみたかったな
小さい頃に戻りたいと思ってしまいます。

なにはともあれ、きれいでしたね。

野島 果歩(後方支援)

 なにより心配したのはとにかくお天気。天候が悪かった場合は晴れ間のあるところに出向してでも中継する予定でしたが、実際に通信回線が確保できるかなどの問題も多かったので、当日の気象衛星「ひまわり」の画像を毎時確認しながら、晴れ間が広がって行く様子を見て胸をなで下ろしていたのは言うまでもありません。

 今回はライヴ中継の予定をだいぶ早くから予告したこともあり、たくさんの方にご覧いただけたようですね。それにしても、すごいアクセス数でした。それだけ、皆さんの目が宇宙に向いていたということだと思います。

 機材の念入りなチェックとテストを行ったため、当日のトラブルはほとんどなく、私も画面だけではなく本当の月の姿を望遠鏡でみる時間をたくさん取ることができました。やはり、直接自分の目で確かめて欲しいですよね。いま、空の上で不思議な現象が起きているのですから。

 次の月食は来年早々1月10日に起こります。もちろん、この日もライヴ中継を行う予定です。星食も起こることがわかっていますし、とても楽しみですね!。皆さんも早めに計画をたてて、是非「ご自身の目で」月食を楽しんでくださいね!。

船本 成克(一応・・・総指揮)

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